こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
インビザライン矯正は、1~2週間に1回の頻度でマウスピースを交換しながら歯並びを整えていく矯正方法です。
インビザライン矯正中の方や、インビザライン矯正を検討している方は「マウスピースの交換を早めれば、治療を早く終わらせられるのでは?」と考えるかもしれません。マウスピースの交換を早めると、治療も早く終わらせることはできるのでしょうか。
今回は、マウスピースの交換頻度の決まり方や、交換を早めることは可能かなどについて解説していきます。
目次
インビザラインのマウスピースを交換する頻度
インビザライン矯正では、自由に着脱できる透明のマウスピースを用いて歯並びを整えます。マウスピースは同じものを治療完了まで装着し続けるわけではなく、1週間~2週間に1回のペースで新しいものに交換します。
使用する枚数は歯並びの状態によって異なりますが、矯正治療完了までに数枚~数十枚のマウスピースを使用するのが一般的です。
歯の動き方には個人差がありますが、一枚のマウスピースで歯が動く距離は0.25mm程度といわれています。一か月あたりでは1mm程動くことになります。
全体的な治療期間は症例によって異なり、軽度の症例や部分矯正であれば数か月~1年程で完了します。中等度であれば1~2年程度、重度の場合には3~5年程度かかるでしょう。
症例によっては長い年数がかかるため「もっと早く動かせないの?」と感じる方は多いかもしれません。
しかし、後戻りを防ぎながら身体に負担をかけずに歯並びを整えるためには、適切なプロセスをたどることが重要です。インビザライン矯正も他の矯正方法と同様に、歯を支えている骨の代謝のサイクルに合わせて時間をかけて進める必要があるのです。
インビザラインのマウスピースの交換頻度の決まり方
先にも述べた通り、インビザライン矯正のマウスピースの交換頻度は1~2週間に1回が一般的です。
しかし、マウスピースの装着時間が不足した場合や、治療計画よりも歯の動きが遅れている場合などには、交換ペースを遅くすることもあります。また、歯の移動がスムーズな場合には4~5日での交換を指示されることもあるでしょう。
インビザライン矯正では、事前にシミュレーションを行います。シミュレーションの結果をもとに、一人ひとりに合った治療計画が立てられ、歯科医師がマウスピースの交換時期を決めます。
そのため、自己判断でマウスピースの交換時期を変更するのは絶対にやめてください。必ず歯科医師に相談し、指示に従うようにしましょう。
マウスピースの交換頻度を決めるには、以下の要素が関係しています。
歯並び・噛み合わせ
インビザライン矯正のマウスピースの交換時期を決める最も大きな要素は、歯並びや噛み合わせです。特に、歯並び・噛み合わせの乱れが重度の場合には、歯を移動させる距離が大きくなったり複雑な調整が必要になったりすることが多いでしょう。
例えば、大きく歯が重なり合って生えているようなケースでは、歯の移動距離が大きく移動に時間がかかります。そのため、交換頻度を早めることは難しいのです。
患者さまの年齢
インビザラインに限らず、歯科矯正では歯が動く方向の骨が吸収され、反対側の骨が新たに作られる骨代謝のサイクルを利用して歯を動かしていきます。骨の代謝が活発な若い方ほど骨の吸収と再生が早いため、歯の動くスピードが早い傾向にあります。
そのため、年齢が若いほどマウスピースの交換時期を早められる可能性が高いといえるでしょう。
マウスピースの装着時間
インビザライン矯正では、マウスピースを1日に20~22時間以上装着する必要があります。つけ忘れや紛失などで装着時間が不足した場合には、歯が治療計画通りに動かなくなります。
装着時間が不足した場合には、交換時期を延ばす必要があるため、その分治療期間が延びるでしょう。
インビザラインのマウスピースの交換を早めても大丈夫?
患者さまの中には「どうしてもインビザライン矯正を早く終わらせたい」と考える方もいるでしょう。先にも述べた通り、歯の動き方によってはマウスピースの交換を早められることもあります。
しかし、自己判断でマウスピースの交換を早めることにはさまざまなリスクが伴うため、注意が必要です。以下で、自己判断でマウスピースの交換を早めるリスクについて解説します。
痛みや不快感が生じる
インビザライン矯正では、事前にシミュレーションを行ったうえで治療計画が綿密に立てられます。自己判断でマウスピースの交換時期を早めると、マウスピースがフィットせず歯や周辺組織に大きな負担がかかることが考えられるでしょう。
結果、歯や周辺組織が圧迫され、痛みや違和感を覚える可能性があります。
歯並びが乱れる可能性がある
インビザライン矯正は、歯科医師の指示通りにマウスピースを交換しながら、少しずつ歯並びを整える矯正方法です。前のマウスピースでの歯の移動が完了していない状態で新たな矯正力が加わると、予定外の位置に歯が動くリスクがあります。
歯が治療計画通りに動かない場合には、歯並びが整うどころか、乱れる可能性も考えられるでしょう。治療計画の修正やマウスピースの作り直しが必要になるケースもあるので注意が必要です。
治療計画にズレが生じる
インビザライン矯正中に自己判断でマウスピースの交換時期を早めた場合、歯が十分に動いていない可能性が高いです。次のマウスピースをしっかり装着できず、歯が予定通り動かなくなるでしょう。
マウスピースは歯の動きに合わせて作られているため、歯に密着させることができなければ効果を得られません。自己判断で交換時期を早めると、治療計画にズレが生じ矯正治療を長引かせる原因になることもあるので注意が必要です。
計画どおりにインビザラインでの治療を進めるには
計画通りにインビザライン治療を進めるには、どのような点に気を付けたらよいのでしょうか。ここからは、スムーズに治療を進めるためにおさえておくべきポイントを解説します。
マウスピースの装着時間を守る
インビザライン矯正では、1日のうちにマウスピースを20時間~22時間以上装着する必要があります。つまり、食事や口腔ケアの時間を除く、1日のほとんどの時間をマウスピースを装着して過ごさなければいけません。
マウスピースを装着し忘れたり装着を怠ったりした場合、予定通りに歯が動かなくなるので注意してください。スマホのリマインダー機能を活用してつけ忘れを防止したり、矯正終了後の目標を明確にしてモチベーションを保ったりすることも重要です。
マウスピースの交換時期を守る
マウスピースの交換時期を自己判断で早めた場合、治療計画にズレが生じたり歯並びが乱れたりする可能性があります。治療を早く終わらせるどころか治療期間が延びることもあるため、交換時期は医師の指示に従いましょう。
マウスピースの変形や破損・紛失を防ぐ
マウスピースに変形や破損が生じた場合、歯に適切な力を与えることができず、治療計画通りに治療が進まなくなります。紛失した場合も治療を中断しなければならないので、治療期間が延びるでしょう。
インビザライン矯正中は、マウスピースを正しく取り扱うように心がけることが大切です。例えば、マウスピースを装着したまま食事をしたりマウスピースを熱湯で洗浄したりすると、マウスピースの破損や変形を招く恐れがあるため、避けるようにしてください。
また、食事や口腔ケアなどで一時的に取り外す際には、紛失や破損を防ぐために必ず専用のケースに保管しましょう。
口腔ケアを丁寧に行う
インビザライン矯正中は、マウスピースが歯を覆っているため唾液が行き届かず、唾液の自浄作用が働きにくくなります。そのため、虫歯や歯周病のリスクが高まるでしょう。
矯正中に虫歯や歯周病を発症した場合には、矯正治療を一時中断して、先に虫歯や歯周病を治療しなければなりません。治療期間の延長にもつながるため注意が必要です。
インビザライン矯正をスムーズに進めるためには、日々の口腔ケアを丁寧に行い、口内を清潔に保つことも心がけましょう。
チューイーを使用する
インビザライン矯正は、マウスピースが歯に密着した状態でなければ、計画通りに進みません。チューイーと呼ばれる専用の器具を噛むことで、マウスピースをフィットさせやすくなるでしょう。
特に、新しいマウスピースを装着する際は、マウスピースが浮く可能性が高いです。マウスピースを装着する際は、チューイーを使用してしっかりフィットさせるようにしてください。
定期的に受診する
インビザライン矯正では、治療に必要なマウスピースをまとめて受け取るため、通院の頻度はそこまで高くありません。目安としては、2ヵ月に1回程のペースです。
マウスピースが手元にあり自由に交換できることから、定期検診を面倒に感じる方もいるかもしれません。
しかし、定期検診は、歯の動き方や虫歯・歯周病の有無のチェックを行う重要な機会です。通院を怠れば、何らかのトラブルがあった際に対処が遅れる可能性が高まります。スムーズに治療を進めるためにも、歯科医師に指示されたタイミングで受診してください。
まとめ
インビザライン矯正をしていると「マウスピースの交換時期を早めたい」と考える方もいるでしょう。
しかし、マウスピースの交換時期を早めたからといって、必ずしも治療が早く終わるとは限りません。場合によっては、治療計画に大幅なズレが生じて治療期間が長引く恐れもあるのです。
歯科医師の指示通りに進めることが、インビザライン矯正を最短で終わらせることに繋がります。
インビザライン矯正の進め方についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。
当院では入れ歯や矯正治療、小児矯正など、さまざまな診療を行っています。当院のホームページはこちら、予約・お問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご覧ください。