こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
現在、歯列矯正で多く行われている方法はインビザラインとワイヤー矯正ですが、どちらの治療方法が良いか悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、それぞれの治療方法の違いやメリットとデメリットなどについて解説していきます。
インビザラインとは?
特徴
インビザラインは、アメリカで25年前に開発され、2022年6月時点で1300万人を超える治療実績があります。
アライナーというマウスピースを利用して歯を移動させる矯正治療で、マウスピースを10日〜2週間毎に交換して歯を移動させていきます。
メリット
インビザラインには、以下の3つのメリットがあります。
取り外しが可能である
インビザラインはマウスピースを使用します。
ワイヤー矯正の装置は固定式のため取り外しができませんが、インビザラインでは食事や歯磨きのときなどにマウスピースを取り外すことが可能です。歯のケアがしやすいことで、矯正治療中の虫歯や歯周病の心配も少なくなります。
目立ちにくい
インビザラインで使用するマウスピースは透明なので、周囲の方に矯正をしているということが気づかれにくく、目立ちやすいワイヤー矯正に抵抗がある方には適した治療方法です。
痛みや違和感が少ない
1枚のマウスピースでの歯の移動量は、わずか0.25mmです。そのため、矯正治療に伴う痛みは少なく、マウスピース装着中の違和感もほとんどありません。
デメリット
インビザラインには、以下の3つのデメリットがあります。
症例に制限がある
インビザラインは大きく歯を動かすことは得意ではないため、対応できる症例が限られてしまいます。
比較的軽度な歯列不正の治療には向いていますが、顎に大きなズレのある方や抜歯が必要な場合はインビザラインのみの使用では治療が難しいこともあります。
装着時間を守る必要がある
インビザラインは、1日20〜22時間以上使用することで効果を発揮します。
基本的には食事と歯磨き以外の時間は装着する必要があるので、日常生活の中で使用時間を守れない場合は治療計画通りに歯が移動せず、思うような結果が得られません。
マウスピースの自己管理が必須である
インビザラインのマウスピースは、使用していると歯と同じように汚れが付着します。
歯にぴったりと密着する装置のため、きちんとお手入れをしないで使用すると虫歯や歯周病の原因になってしまいます。毎日歯ブラシでマウスピースの内面を磨いたり、必要に応じて洗浄剤などを使用する必要があります。
ワイヤー矯正とは?
特徴
ワイヤー矯正は歴史が長く、最も一般的な歯列矯正の方法です。
歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を付けて、そこにワイヤーを通して力をかけることで徐々に歯を移動させていきます。
メリット
ワイヤー矯正には、以下の3つのメリットがあります。
多くの症例に対応できる
ワイヤー矯正では、基本的にすべての歯列不正の治療が可能です。インビザラインでは治療が難しいような症例も対応でき、出っ歯や受け口などがある場合も治療後は口元の印象を変えることが可能です。
細かい調整が可能である
インビザラインはあらかじめ作成されたマウスピースの歯並びに合わせて歯を移動させていきます。
一方、ワイヤー矯正では、ある程度歯並びが改善されたあとに一部だけもう少し動かすなどの細かい調整が可能です。
目立ちにくい装置も選択できる
ワイヤー矯正は、基本的には歯の表側に付ける装置のため目立つ印象がありますが、装置の種類は金属のみならず、セラミックのブラケットや白いワイヤーが選択できたり、歯の裏側に装置を付ける舌側矯正という方法もあります。
デメリット
ワイヤー矯正には、以下の3つのデメリットがあります。
装置が目立ちやすい
メリットでお伝えしたように、ワイヤー矯正は目立ちにくい装置を選択できますが、インビザラインに比べるとどうしても目立ちやすいです。
食事や歯磨きがしにくい
ワイヤー矯正の装置は固定式のため、食べ物が詰まりやすく歯磨きもしにくいため、汚れが溜まったままにしていると虫歯や歯周病の原因になります。歯磨きは時間をかけて行うことが大切です。
痛みが出やすい
インビザラインに比べて、ワイヤー矯正は歯の移動量が大きいため、痛みが出やすいです。痛みがずっと続くわけではありませんが、ワイヤーを交換したり、調整した日から2〜3日は痛みが出やすいといわれています。
また、歯が移動することでワイヤーが奥に伸びて粘膜に刺さってしまうこともあります。
インビザラインとワイヤー矯正の違い
インビザラインとワイヤー矯正の違いを分かりやすく一覧でご紹介します。
<インビザラインとワイヤー矯正の比較>
インビザライン | ワイヤー矯正 | |
---|---|---|
費用 | 約800,000〜1,000,000円 | 約700,000〜1,300,000円 |
治療期間 | 約2年〜2年半 | 約2年半〜4年 |
見た目 | 目立ちにくい | 目立ちやすい |
痛み | 出にくい | 出やすい |
歯磨き | しやすい | しにくい |
適応 | 比較的軽度な歯列不正 | すべての歯列不正 |
表に示した費用や期間はあくまでも全顎治療を行なった際の平均のため、個々のお口の状態や医院によっても違いはあります。
インビザラインとワイヤー矯正のどちらでも部分矯正で治療できる場合もあり、その場合はもう少し治療期間が短くなり、費用も安くなります。ワイヤー矯正の場合は、金属ではなく歯の色に近いセラミックのブラケットを選択したり、舌側矯正の場合は費用が高くなる傾向があります。
インビザラインとワイヤー矯正どちらがいいの?
インビザラインに向いている方
インビザラインは、軽度の歯列不正など適している症例は限られてしまいますが、目立ちにくい装置で且つ歯のケアもしやすい方法で矯正を行いたいという方に向いています。インビザラインで治療の大きなメリットは、装置が目立ちにくく取り外しができることでしょう。
また、インビザラインはワイヤー矯正に比べて、比較的短い期間で治療が終了することが多いです。簡単な矯正方法ではありますが、マウスピースを1日20〜22時間以上使用しなければ、きちんとした治療結果は得られません。日常生活の中できちんと装着時間を守ってマウスピースを使用できるかは、インビザライン治療をするうえで重要なポイントです。
ワイヤー矯正に向いている方
ワイヤー矯正は、治療中の見た目は気にならず、時間がかかっても細かい部分も含めてきちんと歯並びを治したいという方に向いています。単に見た目を治すだけでなく、上下の歯を全体的に噛ませることもできるので、食事がしやすくなるなど機能的なメリットも大きいです。
しかし、インビザラインに比べると、調整を行ったあとは痛みが出やすく、固定式の装置に食べ物が詰まりやすいため歯磨きにも時間を要します。治療を始めてから後悔しないように、ワイヤー矯正のデメリットも理解し、納得したうえで治療を開始しましょう。
まとめ
今回はインビザラインとワイヤー矯正の治療方法の違いと、それぞれの治療はどのような方に向いているのかを解説しました。
歯列矯正を行ううえで何を重要視するかは人それぞれです。どちらもそれぞれにメリットとデメリット、適した症例があります。どちらの治療が適しているかわからない場合は、両方の治療方法を取り扱っている歯科医院でカウンセリングを受け、歯科医師からアドバイスを受けることをおすすめします。
この記事でインビザラインとワイヤー矯正の違いを理解していただき、治療につながるイメージをもっていただけたら幸いです。インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。ご自身に合った方法で矯正治療をスタートしましょう。