こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
「子どもの歯が黒くなってきた」「まだ2歳なのに虫歯になった」など、お子さまの歯の健康について悩みを抱えているご家族は多いのではないでしょうか。「歯磨きを嫌がるので困っている」という保護者の方も少なくありません。
この記事では、2歳の子どもの歯の特徴、虫歯になった場合の治療法や予防法、仕上げ磨きのコツについて解説します。お子さまの健やかな歯の成長のために、適切なケアができるよう知識を身につけましょう。
目次
子どもの歯磨きはいつから始める?
子どもの歯の健康管理は、最初の乳歯が生える前から始めるのが望ましいとされています。歯が生えてから歯磨きをしようとしても、口の中にケアグッズを入れられることに慣れていなければ難しいためです。
歯磨き自体は最初の乳歯が生えてからで構いませんが、口腔ケアの習慣を身につけること、口腔ケアに慣れさせることを目的に、早めに始めると良いでしょう。
年齢ごとのケア方法
ここでは、年齢や発達段階に応じた適切なケア方法をご紹介します。
生後0~4ヶ月
この頃は歯はまだ生えていませんが、母乳やミルクを飲んだ後は清潔なガーゼで口の中を優しく拭き取ってあげましょう。この時期から口元や口腔内を触られることに慣れておけば、歯磨きをスムーズに始められるようになります。
将来の歯磨き習慣の土台作りの期間と考え、ケアしてあげてください。
生後5~8ヶ月
個人差はあるものの、生後6ヶ月頃から下の前歯が生え始め、生後8ヶ月頃には上下の前歯が4本生えます。清潔なガーゼで歯をぬぐうことから始め、徐々に柔らかい毛先の乳児用歯ブラシや、シリコン製の歯ブラシ型の歯固めなどを使って歯をやさしく磨きましょう。
まずは歯磨きに慣れることが大切なので、機嫌のよい時に行ってあげてください。少しずつ食後に行えるよう習慣づけていきましょう。
1歳前後
上下の前歯8本が生えているこの時期から、段階を踏んで歯磨き習慣を確立していきます。
スプーンなどを持てるようになったら、仕上げ磨き用とは別にお子さまが自分で磨く用の歯ブラシも用意しましょう。歯磨きへの興味を引き出すために、お気に入りのキャラクターの歯ブラシを用意するのもよいでしょう。
食後は自分で磨く用の歯ブラシを渡し、自分で歯ブラシを口に入れることに慣れさせていきます。この段階では、歯ブラシを口に入れて噛んでいるだけでも問題ありません。
ただし、歯ブラシをくわえたまま歩き回ったり遊んだりすると危ないので、しっかり座らせて見守りましょう。喉を突かないよう安全ストッパーがついているものや、柄の部分が柔らかく曲がるものを選ぶとよいでしょう。
1歳半~2歳
1歳半ごろから奥歯が生え始めます。奥歯の噛み合わせの溝は深く、汚れが残りやすいため虫歯になりやすい場所です。
お子さま自身の歯磨きも続けながら、仕上げ磨きでしっかりと磨いてあげましょう。
2歳くらいの子どもの歯の特徴
2歳くらいの子どもの口腔内の特徴を確認しましょう。
乳歯の特徴
個人差はあるものの、2歳半頃には20本ある乳歯が生え揃います。
しかし、生えたばかりの歯の構造は未熟で、歯質が柔らかいです。酸に弱く、虫歯になりやすい傾向にあります。また、乳歯は永久歯と比べると歯の外側を覆うエナメル質やその内側にある象牙質が薄いため、虫歯が生じると早く進行します。
歯並びの特徴
2歳頃は、歯と歯の間に隙間があるのが一般的です。将来生えてくる永久歯が正しい位置に並ぶスペースを確保するための隙間で、通常、永久歯が生えると自然に埋まります。
しかし、この隙間には食べかすが詰まりやすいため、乳歯列期は丁寧な歯磨きが必要です。
2歳児の特徴
2歳児は、食べ物を噛む力や唾液の分泌機能などが発達段階にあります。そのため、食べ物が口の中に残りやすく、虫歯菌が繁殖しやすい環境になりやすいです。
さらに、甘いおやつを好む時期でもあるため、虫歯のリスクはさらに高まります。自分で十分に歯磨きできないため、仕上げ磨きも必要でしょう。
しかし、2歳はイヤイヤ期と呼ばれる時期で、仕上げ磨きを嫌がることもあるかもしれません。保護者も一緒に歯磨きをする、保護者の歯を子どもに磨いてもらうなど、楽しい雰囲気を作って歯磨き習慣を定着させましょう。
2歳で虫歯になってしまったときの治療法
2歳の子どもが虫歯になった場合、歯科医院での診察が必要です。一般的には、虫歯の進行具合によって、以下のような治療が行われます。
初期の虫歯の場合
ごく初期の虫歯であれば、フッ素塗布によって歯の再石灰化を促進する治療が行われます。フッ素は歯科医院で塗布してもらうほか、市販のフッ素配合歯磨き粉を使うことでも効果が期待できます。
また、歯科医師や歯科衛生士から指導を受けて、適切なブラッシング方法を実践すれば虫歯の進行を抑えることが可能です。
中程度の虫歯の場合
中程度まで進行した虫歯では、虫歯部分を削り取る必要があります。その後、レジンと呼ばれるプラスチックを削った部分に詰め、修復する治療が一般的です。
進行した虫歯の場合
虫歯が進行し、神経に達した場合は、神経を取り除く治療(根管治療)が必要になることがあります。また、虫歯が深刻で残すのが難しい場合は、乳歯を抜歯することもあります。
子どもの虫歯治療の流れ
子どもの虫歯治療は、以下の流れで進むことが一般的です。
1.初診とカウンセリング
歯科医師が口腔内を診察し、虫歯の進行度を確認します。ご家族とのカウンセリングで、治療内容や進め方を丁寧に説明します。この段階で、子どもが歯科医院に慣れるための時間を設けることもあります。
2.フッ素塗布または簡単な処置
小さなお子さまの治療では、急を要する場合を除いて、まずは歯科医院に慣れてもらうことを優先します。フッ素塗布や歯のクリーニングといった、痛みを伴わない簡単な処置から始めることが多いです。
2歳児の場合、見慣れない環境で不安を感じて、泣いたり落ち着かなくなったりするのは自然なことです。そのため、お子さまが怖がらないよう、治療器具を見せたり触らせたり、治療器具からどんな音がするのか聞いてもらったりして安心してもらいます。
また、ご家族にも診療室に一緒に入ってもらい、お子さまが安心できる環境を作ります。
3.本格的な治療
虫歯の状態に応じた適切な治療をしていきます。治療中の痛みを軽減するために、表面麻酔などを使用することがあります。
また、多くのお子さまが歯科治療に不安を感じるため、以下のような配慮を行います。
・お子さまのペースを尊重した治療進行
・歯科医師や歯科衛生士による温かな声かけ
・治療器具に慣れるための時間を設ける
・治療内容をやさしく丁寧に説明する
ただし、治療が必要不可欠な場合で、どうしてもお子さまの協力を得られないときは、安全確保のためにタオルなどで体を優しく固定することがあります。治療中の急な動きによる事故を防ぐための対応です。
子どもの虫歯を予防するには
子どもの虫歯を予防するためには、日々の習慣や環境の改善が不可欠です。以下に、虫歯を予防するためのポイントを解説します。
正しい歯磨き習慣を身につける
虫歯予防の基本は歯磨きです。幼児のうちは自分で歯をしっかり磨くことが難しいため、仕上げ磨きが非常に重要です。
乳歯は永久歯の土台となるため、早期に虫歯になると永久歯にも影響が出る可能性があります。生え変わるからといって油断せず、永久歯と同様にしっかりとケアしましょう。
フッ素を活用する
歯科医院でのフッ素塗布は、歯質を強化し、虫歯菌の活動を抑制する効果があります。6ヶ月に一度を目安に、フッ素塗布を受けるとよいでしょう。また、ご家庭でもフッ素入りの歯磨き粉を使うことで、虫歯予防効果を高められます。
ただし、歯磨き粉は子どもの年齢に応じた製品を選びましょう。
正しい食生活を心がける
虫歯は、食生活とも密接に関係しています。お菓子やジュースに含まれる砂糖は虫歯の原因になりやすいため、摂取を控えるようにしましょう。おやつには、甘いお菓子ではなくチーズなどの乳製品や小魚、野菜スティックなどの緑黄色野菜を取り入れてみてください。
また、時間を決めずにおやつをだらだら食べさせたり、寝る前にジュースを与えたりすることは、虫歯のリスクが高まるため避けてください。
定期検診を受ける
定期検診を受けていれば、小さな虫歯や歯の異常を早期に発見し、治療することが可能です。また、シーラント(歯の溝を埋める処置)やフッ素塗布など、虫歯予防のための処置を受けることができます。
子どもに仕上げ磨きをするコツ
仕上げ磨きをする際は、お子さまが嫌がらずに歯磨きを続けられるよう工夫することが必要です。以下に、2歳児に仕上げ磨きを行う際のコツをご紹介します。
リラックスできる姿勢で行う
2歳の子どもは落ち着いてじっとするのが難しいため、仕上げ磨きの姿勢にも工夫が必要です。例えば、保護者の膝の上に子どもを寝かせ、頭を安定させると磨きやすいです。この姿勢では保護者と子どもの顔が近くなるため、子どもも安心感を持てるでしょう。
楽しい雰囲気で歯磨きをする
2歳の子どもは、遊びの延長で歯磨きを楽しむと嫌がりにくいです。例えば、歯磨きに関連する歌を歌ったり、歯磨きの絵本を読んだりすることで、歯磨きが楽しい時間だと感じてもらえます。
また、遊びの要素を取り入れて、歯医者さんごっこをするのも良いでしょう。
お子さまが嫌がるのに無理やり行うと、歯磨きを嫌う恐れがあります。無理に続けず一度休憩し、気持ちが落ち着いてから再開しましょう。
歯磨きの後は「上手にできたね」「ピカピカになったね」と褒めることで、お子さまは達成感を感じます。たくさん褒めてあげましょう。
短時間で効率よく磨く
子どもの集中力は短い時間しか持続しません。そのため、手際よく磨くことが大切です。
歯を磨く順番を決め、特に磨き残しやすい奥歯や歯の間など、ポイントを押さえて磨くとスムーズに進められます。
まとめ
2歳のお子さまの虫歯は、早期発見・早期治療が大切です。日々の丁寧なケアと定期的な歯科検診でお子さまの歯の健康を守りましょう。
もし虫歯ができた場合も、歯科医院で適切な治療を受けることで進行を防げます。お子さまの歯の健康に不安がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
2歳頃のお子さまの虫歯についてお悩みがある方は、島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。
当院では入れ歯や矯正治療、小児矯正など、さまざまな診療を行っています。当院のホームページはこちら、予約・お問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご覧ください。