こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
インビザラインは、1~2週間ごとにマウスピースを新しいものに交換しながら治療を進めます。治療完了までに使用するマウスピースの枚数が気になる方は多いのではないでしょうか。
使用するマウスピースの枚数は決まっておらず、治療計画によって異なります。さらに、治療を進めるなかでマウスピースを追加するケースもあります。
今回は、インビザラインで使用するマウスピースの平均枚数について詳しく解説します。枚数を増やさずに治療を完了するためのポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザライン治療で使用するマウスピースの平均枚数
インビザライン治療で使用するマウスピースの平均的な枚数は、50枚程度とされています。
トータルで50枚のマウスピースを使用する場合、1週間に1回交換するペースだと1年程度で歯の移動が完了します。交換ペースが2週間に1回の場合でも、2年後には治療が完了するでしょう。
ただし、これは治療が順調に進んだ場合の平均的な枚数です。治療期間や使用するマウスピースの枚数は、個々の症例や歯の動きによって変動します。
マウスピース1枚で歯を動かせる距離は最大で0.25mm程度とされているため、歯の移動距離が長いほど枚数が増加します。
マウスピースの枚数はどのように決まる?
マウスピースの枚数は、症例の難易度や口内の健康状態の影響を受けます。
症例の難易度
症例の難易度は、マウスピースの枚数を決める重要な要素です。前歯1〜2本の傾きを直したいなど、大きく歯を移動させる必要がない場合は多くのマウスピースは必要ありません。10〜30枚程度で治療が完了することもあるでしょう。
歯並びの乱れが重度で抜歯を必要とする場合は、大きく歯を移動させる必要があります。抜歯で得られるスペースは1本あたり7mm程度とされており、左右対称に2本抜歯した場合は14mmものスペースが生まれます。
上述したとおり、マウスピース1枚で移動できる歯の距離は最大0.25mmほどしかありません。複数の歯を動かしながら隙間を詰めるとはいえ、抜歯で生じたスペースを埋める場合はマウスピースの枚数が増えるでしょう。
虫歯や歯周病
インビザライン治療中に虫歯や歯周病になると、マウスピースの枚数が増える可能性があります。虫歯や歯周病の治療に伴い、矯正治療の中断や遅れが発生するからです。
虫歯の場合、大きさによっては歯を削る必要があるでしょう。歯の形状が変わると、作成したマウスピースを装着できなくなります。新たな計画に基づいてマウスピースを作り直さなければなりません。
作り直しが必要になれば、マウスピースの枚数は増加します。
また、歯周病で歯肉の腫れや出血があると、マウスピースを正しく装着できない可能性があります。歯周病治療を優先する場合、治療計画の見直しやマウスピースの追加が必要になるでしょう。
マウスピース紛失や破損
インビザライン矯正では、治療開始時にすべてのマウスピースを渡されます。ご自身で管理する必要がありますが、マウスピースを紛失・破損した場合は、不足分を新たに作り直します。
マウスピースを作り直すとき、途中で治療計画の見直しが必要になることもあるでしょう。治療を中断している期間に、歯が元の位置に戻る可能性があるためです。
マウスピースの枚数が増えることはある?
インビザライン治療では、マウスピースを途中で追加することがあります。どのような場合に追加するのでしょうか。
予定の枚数で治療を完了できない場合
患者さまの歯並びや噛み合わせを考慮して治療計画を立てますが、実際の歯の動きが予測と異なることがあります。
例えば、患者さまがマウスピースを指示通りに装着していない場合や、歯の移動が遅い体質のために予想よりも治療に時間がかかる場合などです。このような場合は、追加のマウスピースが必要になるでしょう。
リファインメントを行う場合
リファインメントとは、治療計画と歯の動きに生じたズレを改善したり、より美しい歯並びを目指したりするために行うマウスピースの追加のことです。より良い治療結果を得るために行いますが、マウスピースの枚数が増えるので治療期間が延びるでしょう。
抜歯を伴う場合
矯正治療では、患者さまの歯並びや口腔内の状態によっては抜歯を行います。例えば、歯が重なり合っていて並べるスペースが不足している場合は、抜歯を行ってスペースを確保します。
最初に抜歯を行った場合は、抜歯部分を考慮してマウスピースの枚数を決定できます。
しかし、中に、インビザライン治療を開始した後で、抜歯が必要になるケースもあります。この場合、抜歯を考慮してマウスピースを作成していないので、新たに治療計画を立てて必要なマウスピースを追加する必要があります。
決められたマウスピースの枚数で治療を終わらせるポイント
マウスピースの枚数が増えると治療期間が長くなり、費用も多くかかります。これを避けるためには、決められた枚数で治療を終わらせることが重要です。
マウスピースを正しく装着する
マウスピースは歯としっかりと密着させる必要があります。マウスピースが浮いていると治療計画通りに歯が動かず、計画を立て直して新しいマウスピースを作らなくてはなりません。
マウスピースを装着する際は、チューイーを使用しましょう。チューイーは弾力のあるシリコン製のチューブで、歯とマウスピースを密着させるために使用します。
マウスピースを歯に装着したあと、しっかりチューイーを噛んでください。
マウスピースの装着時間を守る
インビザライン治療の治療計画は、1日20時間以上マウスピースを装着することを想定して立てられています。装着時間が短いと歯を十分に移動させることができません。
食事と歯磨きの際は外しますが、その他の時間はマウスピースを装着し続け、決められた装着時間を下回らないようにすることが大切です。
マウスピースの破損や紛失を防ぐ
インビザライン治療では、すべてのマウスピースが事前に作られて渡されます。マウスピースを紛失したり破損したりすると、その分を新たに作り直さなければならないので注意しましょう。
紛失や破損で治療が中断されると、その期間に歯が元の位置に戻りマウスピースを追加しなければならなくなるかもしれません。マウスピースはケースに入れて保管し、いつも同じ場所に置くようにするなど、紛失しないための工夫をしましょう。
定期的に歯科検診を受ける
虫歯や歯周病が原因で、インビザライン治療を中断することがあります。虫歯や歯周病の治療が終わった後は、歯の形状が変わったり歯が想定外の位置に動いたりして、治療計画の見直しが必要になる場合があります。
虫歯や歯周病が悪化する前に治療を始めれば、インビザライン治療を中断しなくてよいでしょう。定期的な歯科検診で、虫歯や歯周病の早期発見・治療につなげましょう。
実績のある歯科医院を選ぶ
適切な枚数のマウスピースを用意するためには、正確な治療計画の立案が欠かせません。診断や計画が不十分だと、途中で計画の見直しが必要になる可能性があります。
マウスピース枚数を最小限に抑えるためには、インビザライン治療の実績が豊富で、適切な診断と計画立案を行える歯科医院を選ぶことが重要です。
インビザラインの効果を実感できるのは何枚目から?
インビザライン治療を開始してから効果を実感できるのは、最初の数枚のマウスピースを使用した後のことが多いです。
治療を開始して2~3枚目のマウスピースを使用している頃に、歯に微妙な動きや変化を感じ始めるでしょう。歯並びが目に見えて大きく変わるわけではありませんが、マウスピースの装着感や歯にかかる圧力の変化を通じて、治療が進行していることを実感できます。
目に見える効果を実感できるのは、10~20枚目のマウスピースを使用している頃でしょう。この時期には、歯並びや噛み合わせに明らかな変化を感じる方が多いです。
効果を実感するまでの時間は、もともとの歯並びやマウスピースの装着時間によって異なります。治療の進行具合は、定期的なチェックの際に歯科医師に質問するとよいでしょう。
まとめ
インビザライン治療で用いるマウスピースの枚数は、もともとの歯並びの状態によって異なります。多くの場合は、40~60枚の範囲で収まるでしょう。
マウスピースを追加しなければならないのは、治療が予定通りに進んでいない場合です。決められた装着時間を下回ると治療が遅れ、マウスピースの追加につながります。
また、インビザライン治療の途中で抜歯が必要になると、治療計画の大幅な見直しが必要になります。マウスピースの追加は避けられないでしょう。
事前にシミュレーションを行いますが、必ずシミュレーション通りに治療が進むとは限りません。大切なのは、計画と実際の歯の動きのズレに早期に気づいて対処することです。
予定とズレたときにリカバリーできるかどうかは、歯科医師の経験に左右されます。インビザライン治療を始める際は、実績があり信頼できる歯科医院を選ぶようにしましょう。
インビザライン矯正についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。