こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
お子様の歯並びが気になる保護者の方のなかには「小児矯正はいつから始めればいいの?」と悩まれている方もいるでしょう。小児の矯正治療は顎の成長を利用して行うため、適切な時期に始めるのが望ましいといわれています。
そこで今回は、小児矯正を始める時期や小児矯正のメリット・デメリットについて解説します。小児矯正の種類や費用についても解説しますので、お子さまの歯並びを矯正したいとお考えの保護者の方は、ぜひ参考にしてください。
小児矯正はいつからするべき?
まず、小児矯正は第1期治療と第2期治療に分けられます。第1期治療とは乳歯から永久歯に生え変わる時期に行う治療のことです。乳歯と永久歯が混在する時期を混合歯列期といいます。第1期治療を開始する目安としては4歳〜6歳頃です。
この時期に行う治療の目的は顎の成長を促し、永久歯がきれいに生え揃うためのスペースを確保することです。顎の成長が止まってしまうと、顎の成長を利用した矯正はできなくなるため、可能な限り第1期から矯正治療を開始することが望ましいでしょう。
一方、第2期治療は永久歯が生え揃ってから行う治療のことで、目安としては12歳~14歳頃に開始することが一般的です。このころには顎の成長のピークを過ぎて永久歯が生え揃っているため、歯並びを細かく調整できます。
もちろん、第1期治療を行っていないからといって第2期治療ができないわけではありません。保護者の方が気になった時点で、できるだけ早めにご相談ください。
小児矯正で治療できる歯並び
小児矯正で治療できるおもな歯並びは、以下のとおりです。
受け口
受け口とは、下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態のことで、反対咬合とも呼ばれています。顎がしゃくれたように見えるため、コンプレックスに感じる方もいるでしょう。
出っ歯
出っ歯とは、下の前歯よりも上の前歯が大きく前に突き出した状態のことで、上顎前突とも呼ばれています。歯が傾いて出っ歯になっているケースもあれば、骨格に問題があって出っ歯になっているケースもあります。
叢生(そうせい)
叢生とは、歯列の一部が飛び出していたり歯が重なり合ったりして歯並びが凸凹としている状態のことです。顎の大きさに対して歯が大きく、歯が並ぶスペースがないと叢生になる可能性があります。
小児矯正をするメリット
大人になってからでも矯正治療はできますが、子どものうちに矯正治療を開始することには多くのメリットがあります。ここでは、6つのメリットについて解説します。
顎の成長を利用して歯並びを整えられる
顎の成長を利用して歯並びを整えられるのは小児矯正ならではのメリットといえます。特に、顎が成長する混合歯列期から第1期治療を始めることで顎のバランスを整えやすくなります。
10歳ごろになると上顎の成長が落ち着きはじめるため、できるだけ早い段階で治療を始めることが推奨されます。
歯を動かしやすい
子どものうちであれば骨が柔らかいため歯を動かしやすいという特徴もあります。弱い力でも歯を動かすことができるため、痛みが抑えられるのもメリットといえるでしょう。
抜歯を回避できる場合がある
小児矯正では顎のバランスを整え、永久歯が並ぶためのスペースを確保します。その結果、将来的に矯正治療が必要になった場合でも、抜歯を回避できる可能性があるのです。
適応しやすい
子どもは大人に比べて適応能力が高いです。そのため、矯正装置にも順応しやすく、無理なく歯並びを整えることができます。
治療費を抑えられる
第1期治療で顎のバランスを整え、歯を並べるスペースを確保することで第2期治療を行わなくて済むケースもあります。また、第2期治療が必要な場合でも第1期治療で歯を並べるスペースを確保できていれば第2期治療がスムーズに進むでしょう。
大人になってから抜歯をして矯正を行う場合の治療期間は長くなり、また費用も高くなる傾向があります。子どものうちに矯正を行うことで将来的にかかる治療費を抑えられるのはメリットといえます。
虫歯や歯周病の予防につながる
歯並びが乱れていると食べカスが歯と歯の間に挟まりやすくなったり磨き残しが多くなったりします。小児期のうちから歯並びを整えることでセルフケアがしやすくなるため、虫歯や歯周病の予防につながるでしょう。
小児矯正をするデメリット
メリットが多い小児矯正ですが、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、小児矯正のデメリットを解説します。
長時間装置を装着しなければならない
矯正治療中は長時間装置を装着しなければなりません。なかには矯正装置の装着を嫌がるお子さんもいるでしょう。近年は矯正治療を行っているお子さんが多いため、装置をからかわれることは少ないです。
しかし、お子さんが前向きに矯正治療に取り組むためには、事前にしっかりと説明する必要があるでしょう。
歯磨きしにくいと感じることがある
矯正装置の種類によっては歯磨きがしにくいと感じることもあります。歯ブラシが行き届かず、汚れが溜まると虫歯になるリスクが高まります。
そのため、矯正装置を装着している期間はできるだけ保護者の方が丁寧に仕上げ磨きをしてあげる必要があります。また、歯科医院で定期的にクリーニングを受けることも方法のひとつです。
保護者の方の協力が不可欠
お子さんの矯正においては、保護者の方の協力が不可欠です。自由に取り外しができる矯正装置の場合は、装着時間が守れているか、しっかり保管できているかなどをチェックしてあげる必要があるでしょう。
小児矯正の種類
小児矯正にはいくつか種類があります。ここでは、小児矯正の代表的なものをご紹介します。
拡大床
拡大床とは、歯列を頬側に広げる矯正装置で、1日12時間以上装着します。装置の真ん中にあるネジを回転させて少しずつ歯列を広げて歯を並べるスペースを確保します。小児矯正においてよく使用される装置のひとつです。
ムーシールド
ムーシールドは、取り外しができるマウスピース型の装置で、受け口の治療に使用します。ムーシールドを装着することで舌や口周りの筋肉を鍛えることが可能です。
プレオルソ
プレオルソも取り外しができるマウスピース型の装置です。就寝中と日中1時間装着することでお口周りの筋肉のバランスを整えて歯並びの改善を目指します。正しい舌の位置や飲み込み方などのトレーニングも同時に行います。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストとは、マウスピースを装着して歯並びや噛み合わせを整える治療法です。使用するマウスピースは自由に取り外しができます。また、透明であるため目立ちにくいのが特徴です。
ただし、マウスピースを1日20時間以上装着する必要があるため、装着時間を保護者の方がしっかりと管理してあげる必要があります。
小児矯正の費用
小児矯正にかかる費用は矯正装置の種類によって異なります。ここでは、第1期治療と第2期治療のそれぞれの費用の目安を解説します。
第1期治療
第1期治療で主に使用される装置ごとの費用は、以下のとおりです。
・拡大床:20万〜30万円程度
・ムーシールド:5万〜10万円程度
・プレオルソ:3万〜20万円程度
・インビザライン・ファースト:40万〜80万円程度
このように、使用する装置によって費用は異なります。また、上記に加えて検査料や調整料などが別でかかるケースもあるため、詳しくは治療を受ける歯科医院で確認してください。
第2期治療
第2期治療では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの大人と同じ治療を行います。
ワイヤー矯正には歯の表側に装置を装着する表側矯正と、歯の裏側に装置を装着する裏側矯正があります。表側矯正の費用は50万〜100万円程度、裏側矯正の費用は100万〜150万円程度が相場です。
一方、マウスピース矯正の費用は50万〜100万円程度が相場となります。いずれにしても、どのような治療法が適応となるかは歯並びの状態によって異なりますので、まずは歯科医院で詳しい検査を受ける必要があるでしょう。
小児矯正は保険が適用される?
小児矯正は基本的に保険が適用されません。
ただし、顎変形症による咬合異常や、厚生労働省が定める疾患による咬合異常の場合には保険が適用されるケースもあります。まずは歯科医院で保険適用の対象となるかどうかを確認しましょう。
まとめ
小児矯正は顎の成長を利用できる混合歯列期のうちに始めることが望ましいといわれています。早めに始めることにより、痛みや将来的な治療費を抑えることができるでしょう。
もちろん、混合歯列期を過ぎたからといって矯正治療ができないわけではありませんので、保護者の方が気になった段階で早めに歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。
小児矯正を検討されている方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。
当院では入れ歯や矯正治療、小児矯正など、さまざまな診療を行っています。当院のホームページはこちら、予約・お問い合わせも受け付けておりますので、ぜひご覧ください。