こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
インビザラインは、従来のワイヤー矯正とは異なるマウスピース型の矯正装置です。透明で見た目に影響を与えにくいなどメリットが多いですが、装着すると奥歯がパカパカ浮いて違和感を覚えたという経験もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、インビザラインで奥歯がパカパカ浮く原因と放置するリスク、対処法について解説します。ぜひ参考にしてください。
そもそもインビザラインって何?
はじめに、インビザラインについて解説します。
インビザラインとは
インビザラインとは、従来のワイヤー矯正と全く異なり、透明なマウスピースを使用した矯正治療です。透明なマウスピースを歯に装着することで、少しずつ歯を動かし、理想の歯並びに近づけます。
インビザラインのここがすごい!
従来の矯正治療では、銀色のワイヤーを歯に取りつけることで歯並びを整えていましたが、多くのデメリットがありました。
しかし、インビザラインは、ワイヤー矯正のデメリットを解消し、快適に使うことができます。ワイヤー矯正とインビザラインの違いは、以下のとおりです。
<ワイヤー矯正とインビザラインの違い>
ワイヤー矯正 | インビザライン |
---|---|
銀色のワイヤーのため人からの視線が気になる | 透明のマウスピースのため目立ちにくい |
ワイヤーに食べ物がはさまる | 取り外し可能なので食べ物がはさまりにくい |
ワイヤーが口内の粘膜を傷つけることがある | 柔らかいシリコン素材を使用しているため口の中を傷つけにくい |
ブラッシングがしにくい | 凹凸が少ないためブラッシングしやすい |
ワイヤーが外れる可能性がある | 複雑な装置ではないため応急処置が少なくてすむ |
金属アレルギーがあると使えない | シリコン素材なので金属アレルギーの方でも安心して使える |
上記の特性があるため、インビザラインは口元を気にせず治療をしたい方、特に営業職や接客業など人前に出る機会の多い方に向いています。歯列矯正を始めたい方は、ぜひ一度お近くの歯科医院にご相談ください。
インビザラインで奥歯がパカパカ浮く原因とは
メリットの多いインビザラインですが、奥歯がパカパカ浮いて不快感を覚えたという方もいるのではないでしょうか。奥歯がパカパカ浮く現象は、次の5つの原因によって引き起こされている可能性が高いです。
マウスピースの装着時間が短くなっている
1つ目の原因は、マウスピースの装着時間が短くなっていることです。
インビザラインで使用するマウスピースの装着時間は、1日20〜22時間以上です。つまり、食事や歯磨き以外は常に装着しなければいけません。装着時間が短いと計画どおりに歯が動かず、用意していたマウスピースと歯が合わなくなることがあります。
マウスピースと歯をしっかり合わせるためにも、装着時間の厳守は非常に大切です。
取り外しの回数が多すぎる
2つ目の原因は、マウスピースの取り外し回数が多すぎることです。
マウスピースは、多くの場合、弾力性のあるシリコン素材で作られています。そのため、食事や歯磨き以外で何度もマウスピースを外すと、柔らかいシリコン素材が変形し、歯と合わなくなります。
また、マウスピースの取り外し回数が多いと全体の装着時間が短くなることにもつながるため、よりマウスピースが歯から浮きやすくなるのです。
歯がマウスピースを保持しにくい形状をしている
3つ目の原因は、歯がマウスピースを保持しにくい形状をしていることです。
インビザラインのマウスピースは、歯を包み込むような形状です。そのため、歯の縦幅や横幅が不十分な場合や生えている歯の高さが足りないなど、歯がマウスピースを保持しにくい形状だと歯から浮いてパカパカしやすくなります。
また、奥歯は嚙み合わせの際に大きな負荷がかかる箇所です。そのため、歯を噛み締めたときに奥歯が沈み込み、マウスピースとの間にすき間が生じて奥歯部分が浮くことがあります。
歯の移動に伴ってずれる
4つ目の原因は、歯の移動に伴ってずれることです。
歯が当初の想定よりも多く動いた場合や動かなかった場合は、新しいマウスピースに交換した際に歯から浮くことがあります。
また、マウスピースに向いていない歯の動かし方があります。例えば、以下のケースです。
・歯のねじれを解消する
・歯の低さを解消する(歯に高さを出す)
上記はどんなにルールを遵守してマウスピースを使っても、想定と違った結果になることがよくあります。そのため、歯の動きにずれが生じる可能性が高くなるのです。
装着の際にアライナーチューイーを使っていない
5つ目の原因は、装着の際にアライナーチューイーを使っていないことです。
アライナーチューイーとは、マウスピースを正しい位置にはめ込むための補助アイテムです。アライナーチューイーは、シリコン製で弾力がある3cmほどの円柱で、噛み締めることで歯とマウスピースを密着させることができます。
マウスピース自体は指を使ってはめることができますが、それだけだとアタッチメントとマウスピースの間に目に見えないずれが生じます。その結果、マウスピースがしっかりと歯にはまらず、パカパカ浮く原因となるのです。
インビザラインで奥歯がパカパカ浮いた状態のままだと
インビザラインで奥歯がパカパカ浮く現象を放置するリスクは、以下のとおりです。
歯並びの悪化
放置するリスクとしてまずあげられるのが、歯並びの悪化です。
前述したように、マウスピースと歯のすき間は、歯が治療計画よりも大きく異なった動きによって生じている可能性があります。この状態でマウスピースを使い続けると、歯の動きに乱れが生じ、かえって歯並びを悪化させるリスクがあります。
インビザラインでマウスピースが浮いてしまう場合は、すみやかに担当の歯科医師に相談し、治療計画の再検討やマウスピースの作り直しをしてもらいましょう。
口腔粘膜の損傷
歯並びの悪化に加えて、マウスピースが浮くと口腔粘膜の損傷を引き起こします。特に、浮きが大きい場合はマウスピースの縁が口内の粘膜を傷つけ、潰瘍やびらんを引き起こすリスクがあります。
万が一、矯正治療よりも粘膜損傷の治療を優先しなければならなくなると、治療計画に大幅な遅れをもたらし、治療が思うように進まなくなる場合もあるでしょう。
マウスピースが浮いている場合は、早めに歯科医師に相談することが重要です。
インビザラインで奥歯がパカパカ浮くときの対処法
最後に、インビザラインで奥歯がパカパカ浮くときにご自身でもできる対処法をご紹介します。
装着時間の見直し
まずは、マウスピースの装着時間の見直しが必要です。
装着時間の不足は、マウスピースと歯の間にすき間を生じさせ、奥歯がパカパカ浮く原因となります。規定されている、1日20〜22時間以上の装着時間を厳守しましょう。
また、不必要にマウスピースをつけることや外すこともよくありません。マウスピースは、原則として食事や歯磨き以外では外さず、常に装着する必要があります。
アライナーチューイーの適切な利用
次に、アライナーチューイーの適切な利用を行いましょう。
アライナーチューイーを正しく使うことで、マウスピースと歯がしっかり密着し、治療効果を十分に発揮することができます。
アライナーチューイーを使用する際は、マウスピース装着後、全体の歯でアライナーチューイーを噛み、その後マウスピースが浮いている部分を重点的に噛んでしっかりと歯に密着させます。特に、マウスピースを交換した直後の2~3日は浮きやすいため、15分以上は噛みましょう。
治療計画の立て直し
上記の対処を行っているにもかかわらず、奥歯がパカパカ浮く場合は、治療計画の立て直しが必要です。
インビザラインでは、マウスピースを装着して歯を少しずつ動かしますが、実際に歯がどのような動き方をするのかは完璧に予想できません。想定以上の動きをして(もしくは動きをしないで)マウスピースと歯が合わなくなる場合もあります。
マウスピースの浮きがいつまでも解消されない場合は、歯科医院で相談しましょう。歯科医院で相談することで、計画の修正やマウスピースの再作製をすみやかに行うことが可能です。また、早急に対処することで、治療期間の延長や追加費用の発生を防ぐこともできます。
まとめ
今回は、インビザラインで奥歯がパカパカ浮く原因と放置するリスク、その対処法について解説しました。
インビザラインは、定められた時間装着することで初めて治療効果が得られます。そのため、担当の歯科医師から指定された装着時間や決められたルールを必ず守り、正しく装着してください。
万が一、マウスピースが歯から浮くなどの不具合を感じた際は、迷わず歯科医院を受診し、マウスピースを調整してください。迅速に対処することは、計画変更の回避や追加費用をおさえることにつながります。インビザライン装着時に奥歯がパカパカ浮くことでお悩みの方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
インビザラインについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。