こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。
インビザラインなど歯列矯正を行うと「ブラックトライアングル」と呼ばれるすき間ができるケースがあります。歯並びを整えて美しい見た目を手に入れたい方にとって、すき間ができてしまうのは大きなデメリットといえるでしょう。
なぜブラックトライアングルが現れてしまうのか、またブラックトライアングルは治すことができるのか、インビザライン矯正中の方や検討中の方にとって気になる内容だと思います。
そこで今回は、ブラックトライアングルの概要と、インビザラインでブラックトライアングルができる原因や対処法について解説します。
ブラックトライアングルとは
「ブラックトライアングル」とは、歯と歯の間にできる三角形のすき間のことです。
歯は根元に近づくほど幅が狭くなり、歯の根元部分は隣接歯と触れ合うことなく離れています。通常、そのすき間を埋めるように歯茎が覆っているので、歯と歯の間にはすき間はみられません。ブラックトライアングルは何かしらの理由で、歯と歯のすき間を埋めていた歯茎が下がることが原因で現れます。
主な理由として挙げられるのが、加齢や歯周病で顎の骨が痩せてしまい、歯茎が下がってしまうケース、誤ったブラッシング方法で歯茎が傷付き薄くなってしまうケースです。歯周病や誤ったブラッシング法は、ご自身のケア次第で回避できるでしょう。
なお、ブラックトライアングルは臼歯部にも現れますが、主に前歯にできたすき間を指すことが多いです。
ブラックトライアングルがあることによって起こるリスク
ブラックトライアングルがあることで、どのようなリスクが起こるのでしょうか。
結論から述べると、ブラックトライアングルが現れても歯や口内の健康や機能面に悪影響はありません。
しかし、ブラックトライアングルがあることで起こるリスクとして、以下の3点が挙げられます。
・審美性が悪い
・食べ物が挟まりやすく汚れが残りやすい
・発音に支障がでる
以下に解説していきます。
審美性が悪い
ブラックトライアングルは、審美面が劣ってしまうリスクがあります。
すき間が大きければ大きいほど審美性が劣ってしまうので、他人の目が気になってしまう方が多いでしょう。どの程度気にするかは個人差がありますが、健康面や機能面に悪影響はないので、気にしすぎないようにすることも大切です。
食べ物が挟まりやすく汚れが残りやすい
ブラックトライアングルは歯と歯の間にすき間ができるので、食べ物が詰まったり汚れが残ったりしやすくなります。
食べカスやプラークが残ったままになっていると、虫歯や歯周病の原因になり、さらに歯茎が下がってしまう悪循環が起こるリスクが高いです。ブラックトライアングルに汚れが残らないように、ブラッシング時には、デンタルフロスや糸ようじ・歯間ブラシで除去する習慣を付けましょう。
発音に支障がでる
ブラックトライアングルが大きい場合、発音に支障がでる可能性があります。
ブラックトライアングルのすき間から空気が漏れてしまい、正しい発音にならないことが原因です。特に「サ行」は前歯に空気を送り込んで発音するので、歯と歯の間に大きなすき間があると、うまく発音できません。歯と歯の間にすき間があると、サ行のほかにも、タ行やナ行なども影響を受けやすいといわれています。
インビザラインでブラックトライアングルができる?
ブラックトライアングルは、インビザラインをはじめ、歯列矯正を行った際にできるケースがあります。
しかし、インビザラインや歯列矯正を行うと必ずしもできるわけではありません。インビザラインでブラックトライアングルが現れる理由は、大きく2つあります。
・もともと顎の骨が少なかった
・歯周病が改善された
詳しく解説していきます。
もともと顎の骨が少なかった
歯並びが悪く歯が重なって生えている部分は、あごの骨が少なく不十分なケースが多いです。
インビザラインで歯並びを整えると、もともとあごの骨が少ない部分にも歯が並びます。あごの骨の位置にともなって歯茎の位置も変化するので、結果として歯茎が下がりブラックトライアングルが現れてしまうのです。
歯並びの状態からブラックトライアングルになるリスクは、ある程度予想できるので、気になる方は歯科医師に相談しましょう。
歯周病が改善された
歯並びが悪く慢性的な歯周病で歯茎が腫れているケースでは、インビザラインで歯並びを整えることでブラックトライアングルが現れてしまう可能性があります。
歯並びや噛み合わせが悪い部分は、ブラッシングが不十分になりやすく、磨き残しがあるケースが多いです。慢性的に磨き残しがある部分は、歯周病に罹患して歯茎が炎症を起こし、腫れてしまいます。
インビザラインで歯並び・噛み合わせを整えると、ブラッシングで簡単にプラークを除去できるようになるでしょう。口内が清潔になれば、歯周病は改善され歯茎の腫れが解消されます。結果として歯茎が下がるので、歯と歯の間にすき間が生じてブラックトライアングルが現れやすくなります。
インビザラインでブラックトライアングルができてしまったら
ブラックトライアングルが一度できてしまうと、もとの状態にまで改善することはほぼありません。ブラックトライアングルは、あごの骨の減少が原因で現れます。一度減少してしまったあごの骨を回復させる治療法はないので、あごの骨が減少しないように気を付けることがブラックトライアングルを予防するポイントです。
インビザラインでブラックトライアングルにならないためには、インビザライン治療中のブラッシング方法も大切です。歯並びに合った適切なブラッシングを行って口内を清潔に保ち、歯周病を予防すれば、歯茎の炎症を抑えられます。
インビザラインでブラックトライアングルになるリスクは、歯周組織の状態やもともとの歯の乱れ方によって異なります。ブラックトライアングルにならないか不安がある方は、インビザライン治療前に口内を確認してもらい、歯周組織や歯並びの状態からリスクが高いのか、歯科医師にチェックしてもらいましょう。
万が一、インビザラインでブラックトライアングルが現れてしまった場合、以下の方法ですき間を目立ちにくくすることが可能です。
IPRを行う
IPRとは、歯と歯の間をわずかに削り、歯が動くスペースを確保する治療法です。通常、歯列矯正で歯が並ぶスペースが不足している際に適応されます。
IPRを利用して、歯と歯の間を削り歯列矯正で歯を寄せて整えれば、ブラックトライアングルが目立ちにくくなることが期待できるでしょう。
歯肉移植を行う
外科的処置が必要ですが、歯肉移植でブラックトライアングルを改善させる方法があります。
歯肉移植は、上あごの歯茎を採取して、ブラックトライアングルがある部分に移植する治療法です。歯茎を切り取った部位は自然に再生して、もとの状態に戻ります。歯茎を必要な分だけ移植するので、すき間が埋まり、美しい見た目を手に入れることができるでしょう。
ただし、歯肉移植を行っても、あごの骨の位置は少ないままなので、時間が経つと再びブラックトライアングルが現れるリスクがあります。
まとめ
ブラックトライアングルは、歯と歯の間にできる三角形のすき間を指します。加齢や歯周病などであごの骨が痩せてしまうことが直接的な原因です。なかには、歯列矯正の影響でブラックトライアングルができる場合もあります。
ブラックトライアングルは、審美性が大きく失われるデメリットはありますが、健康面や機能面に問題はありません。審美性の悪さから改善を望む方が多いですが、一度できてしまったブラックトライアングルは、もとの状態に戻すことができません。そのため、ふだんからブラックトライアングルができないように予防していくことが重要です。
万が一、ブラックトライアングルができてしまい改善させたい場合は、IPR法や歯肉移植で目立ちにくくすることは可能です。インビザラインの影響でブラックトライアングルにならないか不安がある方は、歯科医院を受診して歯周組織や歯並び・噛み合わせを確認してもらい、リスクがどの程度あるのか判断してもらうとよいでしょう。
ブラックトライアングルについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。