こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
インビザラインの治療後は、後戻り(歯が元の位置に戻ろうとすること)を防ぐために「リテーナー」を装着しなければいけません。
インビザライン治療が終わったのにまだ装置をつけるのかと思われるかもしれませんが、リテーナーをつける保定期間は、インビザライン治療における大事な仕上げの段階といえます。治療が終わったからといってリテーナーを装着しないと、せっかく動いた歯が後戻りするかもしれません。
本記事では、インビザラインのリテーナーの装着期間やリテーナーつける必要性について解説します。リテーナーの正しいケア方法や取り扱いの注意点についても解説しているので、インビザライン治療中の方は、ぜひ参考にしてください。
目次
インビザラインのリテーナーとは?
インビザラインだけでなく、矯正治療後は、矯正治療によって動いた歯や噛み合わせを安定させるために、保定期間を設けなければいけません。
保定期間に使用する装置を「リテーナー」といいます。リテーナーを一定期間装着することで、矯正治療後の歯を固定し、歯が後戻りするのを防ぐ効果があります。
リテーナーの必要性
インビザライン治療後にリテーナーを装着するのは、矯正治療で動いた歯を固定し、歯が後戻りしないようにするのが目的です。
インビザラインでは歯に持続的に力をくわえることで、以下のように歯が動きます。
①マウスピースを装着することで、歯に力がかかり、歯の周りの歯根膜が引っ張られる
②歯槽骨が徐々に溶け始める
③歯槽骨が溶けてできたすき間に歯が移動する
④もともとあった歯のすき間に骨ができる
上記の段階を経て歯が動きますが、歯や骨が固定されるためには時間がかかるため、インビザライン治療後、なにもしないと歯が元の位置に戻ろうとしてします(後戻り)。そのため、インビザライン治療後に保定期間をもうけ、リテーナーを装着して歯の周りの骨を安定させることで、歯が動かないようにしなければいけません。
リテーナーを装着して過ごす保定期間は、矯正治療の大事な仕上げ期間といえるでしょう。
リテーナーはいつまで装着するの?
一般的にリテーナーを装置する期間は、矯正治療にかけた期間と同じくらいの期間が必要です。例えば、インビザライン治療に2年かかった場合、リテーナーも2年は装着しなければいけません。
ただし、実際にリテーナーをいつまで装着するかは、もともとの歯並びや噛み合わせ、食いしばりや歯ぎしり、噛み癖など生活習慣によって左右されます。そのため、リテーナーの装着期間を超えても、できるかぎりリテーナーを装着したほうが、歯が後戻りするのを防いでくれます。
リテーナーをいつまで装着するかは、歯科医師の判断が必要です。決して自己判断せず、必ず歯科医師の指示を守りましょう。
リテーナーの装着時間
リテーナーの装着時間は、治療直後~半年前後くらいまでは、インビザラインのマウスピースと同じく1日20~22時間以上必要です。リテーナーを装着し始めてから半年~1年前後経つと、徐々に骨が安定します。
歯や噛み合わせが安定したと判断されたら、夜寝るときだけというように、装着時間を短くします。リテーナーは歯を動かすのではなく、安定させるのが目的なので、痛みが出ることはありません。
しかし、リテーナーの装着時間を守らないと、違和感や痛みが出ることもあります。リテーナーの装着時間については、必ず歯科医師の指示に従いましょう。
リテーナーの種類
インビザラインのリテーナーは、取り外し式のマウスピースタイプとプレートタイプ、固定式のワイヤータイプの3種類あります。
以下、それぞれ解説します。
マウスピースタイプ(取り外し式)
インビザライン専用のマウスピースタイプのリテーナーを「ビベラリテーナー」といいます。
ビベラリテーナーは取り外しでき、透明のマウスピースを使用するため目立ちません。また、インビザライン治療中と同じようなマウスピースなので、装着やケアがしやすいのがメリットです。
プレートタイプ(取り外し式)
プレートタイプは、歯茎に触れる裏側部分はプラスチック、表側はワイヤーや透明なファイバーで歯列を支えるリテーナーです。
プレートタイプには、ベッグリテーナー、ホーレーリテーナー、QMCリテーナーの3種類あります。以下、それぞれ解説します。
ベッグリテーナー
ベッグリテーナーは、インビザラインだけでなく、矯正治療でよく使われるリテーナーです。歯の裏側はプラスチック、表側はワイヤーで歯列を固定します。
上の歯の歯茎部分がプラスチックで覆われるため、リテーナーを使い始めた当初は異物感や違和感があるでしょう。また、表側はワイヤーで固定するため、目立つのがデメリットです。
しかし、取り外しできるのでケアしやすく、強度があるので食いしばりや歯ぎしりがある方でも安心して使用できます。
ホーレーリテーナー
ホーレーリテーナーは、ベッグリテーナーと同じく、歯の裏側はプラスチック、表側はワイヤーで歯列を支えるリテーナーです。ベッグリテーナーは歯列全体に対応していますが、ホーレーリテーナーは前歯(犬歯~犬歯の6本)のみに対応したリテーナーです。
ベッグリテーナーと同じように強度があるため、食いしばりや歯ぎしりがある方でも使用できます。
しかし、前歯部分をワイヤーで固定するので、金属部分が目立つデメリットがあります。
QMCリテーナー
QMCリテーナーは、裏側はプラスチック、表側は透明なファイバーを使用したリテーナーです。
形はベッグリテーナーに似ているものの、見える部分が透明なので目立ちにくいのがメリットです。
ワイヤータイプ(固定式)
ワイヤータイプのリテーナーは、歯の裏側に直接ワイヤーを接着するリテーナーのことです。
前歯(犬歯~犬歯の6本)の裏側に直接ワイヤーをつけるので、目立ちません。
しかし、取り外しができないため汚れが溜まりやすく、歯磨きしづらいのがデメリットです。
リテーナーの正しいケア・取り扱い方法
リテーナーの正しいケア方法と取り扱いの注意点について、以下解説します。
正しいケア方法
取り外しできるマウスピースタイプとプレートタイプのリテーナーは、外した際に洗浄しなければいけません。汚れがついたまま装着すると、細菌が繁殖し、変色やにおいの原因になります。
洗浄する際は、歯ブラシなどのやわらかいブラシを使い、汚れを落とします。熱湯をかけると変形や破損の原因になるので、必ず水かぬるま湯で洗い流しましょう。においや汚れが気になる場合は、マウスピースやリテーナー用の洗浄剤を1週間に一度を目安に使用するのがよいでしょう。
取り外しできないワイヤータイプのリテーナーは、ワイヤー部分に汚れが溜まらないように、丁寧に歯を磨きましょう。汚れが溜まったままだと、虫歯や歯周病、口臭などの原因になります。歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシ、タフトブラシなどを使用して、鏡を見ながら歯磨きするのがよいでしょう。
取り扱いの注意点
取り外し式のリテーナーの取り扱いの注意点は、以下の3つです。
・必ずケースに入れて保管する
・リテーナーをつけたまま食事をしない
・破損したら使用を中止する
取り外したリテーナーは、ティッシュなどにくるまず、ケースに入れて保管しましょう。食事などでリテーナーを取り外した際に、ティッシュなどでくるむと、ごみとして捨てるリスクや失くすリスクがあるからです。
また、リテーナーをつけたまま食事をしてはいけません。インビザライン治療中と同じように、リテーナーも食事や歯磨きの際は取り外しましょう。リテーナーをつけたまま食事すると、着色するおそれや破損するおそれがあります。
万が一、歯損した場合は、なるべくはやく歯科を受診しましょう。歯損したリテーナーを使い続けると、お口の中を傷つける場合やリテーナーの力を十分に発揮できない場合があります。
リテーナーの装着時間や期間を守らなければ、インビザライン治療でせっかく動いた歯が後戻りするかもしれません。インビザライン治療を成功させるために、リテーナーの装着時間をしっかり守り、正しく取り扱うことが大切です。
まとめ
インビザライン治療だけでなく、矯正治療にとって、リテーナーを使用する保定期間は歯並びや噛み合わせを安定させるために大事な期間です。一般的にリテーナーを装置する期間は、インビザライン治療にかけた期間と同じくらいの期間が必要です。
インビザライン治療後から半年くらいまでは、1日20~22時間以上リテーナーを装着しなければいけません。装着時間を守らなければ、せっかくインビザライン治療で動いた歯が後戻りする原因になります。
ただし、実際にリテーナーをいつまで装着するかは、もともとの歯並びや噛み合わせ、食いしばりや歯ぎしり、噛み癖など生活習慣によって左右されます。リテーナーをいつまで装着するかについては、必ず歯科医師の指示に従いましょう。
インビザラインのリテーナーについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。