こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
歯と歯の間にすき間があるすきっ歯は、機能的にも審美的にもさまざまな問題があります。すきっ歯に悩む方のなかには、インビザラインで矯正したいと考える方も多いでしょう。
今回は、すきっ歯の概要や、インビザラインでのすきっ歯の矯正治療について解説します。すきっ歯でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
すきっ歯とは?
すきっ歯は、歯と歯の間にすき間がある歯並びのことです。本来、歯は隣の歯と接触しており、すき間はフロスを通そうとしたときに少し抵抗がある程度しかありません。
すきっ歯では歯と歯の間が広く空いています。食べ物が詰まりやすい、噛み合わせが悪くなるなどの悪影響があるでしょう。
すきっ歯は正式には空隙歯列(くうげきしれつ)といい、なかでも上の前歯にすき間がある場合、正中離開(せいちゅうりかい)とよばれます。
こどものすきっ歯を心配する保護者の方は多いでしょう。5歳未満のお子さまで、乳歯が並んでいるときのすきっ歯は正常な歯並びであるため、心配しなくても問題ありません。
乳歯は永久歯に比べて小さく、本数が少ないです。そのため、乳歯列における歯と歯の間にあるすき間は、あとから生える永久歯がきれいに並ぶために必要なスペースといえます。
すきっ歯になる原因
すきっ歯になる原因は、以下のとおりです。
歯のサイズが小さい
生まれつき歯のサイズが小さい場合や、歯に対して顎のサイズが大きい場合、すきっ歯になりやすいです。特に、歯の形態異常の一つである矮小歯は、歯の頭部分(歯茎から見える部分)が通常よりも非常に小さいため、すきっ歯の原因になります。
歯の本数が少ない、または多い
本来生えてくるはずの歯の本数と、実際に生えた本数が異なる場合、すきっ歯になることがあります。
本来、永久歯は上下合わせて28本です。先天的に永久歯が欠損している場合や、過剰に生える場合があります。
歯が生まれつき足りない場合や歯茎の中に埋まっている場合は、本来歯があるべきところにすき間が生まれ、すきっ歯になるでしょう。本来歯が生えてこない場所に生えてくる過剰歯は、上の前歯の真ん中あたりに存在するケースが多いです。前歯が過剰歯に押されて本来の位置に生えることができず、前歯の間が空いて正中離開の原因になります。
過剰歯は歯茎の中に埋まったままのこともあるため、レントゲン写真で確認する必要があるでしょう。
上唇小帯の位置が低い
上唇小帯が前歯の近くまで下がっている場合、正中離開の原因になります。上唇小帯は上唇の裏側と歯茎をつなぐ筋で、上唇を引っ張ったときに裏側に見えるヒダのようなものです。
通常、上唇小帯は歯茎の上のほうにあるため、歯並びに影響しません。
しかし、上唇小帯が過剰に発達して上の前歯の近くまで伸びている場合があります。前歯が上唇小帯を避けるように生え、すき間が生じるのです。
歯並びに影響を与える癖がある
日常的に歯並びに影響を与える癖を行うと、すきっ歯につながります。特に、舌を前歯に押し付ける、歯のすき間に舌を入れるなどの癖は、歯と歯の間にすき間を作るでしょう。
下唇を噛む、指しゃぶりをする、頬杖をつく、咀嚼時に前歯に舌を押し付ける、爪を噛むなどの癖も、歯並びに悪影響を与えます。早期に改善するのが望ましいでしょう。
歯ぎしりの癖がある
就寝時に歯ぎしりをする癖があると、歯に大きな負担がかかって歯が移動しやすくなります。無意識に行われる歯ぎしりは、食事のときの何倍もの負荷をかけるとされており、自分の体重以上の力が歯や顎にかかります。歯が削れる、歯が移動するなど、すき間が生じることがあるでしょう。
就寝中の歯ぎしりは、自覚がない方も多いです。起きたときに顎や歯が重く感じる方は、歯ぎしりをしているかもしれません。歯科医院で口内を確認してもらいましょう。
歯を失ったまま放置した
歯周病や虫歯などによって歯を失ったあと、そのまま放置するとすきっ歯になる可能性があります。歯を失って生まれたすき間に、周囲の歯が移動することがあるからです。
歯を失ったまま放置すると、噛み合わせにも不具合が出るリスクがあります。歯を失った場合はブリッジや入れ歯などで歯を補いましょう。
加齢で歯茎が下がった
加齢に伴って歯茎が下がることで、歯のすき間が目立つようになるケースがあります。歯が動いたわけではありませんが、歯茎が痩せて歯の露出部分が増加することによって、歯の根元のすき間が目立つようになります。
年齢とともにすきっ歯が目立つようになった方は、歯茎の状態を確認してもらうとよいでしょう。
すきっ歯をそのままにするリスク
すきっ歯をそのままにするリスクは、以下のとおりです。
胃腸に負担がかかる
噛み合わせが悪いと、食べ物を小さく咀嚼できません。適切なサイズにならないまま飲み込むので、胃腸への負担が大きくなります。
特に正中離開がある場合、前歯で噛み切るのが難しくなるでしょう。食べにくいと感じることから、食事を楽しめなくなる可能性があります。
歯周病や虫歯になりやすい
すきっ歯の状態では、歯と歯の間のすき間が大きく食べ物が詰まりやすいです。歯周病や虫歯のリスクが高まるでしょう。
発音に影響が出る
歯と歯の間のすき間から空気が漏れ出ることで、明瞭な発音がしにくい場合があります。特にサ行とタ行に影響が出る方が多いです。
コンプレックスの原因になる
すきっ歯は、笑ったときや口を開けたときに目立つため、コンプレックスの原因になることがあります。見た目への自信を失い、人とコミュニケーションを取ることを避けるようになる方もいるでしょう。
インビザラインですきっ歯は治せる?
すきっ歯は、インビザラインで治せます。インビザラインは、柔らかい透明なマウスピースを1日20〜22時間装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで理想の歯並びを目指す治療です。矯正治療中であることが目立ちにくく、患者様自身で取り外しが可能なことから人気があります。
ただし、重度のすきっ歯はインビザラインで治せないケースもあります。インビザラインで治せない場合は、ワイヤー矯正との併用やワイヤー矯正単体で治療を行うでしょう。
インビザラインですきっ歯を治すための期間
インビザラインですきっ歯を治すための期間は、1~3年ほどです。
部分矯正で治せる場合は数か月~1年半程度の短い期間で治療できるでしょう。全体的な歯並びや噛み合わせの調整が必要な場合は、3年程度必要になります。
また、インビザラインは装着時間が短いと効果を十分に発揮できません。歯科医師の指示どおりにマウスピースを装着しないと、治療期間が延びることがあるため注意しましょう。
インビザラインですきっ歯を治すための費用
インビザラインですきっ歯を治すための費用は、300,000〜1,000,000円が相場です。
症状が軽度な場合は使用するマウスピースの枚数が少ないので、費用も抑えられるでしょう。全体的な歯並びから改善しなければならない場合、費用が高くなります。
実際にかかる費用は、患者様の歯並びや噛み合わせの状態で大きく変動します。歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。
また、矯正治療は保険が適用されない自由診療のため、歯科医院によっても費用が異なります。同じインビザラインでも治療にかかる費用が異なるため、あらかじめ詳しく料金体系を確認しましょう。
まとめ
インビザラインですきっ歯の治療は可能です。
しかし、重度の症例ではインビザラインだけでの治療が難しく、ワイヤー矯正の併用などが必要になる場合もあるでしょう。ワイヤー矯正単体で治療したほうがよい場合もあります。
すきっ歯をそのままにすると見た目だけではなく、胃腸に負担がかかる、歯周病や虫歯になりやすくなる、発音に影響が出るなど、さまざまな問題が生じるかもしれません。すきっ歯であることをコンプレックスに感じ、コミュニケーションに支障が出る方もいます。
すきっ歯でお悩みの方は、歯科医院で相談するとよいでしょう。ご自身に合った治療を選択肢、歯並びを整えてください。
インビザラインでのすきっ歯の治療を検討している方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。