こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
多くの歯並びが治療対象であるインビザラインですが、インビザラインで治療できない症例もあります。インビザラインでの矯正治療を検討している場合「自分が治療対象でなかったらどうしよう」と不安に思う方もいるでしょう。
本記事では、インビザラインで治療できない症例について詳しく解説します。また、インビザラインで治療できない場合にはどうすれば良いのかについても併せて解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
インビザラインとは?
インビザラインは、1997年にアメリカの会社が発表したマウスピース矯正です。厚さ0.5mmの薄く透明なマウスピースを1〜2週間ごとに交換しながら、歯を動かしていきます。
これまでの矯正治療では痛みを伴うことが多かったですが、インビザラインが普及したことで、痛みを最小限におさえながら矯正治療ができるようになりました。
1,700万人以上の治療実績があり、現在では世界100か国以上で幅広い世代が治療を受けています。マウスピースは食事や歯磨きの時に外せるため、日常生活における負担を減らせる点も魅力といえるでしょう。
治療期間は一般的に全体矯正で2~3年程度ですが、治療終了後は動かした歯を固定させるための保定期間が設けられます。保定期間も、矯正期間と同程度の場合が多いでしょう。
インビザラインで治療できない症例はある?
インビザラインは多くの症例に対応していますが、治療できない症例もあります。主に以下の症例の場合、治療ができない可能性が高いでしょう。
歯並びの乱れが重度の症例
歯並びの乱れが重度である場合は、インビザラインで治療できないことが多いです。インビザラインでは、1日20〜22時間マウスピースを装着し、1〜2週間ごとに新しいものに交換して少しずつ歯を動かします。
しかし、歯並びの乱れが重度の場合、移動距離が長い上に平行移動が必要とされるため、インビザライン矯正では治すことは難しいのです。特に、以下の歯並びではインビザライン矯正を断られる可能性があります。
重度の叢生
叢生とは、歯が重なり合って凸凹している歯並びのことです。歯の凸凹を治すためには、スペースを作って歯を本来の位置に戻す必要があります。
重度の叢生の場合は、歯が本来の位置から大きくズレていたり、抜歯をしなければならなかったりするため、歯の移動距離が長いです。歯の大きな移動が苦手なインビザラインでは、治療が難しいでしょう。
重度のすきっ歯
すきっ歯とは、歯と歯の間に隙間がある歯並びのことです。軽度から中等度であればインビザラインで治療可能ですが、重度の場合は難しいかもしれません。
すきっ歯の場合スペースは十分にある状態なので、歯の移動自体は容易なケースが多いです。
しかし、重度の場合は隙間が完全に埋まらなかったり、噛み合わせの調整が難しかったり、インビザラインでは対応できないことがあるのです。
骨格が原因で乱れている歯並び
歯並びが乱れている原因が骨格にある場合には、インビザラインでは治療できません。例えば、骨格性の出っ歯や受け口が挙げられるでしょう。
出っ歯は、上の前歯が下の前歯より大きく前に突き出ている状態です。歯の斜傾による軽度の出っ歯であれば、インビザラインで治療できるでしょう。
しかし、顎の骨自体が前方に突出している、もしくは下顎が小さくて引っ込んでいることが原因で出っ歯になっている場合は、インビザラインのみでは治療できません。骨の形や大きさを整える外科的治療が必要です。
また、重度の受け口もインビザラインのみでは治療できません。受け口は、顎の骨がずれることで起こります。インビザラインでは顎の位置の調整ができません。そのため、重度の出っ歯と同様に外科手術が必要になるでしょう。
歯周病が進行している症例
歯周病が重度にまで進行している場合には、インビザラインを含めた全ての矯正治療ができません。歯周病が進行し顎の骨が溶けていると歯が不安定な状態のため、矯正の強い力に耐え切れずに抜ける可能性があります。
歯を移動できたとしても移動した先で歯が定着できず、後戻りする可能性も高いです。
歯周病が進行している症例の場合には、まず歯周病を治すことが必要です。そのため、インビザライン矯正を断られることがあるでしょう。
インプラント治療の経験がある症例
インビザラインに限らず、矯正治療では歯の根の周りを覆う歯根膜の力を利用して歯を動かします。インプラントは顎の骨にインプラント体を埋入して骨と直接結合させる治療です。歯根膜がなくなるため、インプラントは矯正治療の力では動かせないのです。
インプラントの場所や本数によってはインビザラインが可能な場合もありますが、自分の理想とする歯並びにはならない可能性が高いでしょう。歯科医師と相談して、納得した上で治療を開始することが大切です。
複数本の抜歯が必要な症例
複数本の抜歯が必要な場合は隙間が多くできるので、必然的に歯の移動距離が長くなります。インビザラインは大きな平行移動を苦手とする矯正方法のため、抜歯を複数行う症例は治療できないことがあります。
治療を進めていく上で複数本の抜歯が必要と診断された場合は、最初はインビザライン治療ができていても、途中で別の矯正方法に切り替えざるを得ない可能性もあるでしょう。
インビザラインで治療できない場合は
インビザラインで治療ができないと歯科医院で言われた場合、どうすれば良いのか悩む方もいるでしょう。インビザラインで治療ができない場合には、以下の方法を検討しましょう。
他の矯正治療をする
インビザラインで治療できない症例でも、他の矯正治療であれば矯正できる場合があります。
インビザライン以外の矯正治療として、代表的かつ多くの症例に対応できるのがワイヤー矯正です。ワイヤー矯正は、歯にブラケットを取り付け、ブラケットに通したワイヤーの力を利用して歯並びを整えます。
ワイヤー矯正は歯を大きく動かせることが特徴なため、抜歯が必要な重度の叢生などの治療もできるでしょう。
ワイヤー矯正には、ワイヤーやブラケットを歯の表面に着ける表側矯正と、歯の裏側に着ける裏側矯正があります。裏側矯正ならワイヤーが目立ちにくいので、見た目が気になる方でも人目を気にせずに治療できるでしょう。
インビザラインと他の矯正治療を併用する
インビザライン単体では治療が難しい症例でも、インビザライン治療と他の矯正治療を組み合わせれば治療できる可能性があります。例えば、ワイヤー矯正で歯を大きく動かした後に、インビザライで微調整をすることもできます。
最初はワイヤーが気になるかもしれませんが、途中からインビザラインに切り替えられるため、見た目が気になり治療に取り組めない人も治療に取り組みやすいでしょう。
ただし、どちらの矯正方法の知識も豊富にある歯科医師を探さなければなりません。ご自宅や職場の近くでは良い歯科医院が見つからず、通院の負担が増える場合があるでしょう。
セカンドオピニオンを活用する
受診した歯科医院でインビザライン治療を断られた場合でも、矯正治療を諦める必要はありません。セカンドオピニオンを活用して、他の歯科医院へ相談してみましょう。
インビザライン治療は自費診療となるため、歯科医院によって方針が異なります。そのため、他院で断られた症例であっても、別の医院では受け入れてくれるケースもあるのです。
しかし、複数の歯科医院で断られたという場合には、自身の症例はインビザライン治療が難しい症例であると理解し、他の治療法を検討しましょう。
まとめ
インビザライン治療は、重度の歯並びの乱れやインプラント治療の経験があるなど、様々な理由で矯正治療を断られることがあります。インプラントで治療ができない症例であった場合には、ワイヤー矯正も検討しましょう。
また、ワイヤー矯正とインビザラインを併用することもできるため、歯科医院で相談してみましょう。
受診した歯科医院でインビザライン治療を断られた場合でも、他の歯科医院ではできることがあります。そのため、インビザライン治療をしたいという方は、セカンドオピニオンも活用しましょう。歯科医師としっかり相談し、納得した状態で治療方針を検討することが大切です。
インビザラインについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。