こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
入れ歯は、何らかの原因で歯を失ってしまった場合に、歯の機能を補うための治療方法の一つです。歯を失った場合には、入れ歯・ブリッジ・インプラントのいずれかの治療を行って歯を補わなければなりません。
歯を補わなければ、残っている自分の歯に過度な負担がかかったり、噛み合わせ全体が崩れたりする原因になります。入れ歯は、3つの治療法の中でも馴染みがある治療ではないでしょうか。
今回は、保険の入れ歯と自費の入れ歯の特徴や違いについて詳しく解説していきます。
目次
保険の入れ歯の特徴
入れ歯は大きく分けて2種類あります。上下顎どちらかの自分の歯が全てない場合には総入れ歯、自分の歯が残っている場合には部分入れ歯を選択します。
総入れ歯は、粘膜の上の吸着させるように乗せて装着します。部分入れ歯は、残っている歯に金属のバネ(クラスプ)を引っ掛けて固定します。
保険の入れ歯の場合は、人工歯と人工歯を並べるための床(しょう)は、プラスチックで作成されます。部分入れ歯のクラスプは、金属製です。
保険の入れ歯のメリット
保険の入れ歯のメリットは、以下のとおりです。
費用が安価
保険の入れ歯の最大のメリットは、安価であることです。保険が適用されるので負担額は1割〜3割の範囲に収まります。
総入れ歯か部分入れ歯によっても異なりますが、およそ5,000円〜1万5,000円で治療できるでしょう。
治療期間が短い
保険の入れ歯は、必要最低限の機能と見た目を回復する治療です。小さな部分入れ歯であれば、型取りと装着あわせて2回の通院、1週間程度の期間で終了することもあるでしょう。
総入れ歯や大きな部分入れ歯は作業工程が少し増えますが、1ヶ月程度で作成できることが多いです。
保険の入れ歯のデメリット
保険の入れ歯は、使用できる素材や選択できる構造に制限があります。そのため、使用感などにデメリットがあります。
しっかり噛めない
保険の入れ歯は、ご自身の口内に適合させるのが非常に難しいです。硬いものを食べると入れ歯がズレるなど、しっかり噛めないことがあります。
異物感が強い
保険の入れ歯はプラスチックで作られています。プラスチックは強度があまり高くないので、ある程度の厚みで作らなければなりません。
そのため、口の中に入れた時に強い異物感を覚えることがあります。
耐久性が劣る
保険の入れ歯はプラスチックでできているので、変色や破損、変形が起こりやすいです。そのため、およそ2年程度で作り直しになることが多いです。
審美性が低い
保険の部分入れ歯の場合、クラスプという金属のバネを残っている歯に引っ掛けて使用します。クラスプは金属で銀色なので、固定する位置によっては金属が見えて目立つでしょう。
周囲の歯に負担がかかることがある
クラスプを残っている歯に引っ掛けて使用する場合、クラスプをかける歯に負担がかかりやすいです。残っている歯の寿命を短くする可能性があります。
自費の入れ歯の特徴
自費の入れ歯は、保険適用のものとは異なり素材や構造などの選択肢が増えます。そのため、使用感を考慮して様々な入れ歯を作成可能です。
自費の入れ歯にはいくつか種類がありますが、代表的なものについてメリット・デメリットなどの特徴を詳しく解説します。
ノンクラスプデンチャー
部分入れ歯の一種で、入れ歯を固定するための金属のクラスプがないものです。入れ歯自体が弾力性のある素材でできており、残った歯を床(しょう)で覆って固定します。
クラスプがないため審美性が高く、保険の部分入れ歯よりもフィット感があるのが特徴です。費用の相場は、10万円〜50万円程度です。
メリットとデメリットを、表にまとめました。
<ノンクラスプデンチャーのメリット・デメリット>
メリット | デメリット |
---|---|
・審美性が高い ・しっかりフィットして装着感が良い ・金属アレルギーの心配がない | ・壊れた時の修理が難しい ・寿命が短く平均3年程度で作りかえが必要 ・対応できない症例がある ・自費のため費用が高い |
ノンクラスプデンチャーは、弾力性のある特殊な樹脂素材でできています。壊れた時の修理が難しく、すり減りなどで寿命を迎えたら作り替える必要があるでしょう。
また、欠損している歯が多い場合など、対応できない症例もあります。
金属床義歯
入れ歯の床部分に、コバルトやクロムなどの金属を利用した入れ歯です。お口を開けて見える部分はプラスチックなので、金属色は目立ちません。
また、薄く作っても強度を保てることが特徴でしょう。保険の入れ歯の4分の1の薄さで作ることができるため、装着時の違和感が軽減されます。費用の相場は、25万円〜50万円程度です。
メリットとデメリットを、表にまとめました。
<金属床義歯のメリット・デメリット>
メリット | デメリット |
---|---|
・薄く作れるため装着感が良い ・食べ物の温度が伝わりやすい ・耐久性が高い | ・金属のため修理が難しいことがある ・自費のため費用が高い |
他の自費の入れ歯との違いとしては、床が金属なので飲食物の温度が伝わりやすいことが挙げられます。食事の楽しみを奪われることなく生活できる可能性が高いでしょう。
マグネットデンチャー
入れ歯の固定に磁石を利用した入れ歯です。残っている歯の根と入れ歯本体にマグネットを取り付けて、磁石の力で入れ歯を固定します。
クラスプを利用しないので見た目がよく、しっかりと固定されるので安定感があります。着脱も容易にできるので、お手入れをスムーズに行えるでしょう。
費用の相場は10万円〜40万円程度で、入れ歯の大きさやマグネットの数などによって異なります。
<マグネットデンチャーのメリット・デメリット>
メリット | デメリット |
---|---|
・入れ歯がしっかりと固定される ・食事がしやすい ・審美性が高い | ・マグネットを取り付ける歯がないと作成できない ・修理が難しい場合がある |
保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いは何?
代表的な自費の入れ歯のみご紹介しましたが、他にもインプラントを使用した入れ歯や、シリコンを使用した入れ歯を取り扱っている歯科医院もあります。様々な材料を自由に選択できるので、多くの種類があるのです。
自分の求めている機能や見た目に合わせて選択できることが、自費の入れ歯のメリットといえます。ここでは、保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いを確認していきましょう。
フィット感
保険の入れ歯と比較して、自費の入れ歯はフィット感が高いものが多いです。保険の入れ歯は固いプラスチックでできていますが、自費の入れ歯は弾力感がある素材を選択することができるためです。
また、自費の入れ歯は、製作工程が多くより精密に作ることができます。患者さまの口内にフィットする入れ歯を製作できるでしょう。
異物感
保険の入れ歯と比較して、自費の入れ歯は異物感が少ない傾向があります。例えば、金属床義歯は保険の入れ歯の4分の1の厚みで作製することができるので、異物感・違和感を軽減できるでしょう。
審美性
保険の入れ歯は、プラスチックと金属のクラスプでしか作ることができません。
しかし、自費の入れ歯はクラスプがないノンクラスプデンチャーや、マグネットで固定するマグネットデンチャーなどを選択することもできます。金属が目立たないので、審美性を高められます。
費用
保険の入れ歯と比較すると、自費の入れ歯は高額です。保険の入れ歯が5,000円〜1万5,000円で作製できるのに対して、自費の入れ歯は10万円〜50万円が相場です。
ただし、その分使い心地の良さなどのメリットがあります。
ご自身に合った入れ歯を選ぶときのポイント
入れ歯を選ぶ時には、入れ歯に何を求めているのかを自分自身が理解する必要があります。フィット感・異物感・審美性・費用など、求めるものに応じて入れ歯を選択すると良いでしょう。
ただし、残っている歯の本数や位置によっては希望の入れ歯では対応できないこともあります。歯科医師とよく相談の上、入れ歯を選択するようにしましょう。
「入れ歯に求めるポイントが自分でもわからない」という方は、まずは保険適用で入れ歯を作ってみて、使い心地を確かめてみるのも一つの方法です。
保険の入れ歯は、歯を補うための最低限のものです。使用してみると不満な点が出てくることもあるでしょう。その部分をカバーできる自費の入れ歯を選ぶと、納得できるかもしれません。
まとめ
保険の入れ歯と自費の入れ歯では、つくりが全く異なります。
保険の入れ歯は、歯を補うための最低限の機能しか有していませんが、自費の入れ歯はフィット感の良さ、異物感の少なさ、審美性の高さなど、さまざまな部分にこだわって作成できます。
自費の入れ歯は費用が高いですが、メリットも多いのが特徴です。保険の入れ歯を使用していて「うまく噛めない」「異物感が強くてつけていられない」とお困りの方は、自費の入れ歯を検討してもいいかもしれません。
入れ歯についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。
当院では入れ歯や矯正治療、小児矯正など、さまざまな診療を行っています。当院のホームページはこちら、予約・お問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご覧ください。