こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
歯列矯正を始めると「どのぐらいのペースで通院が必要なのだろうか」「毎回歯科クリニックではどのようなことを行うのだろうか」と、疑問に思う方も多いでしょう。通院の頻度によっては、なかなか矯正治療に挑戦しにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、歯列矯正の種類の中でも、比較的通院頻度が高くないとされている治療方法のひとつである「インビザライン」についてご紹介します。インビザライン矯正の通院の頻度や通院が難しいときの対応方法などについて解説します。
目次
インビザラインとは
まず、インビザラインの特徴や費用などを解説します。
インビザラインの特徴
インビザラインとは、マウスピース矯正のひとつです。マウスピース型の矯正装置はさまざまなメーカーから販売されており、アメリカのアライン・テクノロジー社によって発売されたものを「インビザライン」とよびます。
インビザラインは取り外し可能なマウスピースを使った矯正方法で、1日20~22時間以上の装着が求められ、2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら歯を動かしていきます。
一般的なマウスピース矯正との違い
インビザラインはほかのマウスピース矯正と異なり、デジタル技術を使用し、治療を進めます。デジタル技術を用いることで、一度型取りしたデータから、治療中に歯が動く様子や治療完了までの歯並びのイメージを見ることが可能です。また、最初に1回型取りするだけで、全てのマウスピースを作製できるため、何度も型取りする必要がありません。
デジタル技術を用いないほかのマウスピース矯正では、歯の将来的な動きや治療が完了したときの歯並びのイメージを予測することはできません。さらに、1つのマウスピースを使って歯を動かしたら、その度に次のマウスピースの型取りが必要です。
このように、インビザラインでは、型取りの負担を減らすことや歯列矯正によってどのように歯並びが変化するのかイメージできるといった嬉しいメリットが期待できるのです。
インビザラインの費用と治療期間について
インビザライン矯正にかかる費用は、部分矯正では30~40万円程度、全体矯正では70~100万円程度が一般的です。
治療期間については、もとの歯並びの状態などによって個人差がありますが、一般的に半年〜2年程度が多いといわれています。
インビザライン治療の通院頻度はどれくらい?
次に、インビザライン治療の通院頻度について、ほかの治療方法と通院頻度を比較しながら解説します。
インビザラインの一般的な通院頻度は2か月に一回程度
インビザライン矯正を始めてすぐの頃は、しっかりマウスピースが装着できているかなどをチェックするために、1か月に一回などの比較的短いスパンで来院する必要があります。
トラブルなどがなく、問題なく治療を進めていけそうであれば、その後は2〜3か月に1回程度の通院頻度となるでしょう。
また、保定期間中は、リテーナーとよばれる保定装置を使って過ごします。保定期間は、インビザライン矯正に関わらず、ワイヤー矯正やほかのマウスピース矯正にも存在します。インビザラインの場合、保定期間中の通院頻度は少し長めの3〜6か月に1回のペースが一般的です。
ほかの矯正方法との通院頻度比較
インビザラインは、ほかの矯正方法と比べると通院頻度はそこまで高くありません。矯正方法別の一般的な通院頻度は、以下のとおりです。
<矯正方法別 一般的な通院頻度について>
種類 | インビザライン矯正 | ワイヤー矯正 | マウスピース矯正 |
---|---|---|---|
通院頻度 | 2か月に一回 | 1か月に一回 | 2か月に一回 |
インビザラインを含むマウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べ通院頻度が高くないことがわかります。理由は、マウスピースを使った矯正方法はご自身でマウスピースを交換できることから、ワイヤー矯正のように歯科クリニックへ来院して矯正装置を調整する必要がないためです。
インビザラインのようなマウスピースを使った矯正方法は、歯科クリニックが遠方にあり1回の通院に負担がかかる方・仕事が忙しくて通院が難しく矯正治療に不安がある方に向いている矯正方法といえるでしょう。
インビザライン治療で通院時に行うこととは?
では一体、インビザライン治療の通院時はどのようなことを行うのでしょうか。具体的な内容を確認しておきましょう。
インビザライン治療の通院時に行うことは、以下のとおりです。
・進行度のチェック
・虫歯などのトラブルがないかのチェック
以下、それぞれ解説します。
治療の進行度のチェック
まず、治療の進行度を確認します。
ご自身で取り外し可能なマウスピースを使った矯正方法の場合、装着時間が短い場合や正しい付け方ができていない場合、シミュレーションどおりに歯が動かないことがあるのです。
誤った方法で矯正治療を続けても、治療期間が延びてしまうほか、理想の歯列にならないおそれもあります。患者さまが決められた装着時間をしっかり守り、正しい方法でマウスピースを装着できているかどうか、歯の状態をみて確認します。
虫歯などのトラブルがないかのチェック
インビザラインはマウスピースを取り外しできます。そのため、ワイヤー矯正のように、食べ物がワイヤーにはさまる・歯磨きがしにくいといったトラブルが発生することは少ないです。
しかし、マウスピースをつけていることでマウスピースが歯を覆ってしまい、ふだん細菌を洗い流す作用のある唾液に晒されにくくなるため、矯正を始めたことで虫歯になりやすくなる可能性があるのです。そのため、通院時には虫歯や歯周病のトラブルがないかどうかもチェックします。
虫歯や歯周病は放っておくとどんどん進行します。2か月に1回程度通院していれば、虫歯や歯周病などのトラブルの早期発見につなげることができるでしょう。
また、通院時には、マウスピースが必要以上に歯茎や舌に触れてしまい、口内炎や炎症などを起こしていないかなども確認します。
インビザライン治療で通院が難しいときはどうする?
次は、インビザライン治療で通院が難しいときの対応方法について解説します。
インビザライン治療中に通院できなくなった場合に起こりうるトラブルは、以下のとおりです。
・虫歯などのトラブルに気づくのが遅くなる
・治療計画が崩れてしまうことがある
3か月以上通院できない状態が続くと虫歯や歯周病などの発見が遅れ、その間に症状が進行してしまう可能性があります。
矯正治療中に虫歯や歯周病などになると、その治療を優先するため一時的に矯正治療を中断するケースが多いです。結果的に、想定していたよりもインビザラインの治療期間が延びてしまうこともあるのです。
インビザライン治療で通院が難しいときに行うべきことは、以下のとおりです。
・歯科クリニックに相談する
・インビザライン治療を勝手にやめない
以下、それぞれ解説します。
歯科クリニックに相談する
通院が難しくなったときは、まず歯科クリニックへご相談ください。例えば、引越しなどで今まで通っていた歯科クリニックに通えなくなった場合などは、引越し先の地域で転院できる場合があります。
ただし、対応してもらえるかどうかは歯科クリニックによって異なります。
予約日になんらかの都合で通院できないケースなどもあるでしょう。そのときは、日時を変更して再度予約をとりましょう。何か月も通院しない状態を放置することはさけてください。
また、怪我や病気などで通えなくなった場合は治療を中断したほうがよいケースもあるため、歯科医師へご相談ください。
インビザライン治療を勝手にやめない
インビザラインで歯を動かしている最中に自己判断で矯正を中断するのは、口内や身体へのリスクが生じるおそれがあります。例えば、抜歯して大きく歯を動かす必要のあるケースで治療を勝手に中断してしまった場合、お口に大きなすき間がある状態で、咀嚼がうまくできない、発音しにくいなどの影響がでる可能性があるでしょう。
ほかにも、矯正治療では、歯を動かす段階で一時的に噛み合わせが悪くなる場合があります。噛み合わせが悪い状態で治療をやめることで口元が歪み、肩こりや頭痛を引き起こす可能性があるでしょう。
このように、自己判断で治療を途中でやめてしまうと、歯並びを綺麗にする目的で行っていたのにも関わらず、歯並びが乱れてしまったり口元に不具合が生じたりすることが考えられます。万が一、通院が難しく治療を中断したい場合は、必ず歯科医師へご相談ください。
治療期間を長引かせないためにできること
インビザライン矯正を含む歯列矯正では、ご自身で歯が動くスピードを早めることはできませんが、治療を長引かせないためにできることはあります。治療を長引かせないためにできることは、以下のとおりです。
・装着時間を守る
・マウスピースの紛失・破損に気をつける
・歯磨きをおこたらない
インビザライン矯正は、マウスピースの取り外しがご自身でできる矯正方法です。そのため、決められた装着時間を守らなければ、しっかり歯が動かず治療期間が延びてしまいます。つけ忘れを防ぐために、食事と歯磨きが終わったらすぐにマウスピースを装着する習慣を身につけましょう。
治療期間が延びてしまう原因に、マウスピースの紛失・故障などがあげられます。マウスピースの紛失や故障は、マウスピースの作り直しが必要なケースがあります。
しかし、すぐに新しいマウスピースを手元に届けることはできず、数週間は必要です。その間に矯正治療がストップされると、その分治療期間が延びる可能性があるため、マウスピースは専用ケースに保管し、正しい方法で持ち歩くように工夫しましょう。
また、虫歯や歯周病になると、治療を優先させることがほとんどです。一旦、矯正治療を中断しなければいけないため、歯磨きなどのセルフケアを徹底し、口内を清潔に保ちましょう。
まとめ
今回は、インビザライン矯正中に通院できなくなった場合の対処法なども解説しました。
インビザライン矯正の通院頻度は2か月に1回程度とされています。装置の調整が必要なワイヤー矯正に比べ、通院頻度は高くありません。インビザライン矯正は、クリニックが遠方にある方・仕事が忙しくて通院が不安という方でも挑戦しやすい矯正方法といえます。
しかし、自己判断で治療を中断すると、通院期間が延びるなどのトラブルが起きる可能性があります。通院が難しくなった場合、必ず歯科医師に相談しましょう。
インビザライン治療についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。