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インビザライン治療で親知らずを抜く必要があるケースとは?

2023年10月28日

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯列矯正では、親知らずの抜歯が必要になる場合が多いです。

しかし、できれば抜歯せずに治療を行いたいと考える方も多いでしょう。マウスピースを使用したインビザライン治療では、親知らずの抜歯が必要ないこともあります。

今回は、インビザライン治療で親知らずの抜歯が必要なケースと必要ないケース、親知らずを抜歯するメリット・デメリットを解説します。インビザライン治療を検討している方や、親知らずの抜歯について疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。

親知らずとは?

親知らず

親知らずとは、前から数えて8番目の一番奥に生える歯のことです。20歳前後に生えることが多いですが、1本も生えてこない方もいれば、4本すべて生える方もいます。

昔は栄養状態が悪く、平均寿命が50歳を満たしませんでした。生えてくる頃には親が亡くなっていることが多かったので「親知らず」と名付けられています。

親知らずがあっても、歯茎の中に完全に埋まっている場合や、歯冠が半分だけ出ている場合など生え方にも種類があります。親知らずがあるかどうかは、歯科医院でレントゲン撮影をすることで確認可能です。

インビザライン治療で親知らずを抜くメリット

抜歯

インビザライン治療で親知らずを抜くメリットは、以下のとおりです。

・歯を動かすスペースが増える

・整った歯並びを維持しやすい

・親知らずのトラブルがなくなる

詳しく解説します。

歯を動かすスペースが増える

親知らずを抜歯することで、インビザライン治療中に歯を動かせるスペースが広がります。

特に、歯が重なって生えている乱ぐい歯や、ガタガタした歯並び、出っ歯でなどは、歯を動かすスペースが必要になることが多いです。親知らずの抜歯を行うことで歯を動かすスペースを確保できるため、歯がきれいに顎のスペースに収まるでしょう。

整った歯並びを維持しやすい

親知らずを抜歯しないと、インビザライン治療によって歯並びが整っても、親知らずが隣の歯を押すため歯並びが戻りやすいです。

親知らずが歯茎の中に完全に埋まっている場合でも、歯茎の中で隣の歯を圧迫していることがあります。歯並びがきれいになったあと、後戻りする原因となるでしょう。

長期的にきれいな歯並びを維持するために、親知らずを抜くことがあるのです。

親知らずのトラブルがなくなる

親知らずは一番奥に生えているため、歯ブラシが届きにくく虫歯や歯周病になりやすいです。特に、横向きや斜めに生えている親知らずは、磨き残しが多くなり虫歯などのトラブルを引き起こしやすいでしょう。

親知らずのトラブルに悩まれる方も多くいらっしゃいます。トラブルが起きるたびに辛い思いをし、歯科医院に継続的に通わなければいけません。

親知らずを抜くことで歯を磨きやすくなり、トラブルを事前に予防できます。

インビザライン治療で親知らずを抜くデメリット

デメリットを説明する女性

インビザラインは歯並びを整える治療なので、親知らずを抜くデメリットはあまり存在しません。考えられるデメリットは、以下の3つです。

・腫れや痛みを伴う

・口腔外科での処置が必要な場合がある

・健康な歯を抜かなければいけない

詳しく解説します。

腫れや痛みを伴う

親知らずを抜いたあとは、一時的な腫れや痛みを伴う場合が多いです。特に、下の親知らずは骨に埋まっていることが多く、抜く際に顎の骨を削ることもあります。

抜歯後は腫れや痛みが出やすいでしょう。抜いたあと数日間は口が開けづらく、食事が摂りづらくなります。

口腔外科での処置が必要な場合がある

歯茎に埋まっている親知らずの抜歯を行う場合、親知らずが埋まっている歯茎を切開し、骨を削る処置が必要な場合があります。安全に処置するために、口腔外科での抜歯を推薦されることが多いです。

口腔外科での処置が必要な場合、心身ともに負担に感じる方もいるでしょう。

健康な歯を抜かなければいけない

親知らずにトラブルがない場合、抜歯に抵抗を感じる方は少なくありません。まっすぐきれいに生えている親知らずの場合は特に抵抗があるでしょう。健康な歯を抜いて歯の本数が減ることに、不安を感じる方もいるでしょう。

しかし、インビザライン治療で親知らずを抜いた場合、抜歯したスペースは歯を並べるために利用します。残った歯で良好な噛み合わせを完成させるため、健康面でも特に問題はありません。

インビザライン治療で親知らずを抜く必要があるケース

親知らずを抜くか悩む女性

インビザライン治療では、きれいな歯並びを長期的に維持するために、親知らずを抜歯したほうがよいと判断される場合が多いです。

インビザライン治療で親知らずを抜く必要があるケースは、以下の4つです。

・親知らずが原因の痛みや腫れの症状がある

・隣の歯を圧迫している

・歯を動かすスペースが足りない

・噛み合わせに影響している

詳しく解説します。

親知らずが原因の痛みや腫れの症状がある

親知らずがあることで痛みや腫れを伴う場合、親知らずを抜いてからインビザライン治療を始めたほうがよいでしょう。特に、親知らずがまっすぐ正常に生えていない場合、歯茎が腫れて炎症を起こすことが多いです。

親知らず周囲の歯茎が腫れるトラブルを抱える方は多く、繰り返すことも考えられます。虫歯による痛みがある場合も抜いたほうがよいでしょう。

親知らずは歯ブラシが届きにくく、虫歯になりやすい歯です。治療しても虫歯になる確率が高いため、抜歯してトラブルを避けたほうがよいといえます。

隣の歯を圧迫している

親知らずが隣の歯を圧迫している場合は、歯並びに悪影響を与える可能性が高いため抜歯したほうがよいでしょう。歯茎の中に親知らずが埋まっている場合でも、歯茎の中で隣の歯を圧迫していることがあります。

治療中や治療後の後戻りを防ぐためにも、親知らずを抜いたほうがよいのです。

歯を動かすスペースが足りない

日本人は顎が小さく、歯が生えるスペースが足りないことで歯並びが悪くなる傾向にあります。限られたスペースで歯をきれいに並べるのは難しく、親知らずがあると余計にスペースが足りなくなるでしょう。

親知らずがまっすぐに生えていたとしても、歯を並べるスペースが足りない場合は親知らずを抜く必要があります。

噛み合わせに影響を与えている

インビザライン治療は、歯並びだけでなく噛み合わせも同時に整えます。噛み合わせが合っていない親知らずは抜いたほうがよいでしょう。

きれいに生えているように見える親知らずでも、噛み合わせに悪影響を与えている場合は抜歯する必要があります。

インビザライン治療で親知らずを抜く必要がないケース

親知らずの相談

インビザライン治療を進めるにあたって親知らずを抜くケースは多いですが、親知らずの抜歯の必要がないケースもあります。

インビザライン治療で親知らずを抜く必要がないケースは、以下の3つです。

・歯を動かすスペースが十分にある

・IPRで対応できる

・親知らずの根が形成されていない

詳しく解説します。

歯を動かすスペースが十分にある

親知らずの抜歯は、歯を動かすスペースを確保するために行います。親知らずが健康でまっすぐ生えており、歯を動かすスペースも十分にある場合は、インビザライン治療に影響を与えないでしょう。

IPRで対応できる

IPRとは、歯と歯の間にすき間を作るために、歯の側面を少し削る処置です。インビザライン治療ではよく行われる処置の一つです。

しみるなどの影響が出ない安全な範囲で歯の表面をほんの少し削るので、歯の強度や寿命に影響はありません。痛むこともないでしょう。

IPRでスペースを確保できる場合、親知らずを抜く必要はありません。

親知らずの根が形成されていない

親知らずが歯茎の中に埋まっていて根が形成されていない場合は、抜歯する必要はないでしょう。これから成長する可能性も低いため、そのままインビザライン治療を始めることが多いです。

親知らずの経過を観察しながら、歯並びに悪影響を及ぼす可能性が出てきた時点で抜歯を行うことがありますが、歯科医師の判断に従いましょう。

どのタイミングで親知らずを抜く?

親知らずを抜くタイミングイメージ

親知らずを抜くタイミングは、インビザライン治療を始める前が一般的です。

親知らずは歯を計画的に動かす妨げとなるため、インビザライン治療の装置を作る前に抜歯を行うことが多いです。抜歯後、ご自身の歯に合ったマウスピースを作成しましょう。

インビザライン治療の前に、虫歯や歯周病が見つかった場合は先に治療を行います。虫歯治療などと同じタイミングで親知らずを抜歯すると、スムーズにインビザライン治療を始められるでしょう。

まとめ

歯の模型

インビザライン治療では、スムーズに治療を進めて長期的にきれいな歯並びを維持するために親知らずを抜く場合が多いです。

しかし、親知らずの生え方や状態によって、抜かずにインビザライン治療を進めることができる場合もあります。インビザライン治療での親知らずの抜歯はメリットが多いですが、デメリットも把握しておくことが大切です。

親知らずの抜歯に不安がある方は、歯科医師とよく相談し、ご自身に合った方法でインビザライン治療を進めましょう。

インビザライン治療でお悩みの方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザライン矯正の費用はいくらくらい?治療の流れごとに解説!

2023年10月7日
インビザラインのマウスピースを手に持つ

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

装置が目立たないことから人気のインビザライン矯正ですが、費用が気になる方は多いのではないでしょうか。

今回は、インビザライン矯正の費用や保険が適用されるのかどうかなどを解説します。治療の流れに沿って詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

インビザライン矯正の費用

机に置かれた植物と電卓

インビザライン矯正にかかる費用は、トータルでおよそ600,000〜1,000,000円です。自費診療になるので、歯科医院ごとに費用が異なります。口内や歯並びの状態によっても費用が変動するため、相場に幅があります。

インビザライン矯正にかかる費用を、治療前・治療中・治療後に分けて詳しく確認しましょう。

治療前にかかる費用

インビザライン矯正を始める前に、カウンセリングと口内の状態を調べるための精密検査が行われます。検査の結果、インビザライン矯正の前に虫歯治療や抜歯が必要となった場合は、先に処置を行うのが一般的です。

カウンセリング

カウンセリングの費用相場は、無料〜10,000円程度です。無料でカウンセリングをしている歯科医院と、有料で行っている歯科医院がありますが、どちらがよいというわけではありません。

カウンセリングでは、簡易的に口内の状態も検査します。インビザライン矯正の進め方や必要な費用、治療期間などの説明を受けるでしょう。

歯科医院や歯科医師・スタッフの雰囲気などを知ることもできます。インビザライン矯正は長期間歯科医院に通う必要があり、費用もかかります。そのため、相性のよい歯科医院を選ぶための参考にするとよいでしょう。

カウンセリングを受けたからといって、必ずその歯科医院で矯正治療を始めなければいけないわけではありません。インビザライン矯正を検討している方は、一度カウンセリングを受けて費用などの説明を受け、歯科医院の雰囲気を確認しましょう。

検査

検査は、実際に矯正治療を始めるにあたって緻密な治療計画を立てるために行います。

検査費用の相場は、10,000円〜50,000円程度です。検査費用は、インビザライン矯正全体の費用に含まれている場合もあります。

インビザライン矯正で主に行われる検査の内容は、以下のとおりです。

・レントゲン撮影

・CT撮影

・顔の写真撮影

・歯並びの撮影

・CTスキャンによる歯型採取

インビザライン矯正では、専用のソフト「クリンチェック」を使い、検査のデータをもとに現在の歯並びから治療終了までの歯の動きをシミュレーションできます。治療開始前に矯正治療完了後のイメージを確認できることは、インビザライン矯正の大きなメリットでしょう。

虫歯治療や抜歯

インビザライン矯正を始める前に、虫歯治療が必要になる場合があります。虫歯治療は歯列矯正とは直接関係のない治療なので、保険で治療することも可能です。矯正専用の歯科医院の場合、別の歯科医院を紹介されることもあるでしょう。

費用の相場は虫歯の状態によって異なりますが、数千円程度です。虫歯の治療が終わり次第、矯正治療に移行します。

抜歯が必要な場合、虫歯や歯周病など歯科治療のための抜歯は保険が適用されます。矯正のために特に問題のない歯を抜く場合は、保険が適用されません。自費診療で5,000〜10,000円程度の費用がかかるでしょう。

治療中にかかる費用

治療中にかかる費用は、インビザライン矯正で使用するマウスピースの作製に関わる費用と、毎回の診察にかかる費用です。

マウスピースの作製

マウスピースの作製にかかる費用の相場は600,000〜1,000,000円です。

上述したようにインビザライン矯正では、クリンチェックというソフトによって治療開始から終了までのシミュレーションを行います。一度の歯型の採取で治療終了までに必要なマウスピースをすべて作製します。

診察

インビザライン矯正を開始したら、定期的に歯科医院で治療の進み具合をチェックしなければなりません。1〜2か月に一度の通院が一般的で、1回の診察にかかる費用の相場は3,000〜10,000円程度です。

歯科医院によって異なるので、カウンセリングの際などに確認しましょう。

インビザライン矯正では、1日20〜22時間マウスピースを装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら矯正治療を進めます。基本的にご自身で進めなければなりませんが、マウスピースの装着時間や交換時期が守られていないと、計画どおりに矯正治療が進みません。

診察の際は、矯正治療の進み具合をチェックし、必要な場合はマウスピースを追加するなど、治療計画を修正することもあります。

治療後にかかる費用

治療後とは、歯を並べ終わったあとの保定期間を指します。

矯正治療では、歯を動かす「動的治療期間」と、動かした歯の位置を固定させるための「保定期間」が必要です。保定期間は、一般的に矯正にかかった期間と同程度とされています。歯を動かすのに1年半かかった場合は、保定期間も1年半程度です。

保定期間は、リテーナーという保定装置を装着する必要があります。保定装置の作製にかかる費用の相場は、10,000〜60,000円程度でしょう。

保定期間中も定期的に受診する必要があり、1回の診療あたり3,000〜5,000円の費用がかかります。保定期間中の通院は、矯正治療中と比較して頻度が減るのが一般的です。

インビザライン矯正は保険が適用される?

資料を見ながら電卓を使う女性医師

インビザライン矯正は、保険が適用されません。歯列矯正は病気の治療ではないので、どのような治療でも基本的に自費治療になります。

例外的に、先天的な顎変形症などで矯正治療を行う場合は保険が適用されますが、大掛かりな手術が必要な症例が多いのでインビザライン矯正のみで改善することは難しいでしょう。大学病院などの大きな病院と連携して行われることが多いです。

インビザライン矯正は医療費控除の対象になる?

医療費控除の書類を虫眼鏡で拡大する

インビザライン矯正は、医療費控除の対象になることがあります。

医療費控除とは、1年間にかかった医療費が100,000円を超えた場合に受けられる、所得控除の制度です。対象になる場合は、確定申告の際に申請すれば還付金を受け取れます。

インビザライン矯正の費用が直接安くなるわけではありませんが、結果的に治療費を抑えられるでしょう。

インビザライン矯正で医療費控除を受ける場合は、注意する点があります。

見た目を美しくするための審美性の改善を目的とした矯正治療の場合、医療費控除の対象にはなりません。咀嚼や噛み合わせの改善など、機能の回復が目的の場合は医療費控除の対象になります。

インビザライン矯正の費用を安くする方法

顎に手を当てて考える女性

インビザライン矯正の費用を安くする方法はありませんが、歯科医院によって金額が異なるため、費用の安い歯科医院を選べばインビザライン矯正の費用は安くなります。

しかし、「費用が安い歯科医院」が「相性のよい歯科医院」とは限りません。インビザライン矯正は費用と時間がかかる治療です。費用の安さだけで歯科医院を選ぶのはあまり推奨できません。

必要以上に費用がかからないように、以下の点に注意しましょう。

マウスピースの装着時間と交換時期を守る

インビザラインは、自己管理が重要な矯正治療です。計画どおりに治療を進めるには、マウスピースの装着時間・交換時期をしっかりと守らなければなりません。

装着時間・交換時期を守らないと、治療計画を立て直す、マウスピースを追加で作製するなど、本来必要なかった費用がかかります。

トラブルがあった場合はすぐに連絡する

マウスピースがうまくはまらない、装着時間を守れなかったなど、問題が起きた場合はすぐに連絡して、歯科医師の指示を受けましょう。

インビザライン矯正では、マウスピースと歯の密着度を高めるためにアタッチメントという突起を装着することがあります。装着したアタッチメントが外れた場合や、マウスピースが破損した場合など、矯正装置にトラブルがあったときも計画どおりに治療が進まなくなるかもしれません。早めに歯科医院に連絡し、受診する必要があります。

すぐに歯科医院を受診すれば、治療計画が乱れて余計な費用がかかることを防げるでしょう。

まとめ

インビザラインのマウスピースを持って笑う女性

インビザライン矯正にかかる費用は、600,000〜1,000,000円が相場です。

矯正装置の費用以外に、矯正前のカウンセリングや検査、矯正中の診察、矯正後の保定装置などに費用がかかります。これらの費用は歯科医院によって異なります。すべて含めた金額を設定している歯科医院もあれば、診察のたびに支払う歯科医院もあるでしょう。治療開始前に確認することが重要です。

インビザライン矯正は、決して安い治療ではありません。インビザライン矯正を検討している場合は、カウンセリングを受けて費用について詳しく確認してください。

インビザライン矯正に興味がある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインですきっ歯を矯正!費用も解説!

2023年9月25日
インビザラインを専用のケースに収納する

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯と歯の間にすき間があるすきっ歯は、機能的にも審美的にもさまざまな問題があります。すきっ歯に悩む方のなかには、インビザラインで矯正したいと考える方も多いでしょう。

今回は、すきっ歯の概要や、インビザラインでのすきっ歯の矯正治療について解説します。すきっ歯でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

すきっ歯とは?

顎に手を当てて考える女性

すきっ歯は、歯と歯の間にすき間がある歯並びのことです。本来、歯は隣の歯と接触しており、すき間はフロスを通そうとしたときに少し抵抗がある程度しかありません。

すきっ歯では歯と歯の間が広く空いています。食べ物が詰まりやすい、噛み合わせが悪くなるなどの悪影響があるでしょう。

すきっ歯は正式には空隙歯列(くうげきしれつ)といい、なかでも上の前歯にすき間がある場合、正中離開(せいちゅうりかい)とよばれます。

こどものすきっ歯を心配する保護者の方は多いでしょう。5歳未満のお子さまで、乳歯が並んでいるときのすきっ歯は正常な歯並びであるため、心配しなくても問題ありません。

乳歯は永久歯に比べて小さく、本数が少ないです。そのため、乳歯列における歯と歯の間にあるすき間は、あとから生える永久歯がきれいに並ぶために必要なスペースといえます。

すきっ歯になる原因

CAUSEと書かれた木のブロック

すきっ歯になる原因は、以下のとおりです。

歯のサイズが小さい

生まれつき歯のサイズが小さい場合や、歯に対して顎のサイズが大きい場合、すきっ歯になりやすいです。特に、歯の形態異常の一つである矮小歯は、歯の頭部分(歯茎から見える部分)が通常よりも非常に小さいため、すきっ歯の原因になります。

歯の本数が少ない、または多い

本来生えてくるはずの歯の本数と、実際に生えた本数が異なる場合、すきっ歯になることがあります。

本来、永久歯は上下合わせて28本です。先天的に永久歯が欠損している場合や、過剰に生える場合があります。

歯が生まれつき足りない場合や歯茎の中に埋まっている場合は、本来歯があるべきところにすき間が生まれ、すきっ歯になるでしょう。本来歯が生えてこない場所に生えてくる過剰歯は、上の前歯の真ん中あたりに存在するケースが多いです。前歯が過剰歯に押されて本来の位置に生えることができず、前歯の間が空いて正中離開の原因になります。

過剰歯は歯茎の中に埋まったままのこともあるため、レントゲン写真で確認する必要があるでしょう。

上唇小帯の位置が低い

上唇小帯が前歯の近くまで下がっている場合、正中離開の原因になります。上唇小帯は上唇の裏側と歯茎をつなぐ筋で、上唇を引っ張ったときに裏側に見えるヒダのようなものです。

通常、上唇小帯は歯茎の上のほうにあるため、歯並びに影響しません。

しかし、上唇小帯が過剰に発達して上の前歯の近くまで伸びている場合があります。前歯が上唇小帯を避けるように生え、すき間が生じるのです。

歯並びに影響を与える癖がある

日常的に歯並びに影響を与える癖を行うと、すきっ歯につながります。特に、舌を前歯に押し付ける、歯のすき間に舌を入れるなどの癖は、歯と歯の間にすき間を作るでしょう。

下唇を噛む、指しゃぶりをする、頬杖をつく、咀嚼時に前歯に舌を押し付ける、爪を噛むなどの癖も、歯並びに悪影響を与えます。早期に改善するのが望ましいでしょう。

歯ぎしりの癖がある

就寝時に歯ぎしりをする癖があると、歯に大きな負担がかかって歯が移動しやすくなります。無意識に行われる歯ぎしりは、食事のときの何倍もの負荷をかけるとされており、自分の体重以上の力が歯や顎にかかります。歯が削れる、歯が移動するなど、すき間が生じることがあるでしょう。

就寝中の歯ぎしりは、自覚がない方も多いです。起きたときに顎や歯が重く感じる方は、歯ぎしりをしているかもしれません。歯科医院で口内を確認してもらいましょう。

歯を失ったまま放置した

歯周病や虫歯などによって歯を失ったあと、そのまま放置するとすきっ歯になる可能性があります。歯を失って生まれたすき間に、周囲の歯が移動することがあるからです。

歯を失ったまま放置すると、噛み合わせにも不具合が出るリスクがあります。歯を失った場合はブリッジや入れ歯などで歯を補いましょう。

加齢で歯茎が下がった

加齢に伴って歯茎が下がることで、歯のすき間が目立つようになるケースがあります。歯が動いたわけではありませんが、歯茎が痩せて歯の露出部分が増加することによって、歯の根元のすき間が目立つようになります。

年齢とともにすきっ歯が目立つようになった方は、歯茎の状態を確認してもらうとよいでしょう。

すきっ歯をそのままにするリスク

riskと書かれた木のブロックが積まれている

すきっ歯をそのままにするリスクは、以下のとおりです。

胃腸に負担がかかる

噛み合わせが悪いと、食べ物を小さく咀嚼できません。適切なサイズにならないまま飲み込むので、胃腸への負担が大きくなります。

特に正中離開がある場合、前歯で噛み切るのが難しくなるでしょう。食べにくいと感じることから、食事を楽しめなくなる可能性があります。

歯周病や虫歯になりやすい

すきっ歯の状態では、歯と歯の間のすき間が大きく食べ物が詰まりやすいです。歯周病や虫歯のリスクが高まるでしょう。

発音に影響が出る

歯と歯の間のすき間から空気が漏れ出ることで、明瞭な発音がしにくい場合があります。特にサ行とタ行に影響が出る方が多いです。

コンプレックスの原因になる

すきっ歯は、笑ったときや口を開けたときに目立つため、コンプレックスの原因になることがあります。見た目への自信を失い、人とコミュニケーションを取ることを避けるようになる方もいるでしょう。

インビザラインですきっ歯は治せる?

マウスピースを装着しようとする女性

すきっ歯は、インビザラインで治せます。インビザラインは、柔らかい透明なマウスピースを1日20〜22時間装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換することで理想の歯並びを目指す治療です。矯正治療中であることが目立ちにくく、患者様自身で取り外しが可能なことから人気があります。

ただし、重度のすきっ歯はインビザラインで治せないケースもあります。インビザラインで治せない場合は、ワイヤー矯正との併用やワイヤー矯正単体で治療を行うでしょう。

インビザラインですきっ歯を治すための期間

机に置かれたカレンダーと白い時計

インビザラインですきっ歯を治すための期間は、1~3年ほどです。

部分矯正で治せる場合は数か月~1年半程度の短い期間で治療できるでしょう。全体的な歯並びや噛み合わせの調整が必要な場合は、3年程度必要になります。

また、インビザラインは装着時間が短いと効果を十分に発揮できません。歯科医師の指示どおりにマウスピースを装着しないと、治療期間が延びることがあるため注意しましょう。

インビザラインですきっ歯を治すための費用

机に置かれた茶色い手帳と白い電卓

インビザラインですきっ歯を治すための費用は、300,000〜1,000,000円が相場です。

症状が軽度な場合は使用するマウスピースの枚数が少ないので、費用も抑えられるでしょう。全体的な歯並びから改善しなければならない場合、費用が高くなります。

実際にかかる費用は、患者様の歯並びや噛み合わせの状態で大きく変動します。歯科医院を受診して相談するとよいでしょう。

また、矯正治療は保険が適用されない自由診療のため、歯科医院によっても費用が異なります。同じインビザラインでも治療にかかる費用が異なるため、あらかじめ詳しく料金体系を確認しましょう。

まとめ

マウスピースを手に持って笑う女性

インビザラインですきっ歯の治療は可能です。

しかし、重度の症例ではインビザラインだけでの治療が難しく、ワイヤー矯正の併用などが必要になる場合もあるでしょう。ワイヤー矯正単体で治療したほうがよい場合もあります。

すきっ歯をそのままにすると見た目だけではなく、胃腸に負担がかかる、歯周病や虫歯になりやすくなる、発音に影響が出るなど、さまざまな問題が生じるかもしれません。すきっ歯であることをコンプレックスに感じ、コミュニケーションに支障が出る方もいます。

すきっ歯でお悩みの方は、歯科医院で相談するとよいでしょう。ご自身に合った治療を選択肢、歯並びを整えてください。

インビザラインでのすきっ歯の治療を検討している方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザライン治療の通院頻度はどれくらい?通院時に行うことも解説

2023年9月18日
インビザラインをはめようとしている女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯列矯正を始めると「どのぐらいのペースで通院が必要なのだろうか」「毎回歯科クリニックではどのようなことを行うのだろうか」と、疑問に思う方も多いでしょう。通院の頻度によっては、なかなか矯正治療に挑戦しにくいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、歯列矯正の種類の中でも、比較的通院頻度が高くないとされている治療方法のひとつである「インビザライン」についてご紹介します。インビザライン矯正の通院の頻度や通院が難しいときの対応方法などについて解説します。

インビザラインとは

マウスピースを手に持っている

まず、インビザラインの特徴や費用などを解説します。

インビザラインの特徴

インビザラインとは、マウスピース矯正のひとつです。マウスピース型の矯正装置はさまざまなメーカーから販売されており、アメリカのアライン・テクノロジー社によって発売されたものを「インビザライン」とよびます。

インビザラインは取り外し可能なマウスピースを使った矯正方法で、1日20~22時間以上の装着が求められ、2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら歯を動かしていきます。

一般的なマウスピース矯正との違い

インビザラインはほかのマウスピース矯正と異なり、デジタル技術を使用し、治療を進めます。デジタル技術を用いることで、一度型取りしたデータから、治療中に歯が動く様子や治療完了までの歯並びのイメージを見ることが可能です。また、最初に1回型取りするだけで、全てのマウスピースを作製できるため、何度も型取りする必要がありません。

デジタル技術を用いないほかのマウスピース矯正では、歯の将来的な動きや治療が完了したときの歯並びのイメージを予測することはできません。さらに、1つのマウスピースを使って歯を動かしたら、その度に次のマウスピースの型取りが必要です。

このように、インビザラインでは、型取りの負担を減らすことや歯列矯正によってどのように歯並びが変化するのかイメージできるといった嬉しいメリットが期待できるのです。

インビザラインの費用と治療期間について

インビザライン矯正にかかる費用は、部分矯正では30~40万円程度、全体矯正では70~100万円程度が一般的です。

治療期間については、もとの歯並びの状態などによって個人差がありますが、一般的に半年〜2年程度が多いといわれています。

インビザライン治療の通院頻度はどれくらい?

クエスチョンマーク

次に、インビザライン治療の通院頻度について、ほかの治療方法と通院頻度を比較しながら解説します。

インビザラインの一般的な通院頻度は2か月に一回程度

インビザライン矯正を始めてすぐの頃は、しっかりマウスピースが装着できているかなどをチェックするために、1か月に一回などの比較的短いスパンで来院する必要があります。

トラブルなどがなく、問題なく治療を進めていけそうであれば、その後は2〜3か月に1回程度の通院頻度となるでしょう。

また、保定期間中は、リテーナーとよばれる保定装置を使って過ごします。保定期間は、インビザライン矯正に関わらず、ワイヤー矯正やほかのマウスピース矯正にも存在します。インビザラインの場合、保定期間中の通院頻度は少し長めの3〜6か月に1回のペースが一般的です。

ほかの矯正方法との通院頻度比較

インビザラインは、ほかの矯正方法と比べると通院頻度はそこまで高くありません。矯正方法別の一般的な通院頻度は、以下のとおりです。

<矯正方法別 一般的な通院頻度について>

種類インビザライン矯正ワイヤー矯正マウスピース矯正
通院頻度2か月に一回1か月に一回2か月に一回

 

インビザラインを含むマウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べ通院頻度が高くないことがわかります。理由は、マウスピースを使った矯正方法はご自身でマウスピースを交換できることから、ワイヤー矯正のように歯科クリニックへ来院して矯正装置を調整する必要がないためです。

インビザラインのようなマウスピースを使った矯正方法は、歯科クリニックが遠方にあり1回の通院に負担がかかる方・仕事が忙しくて通院が難しく矯正治療に不安がある方に向いている矯正方法といえるでしょう。

インビザライン治療で通院時に行うこととは?

歯科医師が患者の歯を調べている

では一体、インビザライン治療の通院時はどのようなことを行うのでしょうか。具体的な内容を確認しておきましょう。

インビザライン治療の通院時に行うことは、以下のとおりです。

・進行度のチェック

・虫歯などのトラブルがないかのチェック

以下、それぞれ解説します。

治療の進行度のチェック

まず、治療の進行度を確認します。

ご自身で取り外し可能なマウスピースを使った矯正方法の場合、装着時間が短い場合や正しい付け方ができていない場合、シミュレーションどおりに歯が動かないことがあるのです。

誤った方法で矯正治療を続けても、治療期間が延びてしまうほか、理想の歯列にならないおそれもあります。患者さまが決められた装着時間をしっかり守り、正しい方法でマウスピースを装着できているかどうか、歯の状態をみて確認します。

虫歯などのトラブルがないかのチェック

インビザラインはマウスピースを取り外しできます。そのため、ワイヤー矯正のように、食べ物がワイヤーにはさまる・歯磨きがしにくいといったトラブルが発生することは少ないです。

しかし、マウスピースをつけていることでマウスピースが歯を覆ってしまい、ふだん細菌を洗い流す作用のある唾液に晒されにくくなるため、矯正を始めたことで虫歯になりやすくなる可能性があるのです。そのため、通院時には虫歯や歯周病のトラブルがないかどうかもチェックします。

虫歯や歯周病は放っておくとどんどん進行します。2か月に1回程度通院していれば、虫歯や歯周病などのトラブルの早期発見につなげることができるでしょう。

また、通院時には、マウスピースが必要以上に歯茎や舌に触れてしまい、口内炎や炎症などを起こしていないかなども確認します。

インビザライン治療で通院が難しいときはどうする?

歯科医師と患者が会話している

次は、インビザライン治療で通院が難しいときの対応方法について解説します。

インビザライン治療中に通院できなくなった場合に起こりうるトラブルは、以下のとおりです。

・虫歯などのトラブルに気づくのが遅くなる

・治療計画が崩れてしまうことがある

3か月以上通院できない状態が続くと虫歯や歯周病などの発見が遅れ、その間に症状が進行してしまう可能性があります。

矯正治療中に虫歯や歯周病などになると、その治療を優先するため一時的に矯正治療を中断するケースが多いです。結果的に、想定していたよりもインビザラインの治療期間が延びてしまうこともあるのです。

インビザライン治療で通院が難しいときに行うべきことは、以下のとおりです。

・歯科クリニックに相談する

・インビザライン治療を勝手にやめない

以下、それぞれ解説します。

歯科クリニックに相談する

通院が難しくなったときは、まず歯科クリニックへご相談ください。例えば、引越しなどで今まで通っていた歯科クリニックに通えなくなった場合などは、引越し先の地域で転院できる場合があります。

ただし、対応してもらえるかどうかは歯科クリニックによって異なります。

予約日になんらかの都合で通院できないケースなどもあるでしょう。そのときは、日時を変更して再度予約をとりましょう。何か月も通院しない状態を放置することはさけてください。

また、怪我や病気などで通えなくなった場合は治療を中断したほうがよいケースもあるため、歯科医師へご相談ください。

インビザライン治療を勝手にやめない

インビザラインで歯を動かしている最中に自己判断で矯正を中断するのは、口内や身体へのリスクが生じるおそれがあります。例えば、抜歯して大きく歯を動かす必要のあるケースで治療を勝手に中断してしまった場合、お口に大きなすき間がある状態で、咀嚼がうまくできない、発音しにくいなどの影響がでる可能性があるでしょう。

ほかにも、矯正治療では、歯を動かす段階で一時的に噛み合わせが悪くなる場合があります。噛み合わせが悪い状態で治療をやめることで口元が歪み、肩こりや頭痛を引き起こす可能性があるでしょう。

このように、自己判断で治療を途中でやめてしまうと、歯並びを綺麗にする目的で行っていたのにも関わらず、歯並びが乱れてしまったり口元に不具合が生じたりすることが考えられます。万が一、通院が難しく治療を中断したい場合は、必ず歯科医師へご相談ください。

治療期間を長引かせないためにできること

ドミノが倒れるのを手で防いでいる

インビザライン矯正を含む歯列矯正では、ご自身で歯が動くスピードを早めることはできませんが、治療を長引かせないためにできることはあります。治療を長引かせないためにできることは、以下のとおりです。

・装着時間を守る

・マウスピースの紛失・破損に気をつける

・歯磨きをおこたらない

インビザライン矯正は、マウスピースの取り外しがご自身でできる矯正方法です。そのため、決められた装着時間を守らなければ、しっかり歯が動かず治療期間が延びてしまいます。つけ忘れを防ぐために、食事と歯磨きが終わったらすぐにマウスピースを装着する習慣を身につけましょう。

治療期間が延びてしまう原因に、マウスピースの紛失・故障などがあげられます。マウスピースの紛失や故障は、マウスピースの作り直しが必要なケースがあります。

しかし、すぐに新しいマウスピースを手元に届けることはできず、数週間は必要です。その間に矯正治療がストップされると、その分治療期間が延びる可能性があるため、マウスピースは専用ケースに保管し、正しい方法で持ち歩くように工夫しましょう。

また、虫歯や歯周病になると、治療を優先させることがほとんどです。一旦、矯正治療を中断しなければいけないため、歯磨きなどのセルフケアを徹底し、口内を清潔に保ちましょう。

まとめ

笑顔でインビザラインをもっている女性

今回は、インビザライン矯正中に通院できなくなった場合の対処法なども解説しました。

インビザライン矯正の通院頻度は2か月に1回程度とされています。装置の調整が必要なワイヤー矯正に比べ、通院頻度は高くありません。インビザライン矯正は、クリニックが遠方にある方・仕事が忙しくて通院が不安という方でも挑戦しやすい矯正方法といえます。

しかし、自己判断で治療を中断すると、通院期間が延びるなどのトラブルが起きる可能性があります。通院が難しくなった場合、必ず歯科医師に相談しましょう。

インビザライン治療についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインの正しい取り外し方と装着方法を詳しく解説!

2023年9月4日
インビザラインを手にもっている女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインの正しい取り外し方と装着方法についてお悩みの方はいらっしゃいませんか。

今回は「インビザラインの正しい取り外し方と装着方法」について解説します。インビザラインの正しい取り外し方と装着方法を把握しておくと、インビザラインに関わるトラブルを予防することにつながるでしょう。

ほかにも「インビザラインを間違えた方法で取り外すリスク」や「インビザラインのお手入れ方法」についても解説します。インビザラインの正しい取り外し方と装着方法についてぜひ理解を深めてください。

インビザラインを間違えた方法で取り外してしまうと

リスクという文字をあらわす木のブロック

インビザライン(マウスピース)を間違えた方法で取り外すことで起きる3つのリスクは、以下のとおりです。

・マウスピースが変形するリスク

・マウスピースが破損するリスク

・アタッチメントが取れるリスク

以下、それぞれのリスクについて解説します。

マウスピースが変形するリスク

インビザラインを正しい方法で取り外さないと、マウスピースが変形してしまうリスクがあります。

マウスピースが変形すると、うまく装着することができず、歯が治療計画どおりに動かずに治療期間がのびてしまいます。また、意図しない方向に力がかかってしまい、歯茎に痛みを感じたり歯並びが悪くなったりしてしまうこともあるため注意が必要です。

マウスピースを装着して少しでも違和感があれば、すぐに歯科医院に相談するのがよいでしょう。

マウスピースが破損するリスク

インビザラインを間違った方法で取り外してしまうと、ヒビや割れなどの破損のリスクが高くなります。

マウスピースが破損してしまうと、作り直しが必要となり、治療が中断してしまう可能性があります。また、マウスピースを装着していない期間があると、歯が後戻りしてしまい、インビザライン治療を最初からやり直すケースもあるのです。

破損状態によっては、修理で対応ができる可能性もあるため、破損したマウスピースは捨てずにもっておきましょう。

アタッチメントが取れるリスク

インビザラインを間違えた方法で取り外してしまうと、歯の表面についているアタッチメントが取れてしまう可能性があります。

アタッチメントは、歯に対して強制力を加えることができるため、アタッチメントが取れてしまうと、治療計画どおりに歯を動かすことができなくなります。その場合、治療期間がのびてしまうのはもちろんですが、歯並びのトラブルの原因となってしまうため、すぐに歯科医院で診てもらいましょう。

インビザラインの正しい取り外し方

インビザラインを手にもっている笑顔の男性

インビザライン(マウスピース)の正しい取り外し方について把握しておくと、治療中のトラブルを予防することにもつながります。

インビザラインの正しい取り外し方は、以下の3つです。

・上顎のインビザラインの取り外し方

・下顎のインビザラインの取り外し方

・アタッチメントの取り外し方

以下、それぞれの取り外し方を解説します。

上顎のインビザラインの取り外し方

上顎のインビザラインの取り外し方は、左右どちらかの奥歯の内側に人差し指を入れて、爪でマウスピースを下に向かって引っ掻くように取り外します。反対側も同じ手順で取り外すことが可能です。両側の奥歯が外れたら、前歯部分を人差し指と親指で挟んで、下に向かって引っ張るように外します。

マウスピースを外す際は、奥の内側から順に外すことが重要で、インビザラインをはじめてしばらくの間は、鏡を見ながら着脱の練習をするのがよいでしょう。

下顎のインビザラインの取り外し方

下顎のインビザラインの取り外し方は、上顎のインビザライン同様に、左右どちらかの奥歯の内側に人差し指を入れて、爪でマウスピースを上に押し上げるようにして取り外します。反対側も同じ手順で取り外すことが可能です。両側の奥歯が外れたら、前歯部分を人差し指と親指で挟んで、上に向かって引っ張るようにして外します。

前歯部分を外す際は、歯に負担がかからないようにゆっくり外すようにしましょう。

アタッチメントの取り外し方

アタッチメントがついている場合も、奥歯の内側から前歯部分にかけて外していきます。

奥歯の外側から取り外そうとしてしまうと、アタッチメントに大きな負荷がかかってしまい、アタッチメントが外れてしまう原因となってしまうため注意が必要です。アタッチメントが引っかかって外れにくい場合は、マウスピースを広げるようにするとスムーズに取り外せるでしょう。

インビザラインを取り外したらお手入れする

インビザラインがおいてある

インビザライン(マウスピース)を使用すると、通常よりも虫歯や歯周病になってしまうリスクが高くなるため、常に清潔に保つために取り外しの際はお手入れが必要です。

具体的なインビザラインのお手入れ方法は、以下のとおりです。

・水洗いする

・洗浄剤を使用する

・中性洗剤を使用する

以下、それぞれ解説します。

水洗いする

インビザラインのお手入れ方法として、水洗いする方法があります。

冷水をあてながらマウスピースを指でこすって洗い流していきます。マウスピースの汚れが気になる場合は、なるべく毛先が柔らかい歯ブラシを使って磨いてください。

お湯を使うと、マウスピースの変形や破損の原因となってしまうため注意が必要です。また、水洗い後にマウスピースを濡れたままにしてしまうと雑菌が繁殖してしまうため、しっかり水分を拭き取りましょう。

洗浄剤を使用する

インビザライン専用の洗浄剤を使用することで、汚れはもちろん、目に見えない雑菌を除去することにつながります。

洗浄剤の種類は、泡で洗浄する「泡タイプ」、水と錠剤を一緒に入れる「つけおきタイプ」の2種類があります。つけおきタイプは、長時間つけおきしてしまうとマウスピースが劣化してしまうリスクがあるため、あらかじめ注意が必要です。

中性洗剤を使用する

中性洗剤でもインビザラインのお手入れは可能です。

中性洗剤を水で薄めて、毛先が柔らかい歯ブラシで優しく磨きましょう。そのあとによくすすぐことで、マウスピースに付着している汚れや雑菌を取り除くことが可能です。ご自宅にある食器用洗剤などは中性洗剤のため、お手軽にお手入れすることができるでしょう。

インビザラインの正しい装着方法

インビザラインをはめようとしている女性

インビザラインを装着する際は、両手でマウスピースを持って、奥歯からゆっくり上に圧力を加えながら着用します。その際、頬粘膜を巻き込みやすく粘膜を傷つけてしまう可能性があるため、あらかじめ注意が必要です。

次に、シリコン製のロールチューブの「チューイー」を噛み、マウスピースと歯と間のすき間をなくしていきます。

新しいマウスピースを装着する際は、最初は違和感がありますが、マウスピースの装着に慣れると違和感や圧迫感は少なくなっていくでしょう。また、新しいマウスピースを装着する際は、マウスピースが浮きやすくなってしまうため注意が必要です。

まとめ

ポイントをまとめる女性

今回は、インビザラインの正しい取り外し方と装着方法、インビザラインを間違えた方法で取り外してしまうリスクやインビザラインのお手入れ方法についてご紹介しました。

インビザラインを間違えた方法で取り外してしまうと、マウスピースが変形する、マウスピースが破損する、アタッチメントが取れてしまうなどのリスクがあります。

インビザラインの正しい取り外し方について把握しておくと、治療中のトラブルを予防することにつながります。今回の解説を参考に、インビザラインの正しい取り外し方と装着方法について理解を深めてください。

インビザラインについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザライン治療中に滑舌が悪くなる原因と対処法を解説!

2023年8月28日
インビザラインを専用のケースに収納する

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインは、透明のマウスピースを装着して歯並びを整える矯正方法です。透明なので装置が目立たず、痛みを感じにくいことから人気が高まっています。

基本的にマウスピースをつけたまま過ごす治療なので「会話が問題なくできるのか」「滑舌が悪くなることはないのか」と不安を感じる人もいるでしょう。

今回は、インビザライン治療中に滑舌が悪くなる原因と、対処法を詳しく解説します。

インビザライン治療中は滑舌が悪くなる?

口を尖らせて考える女性

インビザラインは、違和感はあっても滑舌への影響は少ないといわれています。ワイヤー矯正ではブラケットやワイヤーを歯に固定するので、滑舌が悪くなったと感じる方が非常に多いです。

インビザラインで使用するマウスピースの厚さは0.5mm程度で、口内にフィットする設計になっているため、喋りにくいと感じることは少ないのです。

しかし、何もなかった口内にマウスピースが入るので、異物感・違和感から滑舌が悪くなったと感じることもあります。人前で話す機会が多い仕事をしている人などは、滑舌が悪くならないか気になるでしょう。

時間の経過とともに改善されるので、過度に心配する必要はありません。

インビザライン治療中に滑舌が悪くなる原因

机に置かれた?と虫眼鏡が書かれた木のブロック

滑舌が悪くなる原因として比較的多いのは、思い込みです。

マウスピースを装着したばかりのときや新しいマウスピースに交換したばかりのときは、特に違和感をおぼえやすいとされています。そのため、滑舌が悪くなったと感じることがありますが、実際にはそれほど変化していないことが多いです。

しかし、実際に滑舌が悪くなるケースもあります。具体的な原因は、以下のとおりです。

マウスピースに慣れていない

インビザラインで使用するマウスピースは0.5mm程度の厚みしかありませんが、上下の歯に装着すると1mm程度の厚みになります。

口内に髪の毛が入り込み、噛んで違和感をおぼえたことがある方もいるのではないでしょうか。非常に細い髪の毛を噛んだ違和感に気づけるほど、歯は敏感なのです。そのため、口内にマウスピースが入っている違和感に慣れるまでは、喋りにくい、滑舌が悪くなったと感じるでしょう。長くても1週間程度で慣れる方が多いです。

マウスピースと舌が接触する

滑舌が悪くなるのは、舌の動きが制限されたときです。インビザラインのマウスピースは0.5mm程度の厚みしかないので、舌の動きはそれほど制限されません。

しかし、口内の違和感に敏感な方もいるでしょう。マウスピースと舌が接触することが気になって、舌の動きを無意識に制限する場合があります。

口の中が乾燥している

特に、インビザラインを始めたばかりのときは、不慣れなためにマウスピースを装着すると口を少し開けることがあります。口が開いている時間が長いと、口の中が乾燥して舌の動きが悪くなり、滑舌が悪くなったと感じることにつながります。

マウスピースを適切に装着できていない

マウスピースをしっかりと装着できておらず、浮いたような状態になっていると、マウスピースに舌が触れて滑舌が悪くなることがあります。マウスピースが変形している場合も口内にフィットしないので、滑舌が悪くなるでしょう。

インビザライン治療中の滑舌が気になるときの対処法

体の横を指さして笑う女性

滑舌が気になるからと、マウスピースの装着時間を短くすることはやめましょう。計画どおりに矯正治療が進まなくなります。

滑舌が気になる場合の対処法は、以下のとおりです。

思い込みかどうか確認する

まずは、本当に滑舌が悪くなっているのか確かめましょう。

マウスピース装着中に、家族など身近な人に滑舌が悪くなっていないか尋ねてください。スマホで録音しながら文章を読み、録音した音声を聞くなどすると、滑舌が悪くなっているかどうか客観的に判断できます。

インビザラインに慣れる

インビザラインは違和感や痛みが少ない治療法とされていますが、まったく違和感がないわけではありません。インビザラインの装着時間を守り、時間の経過とともに慣れていきましょう。

異物感・違和感に慣れることで、滑舌も改善されることがあります。初めてインビザラインを装着したときや、新しいマウスピースに交換したときに出る違和感は、2〜3日で慣れることが多いです。長くても1週間で慣れるでしょう。

1週間以上経っても違和感がある場合は、マウスピースが変形している可能性や適切に装着できていない可能性があります。一度歯科医院を受診して、確認してもらってください。

会話のトレーニングをする

マウスピースを装着した状態で会話することに慣れましょう。

早く慣れたい場合は、マウスピースを装着したまま会話をする機会を増やしてください。

トレーニングの方法

意識して会話の機会を増やす以外にもトレーニング方法はあります。

一人のときでも、意識して文章を声に出して読むなどするとトレーニングになります。特に苦手な発音を、ゆっくりとはっきり声に出してみましょう。

影響を受けやすい発音は、サ行・タ行・ラ行・ナ行です。「さ・さ・さ」など苦手な発音を繰り返す、苦手な発音が入った単語を声に出すなどするとよいでしょう。例えば「魚」「ささみ」「ハサミ」「いぐさ」など、単語の前・真ん中・後ろに難しい発音が入っているものを、声に出して発音してください。

単語の発音に慣れたら、早口言葉にチャレンジしてもよいでしょう。早口言葉はマウスピースを装着していなくても難しいので、うまく言えなくても気にせずに、気軽にトレーニングしましょう。

<早口言葉の例>

・赤巻き紙、青巻き紙、黄巻き紙(あかまきがみ あおまきがみ きまきがみ)

・生麦生米生卵(なまむぎ なまごめ なまたまご)

・此の竹垣に竹立て掛けたのは、竹立て掛けたかったから、竹立て掛けた(このたけがきにたけたてかけたのは たけたてかけたかったから たけたてかけた)

口をしっかり閉じる

マウスピース装着時に口を開ける癖がついている場合は、意識して口をしっかり閉じましょう。

口が開いていると、お口の中が乾燥して滑舌が悪くなります。口を開ける癖は、歯並びにも悪影響を与えます。インビザライン治療が終わったあとも口を開ける癖が改善されなければ、再び歯並びが乱れるかもしれません。

マウスピースをしっかり装着する

マウスピースを指で圧接しただけでは、しっかりと装着できていない可能性があります。

インビザライン治療の際は、チューイーというマウスピースを装着するための補助用具を手渡されることが多いでしょう。特に、アタッチメントという突起を歯につける場合は、手だけでは装着しづらいです。必ずチューイーを使ってマウスピースを装着しましょう。

うまく装着できない場合は、受診してマウスピースの装着方法を再度教えてもらってください。

マウスピースの状態を確認してもらう

マウスピースが変形しているかの判断はご自身では難しいので、歯科医院で確認してもらう必要があります。

チューイーを使って適切に装着しても、違和感・異物感があり、滑舌が気になる場合は、マウスピースの状態を確認してもらいましょう。

まとめ

インビザラインを持って笑う女性

インビザラインは、ワイヤー矯正と比べて違和感が少なく、滑舌が悪くなることはほとんどありません。インビザラインは、話しにくさや滑舌が気になる方に適した矯正方法です。

インビザラインを使用して滑舌が悪くなったと感じるときは、思い込みや慣れていないことが原因の場合が多いです。なかなか慣れずに滑舌が気になり続ける場合は、歯科医院を受診して確認してもらいましょう。

インビザラインについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインで八重歯は治せる?治療法や注意点を詳しく解説!

2023年8月7日
口を開くと見える八重歯

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

「八重歯がコンプレックスだから矯正で治したい」「八重歯はインビザラインで治せる?」このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか。多くの場合、八重歯はインビザラインで治療が可能です。

今回は、インビザラインで八重歯を治す具体的な治療法や注意点について解説します。八重歯を放置するリスクについても解説しているので、今回の記事を参考にインビザライン矯正を検討してください。

八重歯とは

レントゲン写真で説明する女医

八重歯とは、ガタガタした歯並びである叢生(そうせい)の一種です。犬歯(前歯から3番目の尖った歯)が正常の歯列に収まらず、前に出てしまうことや重なるように生えている状態です。

犬歯はほかの歯と比べて尖っていて長いため、八重歯は口を開けたときに目立ち、全体的にデコボコとした印象を与えてしまいます。

日本では「愛嬌がある」と好意的にとらえられる八重歯ですが、海外では「バンパイアティース」ともいわれ、あまりよい印象を与えません。八重歯は、歯の機能や衛生状態にも悪影響を与えるため、矯正治療を希望される方が増加しています。

八重歯になる原因

クエスチョンマークと男性

八重歯になる原因は、以下の2つです。

・あごが小さい

・乳歯が早く抜けた

一つずつ解説していきます。

あごが小さい

八重歯の原因の一として、あごが小さいことがあげられます。あごが小さいと、歯が並ぶスペースがなくなり、歯列から押し出される歯が生じます。さらに、犬歯はほかの永久歯に比べ、生えてくる時期が遅いため、歯列からはみ出しやすいのです。

また、食生活の変化により硬いものを食べる機会が減ったため、現代人のあごの発達が乏しくなっています。

しかし、歯自体の大きさは変わらないため、歯があごに並び切らず、デコボコとした歯並びになってしまうのです。

乳歯が早く抜けた

虫歯などにより乳歯が早く抜けると、八重歯の原因になる場合があります。

早期に乳歯が抜けてしまうと、歯と歯の間のスペースが生じる期間が長くなってしまいます。歯は、スペースがある方向に動く習性があるため、永久歯が生える頃にはスペースがなくなってしまい、収まりきらなかった犬歯が歯列から押し出され、八重歯となってしまうのです。

八重歯を放置するリスク

頭を抱える女性

八重歯を放置するリスクは、以下の4つです。

・虫歯や歯周病になりやすい

・噛み合わせが悪くなる

・口の中が傷つきやすい

・口臭の原因になる

一つずつ解説していきます。

虫歯や歯周病になりやすい

八重歯は、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまいます。ほかの歯と重なって生えている場合は、食べ物が詰まりやすく、歯磨きが行き届かないためです。

また、八重歯が唇に引っかかると、口が閉じづらくなる場合があります。口の中が乾燥すると、唾液の自浄作用や殺菌作用が働かなくなるため、虫歯のリスクが高まってしまうのです。

噛み合わせが悪くなる

八重歯があると、噛み合わせが悪くなるリスクがあります。

物を噛んだときは、歯全体で噛む力を吸収し、分散しています。

しかし、八重歯があることで噛んだときのバランスが崩れるため、噛み合わせが悪くなってしまうのです。特に奥歯に大きな負担がかかるため、顎関節にも影響し「顎関節症」を発症する可能性もあります。

口の中が傷つきやすい

八重歯は、口の中の粘膜や唇を傷つける場合があります。八重歯に下唇が当たると、粘膜が刺激され、口内炎ができることがあります。

また、転倒時に八重歯が口の中に刺さり、口の中が切れるリスクもあるのです。

口臭の原因になる

八重歯が妨げとなり、口が閉じにくく感じる場合があります。

口呼吸になり、口の中が乾燥してしまうと、唾液が不足し乾燥してしまいます。唾液には自浄作用や殺菌作用があるため、乾燥した口の中は虫歯や歯周病のリスクが高まり、口臭の原因になるリスクがあるのです。

インビザラインで八重歯は治せる?

インビザラインを両手で持つ女性

八重歯は多くの場合、インビザラインでの治療が可能です。

しかし、出っ歯や受け口の症状が重く骨格に問題がある場合や、多くの抜歯が必要な重度の叢生(ガタガタ歯並び)では、インビザラインでの治療が難しくなります。また、歯周病の症状が進行している方や、インプラント治療をした方も、適応外となる場合があります。

適応外となった方は、ワイヤー矯正などのほかの矯正方法が採用されるため、矯正治療自体を諦める必要はありません。歯科医院のカウンセリングを受けるなどして、歯科医師に相談してください。

インビザラインでの八重歯の治療法

顎の模型と治療器具を持つ女医

インビザラインでの八重歯の治療法には、以下の4つがあります。

・抜歯をする

・歯列弓(歯列のアーチ)を広げる

・歯と歯の間を削る

・奥歯を後方に移動する

一つずつ解説していきます。

抜歯をする

八重歯を正常の歯列に戻すために、抜歯をしてスペースを確保する方法です。

八重歯が大きく歯列から外れていたり、重なりの度合いが強かったりする場合は、抜歯をして八重歯が移動するためのスペースを確保することが多いでしょう。

しかし、抜歯をすることで、歯列弓(歯並びのアーチ)が小さくなり、舌根が後ろに下がります。そのため、いびきをかきやすくなったり、睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなったりするリスクがあります。

歯列弓(歯列のアーチ)を広げる

歯列を全体的に外側(頬側)に広げて治療する方法もあります。

歯列弓の拡大により、押し出された八重歯を移動するスペースを確保します。成長期のこどもの場合は、歯列弓の拡大はさほど難しくありません。

しかし、大人の場合は拡大できる範囲に限りがあります。そのため、八重歯を移動するのに十分なスペースの確保ができない場合は適応外です。また、歯列弓の拡大により下の歯との噛み合わせが崩れてしまう場合も、インビザライン矯正の適応外となります。

歯と歯の間を削る

 歯の側面を削る「ディスキング」と呼ばれる治療法もあります。

ディスキングとは、歯の側面を最大0.25mmずつ削り、八重歯を移動するスペースを確保する方法です。すべての歯をディスキングすると、歯一本程度のスペースを確保できます。削るのは健康上の支障のない量ですが、処置中に知覚過敏のような症状が出る場合があります。

奥歯を後方に移動する

奥歯を後方に移動することを「遠心移動」といいます。

八重歯が移動するスペースを確保するために、奥歯を遠心移動して八重歯が移動するスペースを確保します。インビザラインは、ワイヤー矯正に比べ、遠心移動が得意といわれています。

ただし、親知らずが生えていると遠心移動ができないため、事前に抜歯する必要があるでしょう。

インビザラインで八重歯を治療するときの注意点

強く注意する眼鏡の女性

インビザラインで八重歯を治療するときには、以下の2つの注意点があります。

・適応できない症例がある

・自己管理が必要である

一つずつ解説していきます。

適応できない症例がある

インビザラインは、適応が難しい症例があります。歯並びに重度の問題がある場合、歯周病が進行している場合、インプラント治療をした場合は適応外となることがあります。

適応外の症例は、ワイヤー矯正での治療や、インビザラインとワイヤー矯正を併用した治療をします。

自己管理が必要である

インビザラインは、取り外し可能なマウスピースのため、こまめな自己管理が不可欠です。

インビザラインは、1日20〜22時間の装着を前提として治療計画がたてられています。そのため、装着時間を守らないと治療が遅れてしまうのです。また、1〜2週間ごとのマウスピースの交換も、忘れずに自分で行う必要があります。さらに、マウスピースは取り外しのたびに洗浄をする必要があり、こまめな自己管理が欠かせません。

自己管理を怠ると治療が進まないばかりでなく、虫歯や歯周病になるリスクも高まります。こまめな自己管理の必要性を理解し、自分のライフスタイルなどと照らしあわせ、自己管理が可能か検討してみましょう。

まとめ

親指を立てて笑顔の歯科医たち

今回は、八重歯のインビザライン治療について解説しました。

八重歯とは、叢生の一種で、犬歯が正常の歯列から押し出されてしまった状態です。八重歯の原因は、あごが小さく正常の歯列から押し出されることや、乳歯が早く抜けることです。

八重歯を放置すると、虫歯や歯周病のリスクが上がるなどのリスクがあります。

しかし、八重歯は多くの場合、インビザラインでの治療が可能です。八重歯のインビザライン治療では、八重歯が移動するスペースを確保し、歯並びを整えていきます。インビザラインでは、一部適応にならない症例があるため、注意しましょう。

インビザラインが適応外となった場合でも、ワイヤー矯正での治療が可能なため、矯正治療を諦める必要はありません。まずは、歯科医院のカウンセリングで相談してみましょう。

八重歯についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

歯ぎしり・食いしばり癖によるインビザラインへの影響と対策!

2023年7月27日
インビザラインを装着する女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯ぎしり・食いしばりは、上下の歯を強く押し当てるものであり、人によっては歯の表面が削れることもある行為です。インビザラインは薄いプラスチックでできており、強い衝撃が苦手なため、インビザラインが割れてしまうおそれがあります。そのため、歯ぎしりや食いしばり癖のある方は気を付けなければなりません。

今回は、歯ぎしり・食いしばり癖のある人がインビザラインを行う場合、具体的にどのような影響があるかを解説します。

歯ぎしり・食いしばりとは?

歯を強く噛みしめる女性

歯ぎしりとは、睡眠中や日常生活の最中に無意識に歯を強くこすりあわせる行為のことを指します。ストレスや睡眠障害などが原因で引き起こされ、長期的に続くと歯がすり減ることや歯周病が悪化することなどにつながるでしょう。

一方、食いしばりとは、精神的な緊張やストレスを和らげるため、または困難な状況に直面したときに感情を抑制するために、意識的または無意識的に歯を噛みしめる行為を指します。こちらも長期的に続くと、顎関節症や頭痛などを引き起こす可能性があります。

どちらもストレスや過度な緊張が原因となることが多いため、リラクゼーションやストレスの管理が有効な対策です。また、異常な歯ぎしり・食いしばりが続く場合は、歯科医師に相談することをおすすめします。

歯ぎしり・食いしばり癖の原因

歯の模型を手に持つ男性医師

歯ぎしり・食いしばり癖の原因には、何があるのでしょうか。よく見られるケースについて、それぞれ解説します。

ストレス

歯ぎしり・食いしばり癖の主な原因の1つは、ストレスです。

常に高いストレスレベルにさらされていると、無意識のうちに歯を強く食いしばる人や歯ぎしりをする人がいます。これは、ストレスが神経系に影響を与えることから、体がストレスの影響による緊張を緩和しようとするためです。

集中している状態

歯ぎしり・食いしばりの癖は、しばしばストレスや集中している状態に起因します。

精神的なプレッシャーは、無意識のうちに顎の筋肉を緊張させ、歯を強く噛みしめる行為などにつながる可能性があるでしょう。また、特定の作業や問題に集中して取り組むときや、スポーツなどの高度な運動タスクを実行するときも同様です。顎を閉じることが精神的な集中とリンクしているため、歯が強く圧迫されるのです。

歯並びや噛み合わせの悪さ

正常な噛み合わせは、上下の歯が適切に接触することで組織を保護し、食物を効率よく咀嚼します。

しかし、歯並びや噛み合わせが悪いと噛む力が均等に分散せず、一部の歯に過剰な負荷がかかることがあります。特に、噛み合わせの悪い状態を改善しないと、歯ぎしり・食いしばりの癖につながることがあるでしょう。

眠りが浅い

歯ぎしり・食いしばりの癖は、睡眠障害が原因の一つとされています。睡眠の質が悪く、睡眠中に歯ぎしりをするケースがあるでしょう。

通常、深い眠りに入ると筋肉はリラックスしますが、眠りが浅い場合や睡眠障害がある人は筋肉が十分にリラックスせず、歯ぎしりを起こすことが多いのです。

歯ぎしり・食いしばり癖があってもインビザライン治療は受けられる?

インビザラインを手に持ち考え込む男性

歯ぎしり・食いしばりの癖がある患者さまでも、インビザラインの治療を受けることは可能です。

ただし、症状が強い場合は、インビザラインのアライナー(装置)にダメージを与える可能性がありますので、必ず歯科医に相談し、詳細な診断を受けましょう。

また、歯ぎしり・食いしばりの癖がある方がインビザラインを使用する場合、通常以上にアライナーの交換頻度が高まる可能性があります。治療期間や費用が変動する可能性もあるため、具体的な治療計画は歯科医と十分に話し合うことが大切です。

歯ぎしり・食いしばり癖によるインビザラインへの影響

指をかんで不安そうな女性

歯ぎしり・食いしばりの癖があると、インビザラインにどのような影響が出るのでしょうか。治療前に知っておくことで、円滑に治療を進めることにつなげましょう。

インビザラインの変形や割れるリスク

歯ぎしり・食いしばりが強いと、インビザラインはその圧力により変形や破損のリスクが高まります。インビザラインは、患者さまそれぞれの歯の形状に合わせて作られるため、その形状を保つことが重要です。

しかし、強い力がかかると、予定されていた形状を保てず効果が落ちる可能性があるでしょう。また、歯ぎしり・食いしばりによる力が強すぎる場合、インビザライン自体が割れることもあります。

これらの問題を避けるため、治療開始前に歯ぎしり・食いしばり癖があることを歯科医に確実に伝えましょう。

矯正治療の遅れ

歯ぎしりや食いしばりの習慣は、インビザラインに悪影響を与える可能性があります。これらの癖は、矯正治療を遅らせる原因となることもあるでしょう。

歯ぎしりによる圧力は、矯正治療の進行を妨げ、アライナーの適合性を損なう可能性があります。さらに、食いしばりにより、アライナーが破損するおそれれもあるでしょう。

これらの問題を避けるためには、睡眠中の歯ぎしりを防ぐマウスガードを使用することや、ストレス管理の手法を導入することが推奨されます。

顎関節への負荷

インビザラインはクリアなアライナーで歯列を整える治療法であり、歯ぎしり・食いしばり癖があると影響を受ける可能性があります。

通常、これらの癖は、無意識のうちに強い力で歯を食いしばることで、アライナーに過度なストレスを加えることとなるでしょう。その結果、アライナーに亀裂や破損の可能性があります。また、強い力が顎関節に加わると、インビザライン治療の進行が遅れることや、顎関節症の原因となる可能性も出てくるでしょう。

これらの癖がある場合、治療自体に取り組む前に、まずこれらの癖を改善する治療が必要です。歯ぎしり・食いしばり癖の改善後であれば、インビザラインによる治療を安全に、そして確実に進めることができます。

矯正治療の定期的な経過観察が必要

歯ぎしり・食いしばり癖は、インビザラインで利用する歯科装置に悪影響を及ぼす可能性があります。

適切な位置に調整された歯の移動、インビザライン自体の傷みや破壊のおそれがあるでしょう。そのため、矯正治療を受けている間は、定期的に歯科医師の監督のもとで治療の経過を観察し、必要に応じて治療計画を見直すことが重要です。

矯正治療は長期にわたるものですので、生活習慣の見直しも含めて適切なケアが不可欠といえます。

歯ぎしり・食いしばり癖の対策

インビザラインを持って笑顔の女医

歯ぎしり・食いしばり癖の対策として、日常で取り組める方法がいくつかあります。意識して行うことで、改善につなげることができるでしょう。

あおむけで寝る

歯ぎしり、食いしばり癖を改善するためには、あおむけで寝ることをおすすめします。あおむけで寝ることで顎の力が自然と解放され、歯ぎしりや食いしばりを抑制することが可能です。

また、ストレス管理も重要といえるでしょう。十分な睡眠を取る、適度な運動をする、リラックスできる時間を作るなどの方法を取り入れてみてください。

頬杖をやめる

頬杖という行為は、ふだん意識せずに行っていることが多いでしょう。

まずは頬杖をつく癖に気づくことが大切です。頬杖をつくと、無意識に顔の筋肉に力が加わり、食いしばりにつながることがあります。頬杖の癖に気づいたら、無理にやめるのではなく、まずは頬杖を減らすことを目指しましょう。

噛み合わせを確認する

歯ぎしり・食いしばり癖の対策を行う際には、噛み合わせを確認しましょう。

正しい位置で噛み合わせができているか、無理な力を入れていないかなど、日常生活の中で自己チェックすることが大切です。問題があると気づいた場合には、歯科医へ相談しましょう。

飲酒量を控える

歯ぎしり・食いしばり癖の対策には、飲酒量を控えることも大切です。

アルコールには、気分のリラックスを促す機能があります。

しかし、過剰な摂取は睡眠の質を落とし、歯ぎしりや食いしばりを引き起こす可能性があるのです。飲酒を控え、規則正しい生活習慣を送り、睡眠環境を整えることで、癖の改善につなげましょう。

まとめ

歯科医院で笑顔の患者と医師

インビザラインは、薄いプラスチックを使用した器具です。強い衝撃を与えると破損してしまうので、極力強い力は避けなくてはいけません。そのため、インビザラインを利用した治療を受ける際には、歯ぎしり・食いしばり癖がないかどうかの確認が大切です。

歯ぎしり・食いしばりの原因は、ストレスや噛み合わせなど、さまざまです。インビザラインで矯正することにより噛み合わせは改善されますが「矯正中にいかに歯ぎしり・食いしばりをせず、インビザラインを傷めずに矯正を続けられるか」が大切です。

歯ぎしり・食いしばり癖によるインビザラインへの影響についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインでEラインを整えることはできる?抜歯の必要性も解説

2023年7月13日
美しい横顔の女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインでEラインを整えることは可能です。

ただし、インビザラインは歯の移動量が多い症例には適さないため、重度の受け口や出っ歯の場合、ワイヤー矯正との併用が必要になることがあります。

今回は、インビザラインでEラインを整えられる条件や抜歯の必要性について解説します。

Eラインとは?

スマートフォンに顎をのせて考える女性

Eラインは「エステティックライン」の略称で、1954年に歯科矯正医ロバート・リケッツにより提唱されました。横顔の美しさを判断する基準の一つで、鼻先と顎の先端を直線で結んだラインのことを指します。このライン上における上下の唇の位置により、顔の美しさが評価されます。

上唇はEラインよりも1〜2mmほど内側に、下唇はEライン上に位置している横顔が理想です。日本人は鼻が低い傾向があるため、上下の唇がともにEライン上にあることが理想とされています。

Eラインの唇の位置によって、横顔の印象が大きく変わるでしょう。

Eラインよりも唇が外側に飛び出していると横顔が猿に似ることから「モンキーフェイス」と表現されることがあります。SNS上では、口元が突出して見えることから「口ゴボ」ともよばれます。逆に、Eラインよりも唇が内側に大きく入っていると、しゃくれた印象を与えるでしょう。美しい横顔とされるEラインから大きく外れると、見た目が気になり矯正治療を検討する方も多いです。

Eラインは、横顔の美しさを評価する基準といえます。Eラインから大きく外れると、人の顔の印象は大きく左右されます。Eラインを理解し、唇が適切な位置にあるかをチェックすることが、横顔を美しくする一歩といえるでしょう。

E ラインに影響を与える歯並び

鏡を見て自分の歯並びを確認する女性

Eラインに影響を与える主な歯並びは、ライン上から上唇が突出する「出っ歯」や下唇が突出する「受け口」です。上下の唇が前方に出ている「上下顎突出(口ゴボ)」も、Eラインに影響を与える歯並びといえます。

歯並びが乱れる原因の大半は遺伝的要素ですが、舌を強く歯に押し付ける癖や指を噛む癖など、日常的な癖も影響を及ぼします。これらの癖を継続的に行うことで歯並びが乱れ、Eラインを大きく乱す可能性があるのです。

出っ歯

出っ歯は、上の歯が突き出している歯並びのことです。口元の形状や顔の全体的な印象に大きな影響を与え、特に横顔の美しさを評価するEラインに影響を与えます。

出っ歯の状態では、上の歯が飛び出しているために上唇も前方に突き出し、Eラインから外れる方が多いです。モンキーフェイスなどの印象を与え、一般的な美的観念から外れる可能性があります。

受け口

受け口(しゃくれ)とは、下の歯が上の歯よりも突き出ている歯並びです。顔の横顔のバランスや印象に大きな影響を与え、特にEラインに影響を与えます。

受け口の状態では、下の歯が突き出ているために下唇も前方に出ます。その結果、下唇が上唇よりも前に出てしまい、Eラインが理想的な直線形状を保てません。

上下顎前突

上下顎前突は、上下の歯がともに前方に突き出ている歯並びのことを指し、近年では口ゴボとも表現されます。上下顎前突の状態は、Eラインの基準を大きく乱します。

インビザラインでEラインを改善できる?

顎に手を当てて考える女性

インビザラインとは、透明なマウスピース型の矯正装置を用いた治療法です。歯並びが原因でEラインが乱れている場合は、インビザラインによる矯正でEラインを改善することができます。

ただし、インビザラインでEラインを改善できるのは、症状が軽度の場合に限ります。インビザラインは歯の移動量が多い症例には適していません。

重度の出っ歯や受け口は、インビザラインだけで改善することが難しい場合が多いです。インビザラインだけで改善できない場合は、ワイヤー矯正を併用します。初期段階をワイヤー矯正で治療し、ある程度歯並びが整ったらインビザラインに変更する方法です。

また、歯並びではなく骨格に問題がある場合、つまり顎の骨そのものが正常な位置からずれている場合は、インビザライン矯正のみでEラインを整えることは困難です。骨格に問題があるケースでは、骨切りなどの外科手術が必要になるでしょう。

Eラインの改善を目指す際は、まずは専門的な診断を受けましょう。ご自身のEラインの乱れが、歯並びによるものなのか骨格によるものなのかを明確にすることが重要です。適切な治療法を選択し、美しい横顔に改善しましょう。

インビザラインでEラインを整えるには抜歯は必要?

歯科医院で抜歯される女性

インビザラインでEラインを整える際、抜歯が必要になるケースと必要ないケースがあります。

出っ歯や受け口を改善するにあたって、歯をきれいに並べるスペースが不足している場合は抜歯が必要です。抜歯をするほどではなく、わずかにスペースが不足している場合には、IPR(ディスキング)が行われることがあります。

抜歯が必要なケース

インビザラインによる矯正治療のなかには、Eラインを整えるために抜歯が必要なケースがあります。例えば、顎が小さくて歯が並ぶスペースが不足している場合や歯が大きすぎて顎のアーチに収まらない場合が挙げられるでしょう。

歯をきれいに並べるために、まずは抜歯を行い、適切なスペースを確保してから歯を移動させることが必要です。

重度の出っ歯、受け口、八重歯や叢生などの歯のガタつき、顎に比べて歯が大きすぎる状態などは、抜歯を伴う治療が必要となる典型的なケースです。これらの症例では、抜歯を行わないときれいに歯を並べるスペースを確保できない可能性があります。

健康な歯を抜くことに抵抗がある方も多いですが、美しいEラインを実現するために抜歯が必要な場合もあるのです。抜歯が必要と判断された場合は、見た目だけでなく噛み合わせの問題も考慮して治療計画を立てる必要があります。

抜歯が必要な場合は1本だけ抜くことは少なく、左右対称的に小臼歯を抜くことが多いです。1本だけ抜くと噛み合わせのバランスが崩れ、正中が合わなくなるなどの問題が生じる可能性があるからです。

ただし、生まれつき歯の本数が少ない場合(欠損歯)は、左右のバランスを考慮しながら1本だけ抜歯することもあります。抜歯の判断は、上下左右の噛み合わせを改善するために行われ、治療計画のなかで歯科医師が慎重に判断します。

抜歯が不要なケース

インビザラインによる矯正治療でも、抜歯をせずにEラインを整えられるケースもあるでしょう。抜歯の有無は、それぞれの口腔内の状態によって歯科医師が判断します。

歯がきれいに並ぶスペースが不足しているケースでも、抜歯せずにEラインを整える方法として「IPR(ディスキング)」があります。歯と歯の間を削り、歯を並べるためのスペースを作り出す方法です。

しかし、IPRで作れるスペースには限界があるので注意しましょう。

歯は、エナメル質、象牙質、歯髄(神経)の3層から成ります。IPRではエナメル質を削りますが、過度に削ると象牙質が露出したりダメージを受けたりする可能性があります。象牙質が刺激を受けると、歯がしみる、痛みが生じるなど、知覚過敏の症状が出ることがあるのです。そのため、歯の健康を保てる範囲内でしかディスキングは行えません。

具体的には、一面0.1〜0.25mmほど削ります。両面削ることで、最大0.5mmのすき間を作ることが可能です。

まとめ

頬に手を当てて遠くを見る女性

インビザラインでEラインを整えることは可能です。

しかし、重度の出っ歯や受け口の場合はインビザラインだけで矯正することが難しく、ワイヤー矯正を併用することがあります。また、歯並びではなく骨格に問題がある場合は、インビザラインなどの矯正治療では改善できません。骨の形を変える必要があるため、外科手術が必要になるでしょう。

インビザラインでEラインを整える際に「顎が小さい」「歯が大きい」などの理由でスペースが不足している場合は、抜歯が必要になることもあります。健康な歯を抜くことに抵抗を感じる方も多いでしょう。

しかし、スペースが不足しているにもかかわらず無理に歯を並べようとすると、かえって歯並びや噛み合わせが悪くなることがあります。抜歯の有無は慎重に判断しなければなりません。

IPR(ディスキング)で対応できることもあります。IPRなら神経に影響のない範囲で歯を削るため、過度な心配は必要ないでしょう。

インビザラインは適応症例が限られています。Eラインの改善でインビザラインを検討している場合は、まずは歯科医師に相談しましょう。メリットやデメリットをしっかりと理解して治療法を検討することが大切です。

Eラインについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインで開咬(オープンバイト)は治せる?費用も解説!

2023年6月25日
インビザラインを持って親指を立てる女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインで開咬(オープンバイト)は治せます。インビザラインは、歯を歯茎に押す動きや歯を傾斜させる動きが得意です。そのため、奥歯の高さを低くし、前歯を後方に移動させることで開咬を治せる確率が高まります。

今回は、インビザラインで開咬を治す方法や費用について解説します。

開咬(オープンバイト)とは

オープンバイトの男性

開咬(オープンバイト)とは、奥歯は噛んでいても上下の前歯がお互いに接触せず、隙間ができる噛み合わせ異常のことです。噛む、話す、笑うといった基本的な口元の動きに影響を及ぼす可能性があります。

開咬の原因は、顔の骨の成長パターン、遺伝、または子ども時代の習慣などさまざまです。特に、子どものころの習慣は顎や歯の成長を妨げ、適切な噛み合わせができなくなることがあります。

開咬を改善するためには、歯科矯正や顎の手術などが必要です。

開咬の原因

疑問をもつナース

開咬の原因は、遺伝による先天的な原因と、子どものころの癖や習慣による後天的な原因が挙げられます。

遺伝によるもの

開咬は、遺伝的要因によって発生する場合があります。生まれつき、顎の骨の形状が正常な噛み合わせと異なる形態になっている場合、開咬になる可能性があるのです。

一般的に、開咬は骨格の問題と関連しています。下顎角(エラの角度)が大きく開いている場合、あるいは後方に回転している場合、または上顎が通常よりも上方に位置している場合は、開咬を引き起こしやすいです。

さらに、成長過程での問題も開咬の発生に関係しています。たとえば、幼少期の成長過程で下顎骨の成長する方向が適切でなかったり下顎骨の成長が不十分だったりすると、開咬を引き起こす可能性があります。

指しゃぶり

長期にわたる指しゃぶりは、開咬の発生リスクを増大させることがあります。指しゃぶりにより指が上顎の歯の裏側に押し当てられ、持続的な圧力が加わるためです。この圧力は歯並びに影響を及ぼし、開咬を引き起こす可能性があります。

3〜4歳までの指しゃぶりは、一般的に幼児期の自然な行為とされ、ほとんどのケースでは問題にはなりません。

しかし、この行為を放置し続けると、指を吸う力により上顎の歯列が前方や上方に押し出される可能性があります。指しゃぶりによる歯列への圧力は、上顎と下顎の噛み合わせにズレを生じさせ、結果として開咬につながることがあります。

口呼吸

鼻炎、扁桃肥大、咽頭扁桃(アデノイド)肥大など、鼻呼吸が困難になる状況が続き、持続的に口呼吸になっている場合、開咬のリスクを高める可能性があります。口呼吸は、舌の位置が下がり(低位舌)、舌先が下の前歯に頻繁に接触する状態になります。

舌の先端は、上の前歯に接触している状態が正常です。舌が下顎に落ちている場合、食べ物を飲み込む際、舌が下の前歯を押しやすくなります。この前歯を押す圧力が歯並びに影響を及ぼし、開咬の発生リスクを増大させるのです。

口呼吸になっている場合は、鼻呼吸を意識する必要があります。鼻炎などで鼻呼吸ができない場合は、早めに治療を受けることが大切です。

舌の癖

舌の癖によって開咬になる場合もあります。たとえば、日常的に舌で前歯を押し出す癖や上下の歯の間に舌を挟む癖が挙げられるでしょう。

これらの舌の癖が原因で生じる圧力が、長時間にわたり歯にかかると、歯が前方に倒れやすくなります。前歯が前方に倒れると上下の前歯に隙間ができやすく、開咬になる可能性があります。

舌の癖は、早期に改善しなければ、開咬だけでなく出っ歯やすきっ歯など、さまざまな歯列異常や噛み合わせ異常を引き起こすため注意が必要です。

開咬を放置してしまうと

絶望し頭を抱える女性

開咬を放置すると機能面で問題が発生し、口内だけでなく、胃腸など全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

虫歯や歯周病になりやすい

開咬は口を閉じることができないため、口内の乾燥を引き起こします。口内の乾燥は、細菌が増殖しやすくなるため、虫歯や歯周病になるリスクが高まるのです。

口内が乾燥する原因には、唾液量の減少が関係しています。唾液の分泌は、口内の健康を保つために非常に重要です。唾液は口内を清潔に保ち、細菌の繁殖を防ぐ役割があるため、唾液の量が減少するとさまざまな問題を引き起こします。乾燥によって細菌が増えると、虫歯や歯周病だけでなく、口臭を引き起こす可能性も高まります。

発音に影響する

開咬は放置すると、滑舌や発音に影響を及ぼす可能性があります。開咬では上下の前歯が接触しないため隙間が生じるのです。話すときに隙間から息が漏れることがあり、はっきりと発音できなくなることがあります。

さらに、上下の歯の隙間が大きいと、舌が前方へ滑り出しやすい状態になります。結果、舌足らずな話し方を引き起こすことがあり、コミュニケーションに支障をきたすこともあるでしょう。

顎関節症になりやすい

開咬が放置されると、顎関節症のリスクが高まる可能性があります。開咬は、一部の歯だけで食べ物を噛んでしまうため不適切な噛み合わせが生じ、顎関節に過度な負担をかけるからです。

顎関節症は顎の関節部分の異常を指し、これによってさまざまな問題が引き起こされます。たとえば、口を大きく開けるのが困難になったり、噛むときに痛みを感じたり、顎から異音がするなどです。また、体調不良やストレスなどの不定愁訴も引き起こすことがあります。これらは日常生活に大きな影響を及ぼし、生活の質を著しく下げる可能性があります。

歯の寿命が短くなる

開咬を放置することで、歯の寿命を縮めるリスクが高まる場合があります。開咬の場合、前歯が接触しないため、食事の際は特定の歯のみで噛むことになります。通常、全体の歯に圧力が分散されるのに対して、開咬は特定の歯に異常な負担がかかるからです。

一部の歯に集中して負担がかかるため、ほかの歯と比べて割れたり欠けたりすることが多くなるなど、消耗が早くなります。結果、早期に歯を失う原因にもなるでしょう。

胃腸に負担がかかりやすい

開咬などの噛み合わせの異常は、胃腸の健康にも影響を及ぼす可能性があります。開咬により前歯がきちんと噛み合わないため、食べ物を適切に噛み砕くことが困難になります。十分にすりつぶさないまま飲み込むことで、食べ物の大きな塊が直接胃や腸に送られることになり、消化の過程で過度な負担をかけることになるのです。

食物の消化や吸収に時間がかかるようになり、胃や腸が長時間にわたって働き続けることになり、胃腸障害を引き起こす可能性が高まります。

インビザラインで開咬は治せる?

インビザラインを装着する女性

インビザラインで開咬は治せます。

インビザラインが効果的な理由の一つに「圧下」という技術を使用できることが挙げられます。

「圧下」は、歯を歯茎側に沈ませる動きのことで、ワイヤー矯正では困難な矯正方法です。インビザラインは、常に噛み合わせの面を覆うマウスピースを使用します。このマウスピースの厚みにより、歯に圧力をかけて「圧下」を実現するのです。

さらに、インビザラインは前歯を後方に移動させる動きにも優れています。開咬では前歯が開いている状態ですが、インビザラインを使うことにより、前歯をスムーズに舌側に引き込むことが可能になります。

インビザラインによる開咬の治療法

モニターを使って患者に説明する医師

インビザラインによる開咬の治療法は、前歯を後方に傾斜させる方法と、奥歯の高さを低くする「圧下」の2種類の動きを利用して矯正する方法があります。

インビザラインは、開咬の治療において前歯の位置を調整することで効果を発揮します。

開咬の患者さまは、前歯が前方へ倒れてしまっているケースが多く見られます。そのため、治療の主な目標は前歯を内側に傾斜させることです。この動きを通じて前歯の位置が改善され、噛み合わせが改善されるのです。これにより、噛み合っていなかった前歯が噛み合うようになり、開咬の症状を改善することが可能です。

また、圧下で奥歯の高さを低くすることで、前歯の接触を実現します。

しかし、圧下は顎関節に過度な負荷をかけ、顎関節症のリスクを高める可能性があります。顎関節症の発症を避けるためには、前歯の位置調整が重要です。

インビザラインで開咬を治すためにかかる費用

お金と聴診器と電卓

インビザライン治療は自費診療のため、費用は歯科医院によって異なります。一般的にインビザラインで開咬を治す場合、治療費は70〜100万円程度が相場です。

しかし、患者さんの口腔内の状態によっては、さらに治療費用が増えることがあります。

たとえば、舌の癖などがある場合、インビザラインの治療と並行して筋機能療法も必要になることがあります。筋機能療法は、舌や口唇などの筋肉の動きを改善することで、悪い噛み合わせを修正する治療法です。筋機能療法が必要な場合、治療期間は長くなり、それに伴って費用も増加する可能性があります。

舌の癖を治さなければ、矯正して改善した噛み合わせが時間とともに元に戻ってしまう可能性が高いでしょう。そのため、全体的な治療費は、患者さんの口腔内の状態や必要な治療方法によって変わります。

まとめ

親指を立て合う患者と医師たち

インビザラインで開咬は治せます。インビザラインは、歯を歯茎に押し込む動きや歯を傾斜させる動きが可能です。開咬の場合、奥歯の高さを低くし、上の前歯を後方に動かすことで、上下前歯の隙間を改善します。

しかし、重度の開咬の場合、インビザラインだけでは矯正が難しいこともあり、ワイヤー矯正との併用が必要です。また、骨格に問題がある場合は矯正装置だけでは改善が困難なため、外科手術が必要になる可能性があります。

開咬(オープンバイト)についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインの装着時間が20時間以下だとどうなる?

2023年6月4日
インビザラインを装着する女性の口元

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインは、マウスピースを1日20~22時間以上装着することを前提に治療計画を立てています。そのため、マウスピースの装着時間が20時間以下の場合、うまく治療が進まず、理想の歯並びにならないかもしれません。

今回は、インビザラインの装着時間が20時間以下の場合に起こる悪影響について解説します。インビザラインの装着時間を守る方法もあわせてご紹介しますので、インビザライン治療中の方やインビザライン治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは

インビザラインを手に持って空に掲げる

インビザラインとは、透明のマウスピースを装着することで歯並びを整える治療法です。

ワイヤー矯正は、歯に装着したブラケットにワイヤーを通して力を加えることで歯を動かす治療法ですが、インビザラインは薄くて透明なマウスピースを何枚も交換して徐々に歯を動かします。そのため、違和感や痛みが少なく、矯正治療中でも目立つことはありません。自分の好きなタイミングで取り外せるので、治療中でも食事や歯磨きがふだんどおり行えることもメリットです。

適切な装着時間

マウスピースを手に持ってもう一つのマウスピースをはめる女性

インビザラインは、マウスピースを1日20~22時間以上装着し、1~2週間ごとに患者様自身でマウスピースを交換して治療を進める矯正治療です。そのため、食事や歯磨きが終わったら、すぐにマウスピースを装着しなければいけません。

しかし、外食などで装着時間が20時間以下になることもあるでしょう。ふだん装着時間を守っているなら、たまに装着時間が短い日があっても問題ない場合が多いです。マウスピースの装着時間が20時間以下の日が続いたり、1日マウスピースを装着し忘れたりすると、治療が計画どおりに進められなくなるかもしれません。

インビザライン治療を計画どおりに進めるには、マウスピースの装着時間を守り、適切なタイミングでマウスピースを交換することが重要です。

装着時間が20時間以下の場合に起こる悪影響

モヤモヤを浮かべて悩む女性

マウスピースの装着時間が20時間以下の日が続くことで起こる悪影響は、以下の4つです。

治療期間が延びる

インビザラインは、マウスピースを1日20~22時間以上装着することを前提に、治療計画を立てています。装着時間が短い日が続くと、計画どおりに歯が動かず、治療期間が長引く可能性があります。

治療がうまく進まないことで「お金をかけたのに思っていた歯並びにならなかった」など、インビザライン治療を受けたことを後悔するかもしれません。

インビザラインは、患者様ご自身で進めていく矯正治療なので、患者様の努力が必要不可欠です。理想の歯並びを手にいれるために、マウスピースの装着時間を守りましょう。

噛み合わせが悪くなる

マウスピースの装着時間が短いことで、うまく歯が動かず、噛み合わせが悪くなることがあります。インビザライン治療で一時的に噛み合わせが悪くなっても、マウスピースの装着時間を守り、適切な時期に交換をしていれば噛み合わせもよくなるはずです。

インビザライン治療中は、マウスピースの装着時間が20時間以下にならないように注意しましょう。

歯が後戻りする

後戻りとは、インビザライン治療によって動いた歯が、もとの位置に戻ってしまうことです。マウスピースの装着時間が短いほど、歯が後戻りしやすくなります。

マウスピースをつけ忘れた日がある場合や、極端にマウスピースの装着時間が短い場合は、治療前の歯並びに戻ることもあるため注意が必要です。

歯根が露出する

マウスピースの装着時間が短いにも関わらず、交換時期だからといって新しいマウスピースを装着すると、強い力がかかりすぎて歯茎が下がることがあります。

インビザラインは、もとの歯並びから少しずらしてマウスピースを作成し、ずれによって歯に圧力をかけることで歯を動かします。圧力によって歯の周りの歯根膜が引っ張られ、歯の周りの骨が溶け始めるのです。徐々に骨が溶けてできたすき間に歯が移動することで歯並びを整えるのがインビザライン矯正です。

マウスピースの装着時間を守らず、歯があまり動いていない状態で次のマウスピースを装着すると、歯にかかる圧力が強すぎることで、歯が痛くなったり歯の根っこが露出したりするなどのトラブルが起きる可能性があります。

装着時間を守るための方法

123と書かれた積み木を並べる

インビザラインのマウスピースを1日20~22時間以上装着しなければいけないとわかっていても、難しい場合もあるでしょう。

マウスピースの装着時間を守る方法を3つご紹介します。

食事の時間を決める

インビザラインは、食事や歯磨き以外のほとんどの時間、マウスピースを装着していなければいけません。毎日決まった時間に食事と歯磨きを行い、すぐにマウスピースをつけると装着忘れを防ぐことができるでしょう。

また、仕事や学校など家を出るまでに時間の余裕がないと、マウスピースをつけ忘れて出かけてしまうかもしれません。ふだんから早寝早起きをするなど、規則正しい生活を心がけることで、マウスピースの装着忘れを防止できるだけでなく、健康的な生活が送れるでしょう。

リマインダー機能を活用する

リマインダーとは、予定の時間を知らせる、スケジュールを管理するなどができる機能です。例えば、食事の際などにマウスピースを外したときは、リマインダーを設定しておくことでマウスピースの装着忘れを防げるでしょう。

インビザラインの装着時間を管理したり、交換時期を知らせてくれたりする便利なアプリもあります。マウスピースの装着を忘れることが多い方やマウスピースの装着時間が20時間以下になることが多い方は、リマインダー機能やアプリを活用しましょう。

1つ前のマウスピースを保管しておく

マウスピースを外出先で失くす、破損するなどのトラブルは珍しいことではありません。マウスピースが破損・紛失した場合、作り直しに時間がかかって治療が長引くだけでなく、追加の費用がかかる場合もあります。

外出する際は、1つ前に使っていたマウスピースを携帯するとよいでしょう。万が一マウスピースを失くした場合でも、1つ前のマウスピースを装着することで、歯が後戻りするのを防げます。

また、マウスピースを外したあとにティッシュなどで包むと、破損や紛失の原因になります。マウスピースを外したときは、マウスピースケースにいれて保管しましょう。

まとめ

マウスピースを両手で持つ長髪の女性

インビザラインは、透明なマウスピースを使用するため、目立つことなく矯正治療を行えます。また、自分の好きなタイミングで取り外しができることも大きなメリットです。

しかし、マウスピースの装着時間が短いと、計画どおりに治療が進まず、理想の歯並びにならない、歯が後戻りするなどのトラブルが起きるかもしれません。

マウスピースの装着時間は、1日20~22時間以上が推奨されています。装着時間を守るには、決まった時間に食事をし、食後はすぐに歯を磨いてマウスピースを装着するように注意しましょう。スマートフォンのリマインダー機能や便利なアプリを活用するのもよいでしょう。インビザラインは、患者様ご自身で進めていく矯正治療なので、患者様の努力が必要不可欠といえます。

理想の歯並びを手にいれるために、できるかぎりマウスピースの装着時間が20時間以下にならないように努めましょう。

インビザラインについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザライン治療を行うと痩せる?その理由とそのほかのメリット

2023年5月7日
絨毯の上にある2つのマウスピース

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザライン治療は、歯並びを矯正するための治療として知られていますが、インビザライン治療を行うと痩せるという話があるのはご存じでしょうか。

今回は、インビザライン治療を行うと痩せる理由や、インビザライン治療のメリットについて解説します。

インビザライン治療を行うと痩せる?

頭に?を浮かべて悩む女性

結論から述べると、インビザライン治療で痩せることはあります。

しかし、インビザライン治療は、あくまで歯並びを改善する治療であり、痩せるための治療ではないことを認識しましょう。

体重の増減は、日頃の摂取カロリーと消費カロリーの差によって決まります。後述しますが、インビザライン治療中は、間食などが減少し、摂取カロリーが少なくなるため痩せることが多いです。矯正治療中、摂取カロリーに変化がなければ、痩せることはありませんので注意しましょう。

インビザライン治療を行うと痩せる理由

鏡の前でお腹周りを気にする女性

インビザライン治療を行うと痩せるのは、なぜでしょうか。

以下、詳しくご説明します。

間食が減る

インビザライン治療では、取り外しのできる透明なマウスピースを使用します。マウスピースは、1日に20〜22時間以上装着しないといけません。

しかし、装着した状態で飲食をすると、マウスピースが割れることがあるので、食事の際は外す必要があります。飲食のたびにマウスピースの着脱をすることや、食後の歯磨きが手間に感じ、間食が減って痩せることがあるでしょう。

ジュースなどの飲み物を飲む機会が減る

インビザライン治療中に、オレンジジュースやコーラなどの色の付いた物を飲むと、マウスピースが着色することがあります。そのため、マウスピースを装着しているときは、水を飲むことが基本です。

このような理由から、糖分が入ったジュースなどを飲む機会が減り、痩せることがあるといえるでしょう。

矯正の痛みで食欲が減る

インビザライン治療では、歯を動かしたい方向に力をかけることで歯を動かします。個人差がありますが、歯に力を加える際に痛みを感じることがあります。

この痛みの影響で食欲が減り、痩せる方もいるでしょう。

満腹中枢が刺激される

脳には、満腹感を認識する満腹中枢が存在します。この満腹中枢が刺激されると、空腹感がなくなり食べ過ぎを防ぐことができるのです。

インビザライン治療により歯並びがきれいになると、噛み合わせが改善します。食事の際によく噛めるようになるため、満腹中枢が刺激され過食を防ぐことができるといえるでしょう。

食事の時間が長くなる

インビザライン治療では、歯の表面に「アタッチメント」とよばれる小さな突起を付けることがあります。

アタッチメントは、専用の接着剤を用いて接着しているため、強くものを噛むと取れてしまう場合があります。そのため、食事のときは、ゆっくりと時間をかけて噛まなければなりません。食事に時間をかけることで、満腹中枢が刺激され、食事の量が減ることがあるでしょう。

インビザライン治療には小顔効果も?

喉元を気にする女性

インビザライン治療は、あくまで歯並びを改善する治療のため、必ずしも小顔になるわけではありません。

しかし、噛み合わせを改善することで、お顔の筋肉への負担が軽減され、フェイスラインが改善されて顔のバランスが整うことがあります。

インビザライン治療で小顔効果が期待できるケース

基本的にインビザライン治療のみでは、小顔効果は期待できません。

しかし、もとの歯並びの状態によっては、矯正治療での小顔効果が望めます。

以下、インビザライン治療で小顔効果が期待できるケースについてまとめました。

Eラインが改善できる場合

Eラインとは、顔を横から見たときに鼻先から下顎の先を直線で結んだ線のことをいい、この線の内側に唇があると、横顔が美しく見えるといわれています。

インビザライン治療によりEラインが改善される場合は、顔の印象が変化し、小顔に見える場合があるでしょう。Eラインが改善される症例としては、上の前歯が前方に出ている出っ歯、下の前歯が前方に出ている受け口があげられます。

なお、骨格が原因で前歯が前方に出ている場合は、インビザライン治療で改善することはできません。

噛み合わせが原因でエラが張っている場合

エラが張る原因は、主に2つあります。ひとつは、骨格的にエラが張っている場合です。もうひとつは、咬筋(こうきん)とよばれる、噛むときに働く筋肉が発達することで、エラが張っているように見える場合です。後者の場合は、インビザライン治療により、小顔効果が期待できます。

噛み合わせの状態がよくないと咬筋に負荷がかかり、咬筋が発達します。インビザライン治療により、噛み合わせがよくなると、噛む際に咬筋に過度な負荷はかかりません。そのため、発達していた咬筋が本来あるべき状態に戻り、エラの張りが改善することがあります。

ほかの矯正治療とここが違う!インビザライン治療の特徴

マウスピースをはめる女性

インビザライン治療が口元やフェイスラインにどのような影響を与えるのかご説明しました。

では、インビザライン治療は、ワイヤー矯正などと比べてどのような特徴があるのでしょうか。以下、インビザライン治療の特徴についてまとめました。

矯正器具の取り外しができる

ワイヤー矯正では、歯の表面に小さい金属を取り付け、そこに矯正用のワイヤーを装着します。

一方、インビザライン治療では、マウスピースを装着することで矯正治療を行います。マウスピースは自由に取り外しができるので、食事や歯磨きは矯正治療を開始する前と同じように行えることが特徴です。

矯正の痛みが比較的少ない

矯正治療では、歯を動かすために力を加える必要があります。

インビザライン治療では、ワイヤー矯正に比べて弱い力で歯を動かすため、矯正の痛みが少ないことが特徴です。

矯正していることが目立たない

インビザライン治療では、透明なマウスピースを使用します。そのため、矯正器具が目立ちません。

また、自由に取り外しができるので、人前で話すときはマウスピースを外すことができます。

痩せるだけじゃない!インビザライン治療のメリット

歯を見せて笑う女性

インビザライン治療には、痩せる以外にもメリットがあります。

以下、インビザライン治療のメリットをまとめました。

虫歯や歯周病を予防できる

歯並びが悪いと、歯と歯のすき間や歯と歯肉の境目に歯ブラシをうまく当てることが難しいです。磨き残しが増え、虫歯や歯周病の原因になってしまいます。

インビザライン治療で歯並びを改善することで、細かいところまで歯ブラシを当てることができるようになります。結果的に、虫歯や歯周病を予防できるのことは、大きなメリットといえるでしょう。

コンプレックスを解消できる

歯並びがよくないと口元が気になり、人前で話をすることに抵抗を感じる方もいるでしょう。歯並びを改善することで、口元を気にせず話したり、口を大きくあけて笑うことができます。

滑舌を改善できる

歯と歯にすき間があると、サ行やタ行の滑舌が悪くなることがあります。

インビザライン治療により歯と歯の間のすき間を改善することで、滑舌を改善することができます。

よく噛めるようになる

奥歯の歯並びが悪いと、ものをうまく噛めません。奥歯の歯並びを改善することで、噛み合わせも改善され、よく噛めるようになるでしょう。また、噛み合わせが悪いと、顎の関節に負荷がかかり、顎関節症になる可能性があります。

噛み合わせを改善することで、顎関節への負担を軽減することができます。

まとめ

歯の模型を持って説明する女性医師

今回は、インビザライン治療を行うと痩せるのかという疑問について解説しました。

インビザライン治療自体には、ダイエット効果はありません。

しかし、マウスピースの装着に伴い、食事回数などが減ると痩せる場合があります。また、出っ歯や受け口、咬筋が発達している場合に限れば、小顔効果が期待できることがあります。インビザラインはメリットの多い矯正治療です。歯並びが気になる方は、検討するとよいでしょう。

インビザラインについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインのアタッチメントはいつまで付ける?タイミングと装着期間を解説

2023年4月5日
マウスピースを入れようとしている女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯列矯正において、近年ではマウスピースを用いた方法が主流となりつつありますが、マウスピース矯正にはさまざまなブランドがあり、その中でもインビザラインは多くの臨床実績をもちます。

今回は、インビザライン矯正におけるアタッチメント装着の役割や装着期間について詳しく解説します。

インビザラインのアタッチメントとは

マウスピースを手に持っている

インビザラインは、自身の口内データに基づいて透明のマウスピースが製作され、ほぼ一日中装着することで歯並びを改善できます。ワイヤー矯正との違いは、マウスピースが透明なので装着していても目立ちにくい、場面に応じて外すこともできる、通院回数が少なくて済むなどのメリットがあります。

インビザラインは、大きく分けて以下の3つの種類があります。

・さまざまな歯並びに対応する「インビザライン」

・前歯のみ矯正可能な「インビザラインGo」

・6歳から始められるこども用矯正「インビザラインファースト」

矯正治療の期間中に、アタッチメントとよばれるプラスチック器具を歯に装着することがあります。アタッチメントの装着は、主に矯正治療を早く終わらせるために行われます。

そもそもマウスピース矯正では、全体の歯にある程度均等に力が加わるため、大きく動かしたい歯へ重点的に力をかけることが難しいとされているのです。そのため、矯正治療の期間は長くなりがちですが、特に力をかけたい歯にアタッチメントを装着すれば、マウスピースとの密着性が高まり、その歯を大きく移動させることができます。

なお、アタッチメントは、歯に近い色味で小さく、目立ちにくい設計がされています。アタッチメントにおいても、マウスピース矯正のメリットをなくさない仕様といえるでしょう。

インビザラインのアタッチメントの種類

マウスピースを手に持っている

インビザラインのアタッチメントには、どのような種類があるのでしょうか。

インビザラインのアタッチメントには、大きく分けて通常アタッチメントと最適アタッチメントの2種類があります。

通常アタッチメントは、医師が必要性に応じて、位置、数、形を決めて装着するものです。

最適アタッチメントは、専用のソフトウェアを用いた治療シミュレーションによって計画され、ご自身に適したアタッチメントを装着します。最適アタッチメントには複数の種類があります。以下にまとめてみました。

<最適アタッチメントの種類>

オープンバイト用最適アタッチメント上の前歯4本に適用されるアタッチメントです。オープンバイト=開口であり、奥歯を噛み合わせた際に前歯が閉じずに、すき間ができる状態を改善する効果があります。
ディープバイト用最適アタッチメント下の前歯4本に適用されるアタッチメントです。ディープバイト=過蓋咬合(かがいこうごう)といい、噛み合わせが深い不正咬合状態を改善する効果があります。
ルートコントロール用最適アタッチメント歯のすき間があるところなどに適用されるアタッチメントです。ルート=根であり、歯根を動かすために設置されます。
回転用最適アタッチメントねじれている犬歯や小臼歯などに適用されるアタッチメントです。歯を回転させて、正しい向きに揃えます。
アンカレッジ用最適アタッチメント第一小臼歯(犬歯の隣の奥歯)に適用されるアタッチメントです。顎が小さく歯を動かすスペースがない場合、抜歯してスペースを作ります。できたスペースへ歯を動かす際に効果があります。

上記のように、最適アタッチメントは5種類あります。ソフトウェアによるシミュレーション後、医師の確認が済めば、アタッチメントが製作されて装着されます。

インビザラインのアタッチメントを付けるタイミング

時計を持ちポイントを指さしている男性

矯正治療前の歯並びによって、使われるアタッチメントも異なることがお分かりいただけたかと思います。では、インビザラインのアタッチメントはどのタイミングで装着されるのでしょうか。

具体的なタイミングは歯科医院によって異なりますが、だいたいマウスピース矯正開始1か月後から装着することが多いでしょう。矯正開始から期間があく理由は、マウスピースの装着感に慣れてもらうためです。

アタッチメントの装着を開始したら、歯の動きに合わせて通院時に脱着が繰り返されます。

インビザラインのアタッチメントはいつまで付けるのか

WHEN(いつ)をあらわす看板

矯正治療開始1か月後あたりからアタッチメントが装着されることが多いといわれていますが、外れるタイミングはいつなのでしょうか。

インビザラインのアタッチメントは、治療の進み具合によって装着する場所や数は変わりますが、基本的に矯正治療が完了するまで装着されます。ご自身で外すことはできないため、治療中は歯に装着されている状態です。

インビザラインはアタッチメントなしでは治療できない?

不思議そうに首をかしげる女性

インビザラインによるマウスピース矯正において、アタッチメント装着なしでの治療は不可能ではありません。

多くのケースでアタッチメントを装着している理由は、歯の移動をコントロールして、治療期間を短縮させるためにあります。

アタッチメントを装着しない場合、歯が期待どおりの動きをしない可能性が増えますが、どうしてもアタッチメントの装着を望まないのであれば、治療前に医師に相談して、治療計画に反映してもらいましょう。

アタッチメントに関するよくある質問

FAQのイメージ図

インビザラインによる矯正治療におけるアタッチメント装着について説明しました。

ここからは、アタッチメントに関するよくある質問を、4つご紹介します。

アタッチメントが外れてしまったら

アタッチメントが外れてしまった場合は、通っている歯科医院へ相談して、再装着してもらいましょう。アタッチメントが外れてもすぐに支障が出るわけではありませんが、時間が経ってしまうと歯が動きにくい期間も延びることになります。早めに歯科医院に相談しましょう。

アタッチメントは痛いのか

アタッチメント装着は、歯とマウスピースの密着度があがり、歯に大きな力がかかるため、痛みが増える方が多いようです。日が経つにつれて痛みに慣れますが、装着後数日は痛みが強く出ることもあるため、我慢できない場合は痛み止めを処方してもらいましょう。

アタッチメントは目立つのか

アタッチメントは、歯に近い色味のため目立ちにくいとされます。

ただし、コーヒーなどの飲料物により着色してしまうことがあるため、着色しやすい食べ物、飲み物や生活習慣について事前に把握しておきましょう。

アタッチメント装着時にホワイトニングは可能か

アタッチメント装着時にホワイトニング治療を行うことは可能です。

ただし、装着部のみ色ムラができてしまう可能性があるため、矯正治療の前後でホワイトニングすることをおすすめします。

まとめ

ポイントを指さしている女性

この記事では、インビザラインアタッチメントの概要、種類、脱着期間、よくある質問などについて説明しました。インビザラインアタッチメントには5種類あり、それぞれ特徴が異なるため、事前にご自身がつけるアタッチメントについて把握しておくことが大切です。

インビザラインのアタッチメントについてご相談がある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

歯の動きをシミュレーション!インビザラインのクリンチェックについて解説!

2023年3月18日
歯科医師から矯正の説明を聞く女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザライン矯正では、クリンチェックというシミュレーションソフトを使用します。クリンチェックを使えば、治療開始から終了後の歯並びが、どのように改善するか目で見て確認可能です。

今回は、インビザラインにおけるシミュレーションの重要性や、クリンチェックでシミュレーションできる内容を解説します。歯科医師と患者様が、シミュレーションで理想とする歯並びのイメージを共有できるので、安心して治療が始められるのはインビザラインの特徴です。シミュレーションに興味がある方やインビザラインを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

インビザラインにおけるシミュレーションとは?

歯科の診察室

インビザライン矯正では、治療開始前にクリンチェックというシミュレーションソフトを使用します。シミュレーションすることで、治療開始から終了まで歯並びがどのように改善していくか確認できます。

一般的なワイヤー矯正では、治療終了後の歯並びがどのように変化するのか、確認できません。

その点、インビザライン治療なら、どのように変化していくのかイメージがつかみやすいので、治療の流れに納得して始められるでしょう。さらに、目で見て確認できることで、患者様が細かな要望を伝えることも可能です。

クリンチェックは、歯科医師と患者様がシミュレーションで、理想とする歯並びのイメージを共有できるのが最大のメリットといえます。

インビザラインのクリンチェックでは何をシミュレーションできる?

歯科の診察室

クリンチェックの大きな役割は、治療計画を立てることです。

ここでは、クリンチェックでシミュレーションできる内容を6つ解説します。

歯並び

治療開始前にどのような歯並びになるのかシミュレーションできることが、クリンチェックの最大のメリットです。

抜歯して治療を受けた場合と抜歯せずに治療を受けた場合の比較もシミュレーションできます。どんなふうに歯並びがきれいになるのかシミュレーションできるので、安心して治療が受けられるでしょう。

また、患者様の理想とする歯並びを目で見て確認できることで、矯正治療に対するモチベーションアップにもつながります。

噛み合わせ

インビザラインのクリンチェックによって、治療後の噛み合わせがどのように変化するのか確認できます。シミュレーションにより、噛んだときにどこに当たっているか、当たっていないか表示できます。

矯正治療によって歯並びがいくらきれいになっても、うまく噛めないようでは治療成功とはいえません。噛み合わせが悪いと歯に負担がかかるだけでなく、顎関節や頭痛、肩こりなど体に影響がでる原因になります。

矯正治療において、歯並びだけでなく噛み合わせの改善はとても重要といえるでしょう。

治療期間

インビザラインのクリンチェックによって、必要なマウスピースの枚数が確認できます。マウスピースの枚数を確認できることで、治療期間がどれくらいかかるのかの目安もわかります。

また、何枚目のマウスピースでどの程度歯が動くかなど、治療の過程もシミュレーション可能です。

IPRの要否

IPRとは、歯を並べるスペースがない場合に、歯と歯の間を削る治療のことです。

インビザラインのクリンチェックによって、どの歯をどの程度削るのか、シミュレーションで確認できます。

アタッチメントをつける位置

アタッチメントとは、マウスピースを歯にしっかりと固定し、より強い力で動かしたいときに、歯の表面につける突起物です。

インビザラインのクリンチェックによって、どの歯にどれくらいの数をつけるのか、確認できます。

顎間ゴムをかける位置

顎間ゴムとは、歯の噛み合わせを整えるための上下のマウスピースにかける矯正用のゴムです。マウスピースに顎間ゴムがかけられない場合には、歯にボタンを直接つけ、そこにゴムをかけることもあります。

インビザラインのクリンチェックによって、顎間ゴムをかける位置やボタンの位置をシミュレーションできます。

治療中にも活用されるクリンチェック!

マウスピースを装着する女性

インビザラインのクリンチェックは、シミュレーションによる治療計画の立案だけでなく、治療計画の修正も可能です。

インビザライン矯正は、取り外しできるマウスピースを使用するので、治療の進み具合は患者様によって異なります。また、顎の骨の状態や歯を動かす量によっては、治療計画通りに進まないこともあります。

矯正治療中にクリンチェックでシミュレーションすることによって、計画通りに治療がうまく進んでいるか確認可能です。計画通りに進んでいないようであれば、その都度計画を修正しなければいけません。また、歯がどのように動いているのか途中経過も確認できます。

治療中にクリンチェックを使用することで、細かい患者様からの要望を取り入れられるのもメリットの一つです。

クリンチェックの流れ

歯のレントゲン写真

インビザライン矯正のクリンチェックの流れは、以下のとおりです。

カウンセリング

まず行うのが、患者様のカウンセリングです。
患者様の歯並びに関するお悩みを聞き、治療したい箇所を確認します。そのうえで、患者様にとっての最適な治療法を歯科医師と一緒に考えていきます。

検査

インビザラインの治療を始める前に、お口の中の状態を確認します。虫歯や歯周病などがあれば、インビザライン矯正を始める前に、処置しなければいけません。

そのあと、クリンチェックに必要なレントゲン撮影・口腔内写真の撮影・マウスピース用の型取りを行います。レントゲン撮影では、虫歯や歯周病になっていないか、親知らずが生えていないかなどを確認します。

口腔内写真は、噛み合わせた状態での正面と左右、お口を開けた状態での上顎の歯列、下顎の歯列の5枚法で撮影することが一般的です。口腔内写真は、治療開始前・治療中・治療終了後に撮影します。噛み合わせや歯並びの状態、歯茎の状態、歯の移動状態などが確認できる大事な検査です。

マウスピース用の型取りは、シリコン印象(シリコンを口の中に入れて型をとる従来の方法)もありますが、一般的には光学印象(口腔内カメラでスキャンして歯型をとる方法)で行います。

詰め物の作成時など、虫歯治療でよく行う従来の方法で型をとるのが苦手な方がいらっしゃるでしょう。光学印象は、従来の型取りよりも気持ち悪さを感じることが少ないので、患者様の負担が少ないのがメリットです。また、従来の型取りよりも誤差が少なく、精密に型取りできるといわれています。

クリンチェック

検査でそろえた情報をもとに、クリンチェックを使って治療計画を立案します。治療開始前に患者様とシミュレーションを確認し、理想の歯並び、噛み合わせ、治療期間など、治療計画に納得できればマウスピースの作成にとりかかります。

マウスピース完成

マウスピースができ上がるのは、発注してから3~4週間です。

矯正治療中は、食事中以外はできるだけマウスピースを装着しなければいけません。1週間~10日ごとにマウスピースを交換し、治療をすすめていきます。装着時間を守らなければ、治療計画どおりに歯並びが改善できません。インビザライン矯正は患者様の努力が不可欠といえるでしょう。

まとめ

歯並びのきれいな女性

インビザライン矯正は、クリンチェックを使用することで、治療開始から終了後の歯並びがどう改善するかシミュレーションできます。また、シミュレーションだけでなく、治療計画の修正ができるのもメリットです。

クリンチェックを使用することで、歯科医師と患者様とが理想とする歯並びのイメージを共有できるので、安心して治療が受けられます。クリンチェックによるシミュレーションが気になる方は、インビザライン矯正を検討してみてはいかがでしょうか。

インビザライン治療についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザライン治療のIPRとは?目的やメリットについて詳しく解説!

2023年3月11日
ゴム手袋を付けた手にマウスピースが持たれている

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザライン治療は、透明なマウスピースを装着して歯を動かす矯正方法です。従来のワイヤー矯正のように装置が目立つことがなく、審美面でも優れているため人気があります。

インビザライン治療中に行う処置の一つに、IPRという歯を削る処置があります。歯を削ると聞くと「虫歯になりそう」と心配する方がいるかもしれません。

今回は、IPRで歯を削る方法やIPRの目的について詳しく解説します。インビザライン治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

インビザライン治療のIPRとは

歯の治療器具が並んでいる

インビザライン治療のIPRについて、歯の削る量や部位について詳しく解説します。

IPRとは

IPRとは、歯の側面をやすりで削る処置のことです。インビザライン以外の矯正治療でも頻繁に行われます。

歯を削ると聞くと不安に思う方がいるかもしれませんが、IPRで削る量はわずかであるため、痛みや虫歯の心配はありません。

IPRで削る量

歯の部位や面によってエナメル質の厚さは異なりますが、側面のエナメル質は約1~2mmあるといわれています。

IPRで削る面は歯の側面であり、削る量は0.1〜0.25mm程度です。すなわち、エナメル質の1/20~1/4以下の量を削ることになります。薄いやすりで少しずつ削り、歯の象牙質まで及ぶことはないため、神経に痛みを感じることはありません。

また、インビザライン治療では、3Dスキャン機器で歯の削る部位や量を計算します。削った量も記録して管理するため、削り過ぎなどのトラブルを防げます。

インビザライン治療においてIPRを行う目的

歯の模型を使って説明する歯科医師と、説明を聞く患者

インビザライン治療におけるIPRは、歯を並べるスペースを確保するための有効な処置です。スペースを確保する以外にもさまざまな目的があります。

インビザラインでIPRを行う目的は、以下の4つです。

・歯並びを整えるスペースを確保する

・歯の形や横幅を調整する

・隣り合う歯と歯茎のすき間を整える

・矯正の後戻りを防ぐ

一つずつ、詳しく解説します。

歯並びを整えるスペースを確保する

歯が重なり歯列がガタガタの場合、歯をきれいに並べるためにはスペースを確保する必要があります。

複数本の歯を少しずつ削ることで、ある程度のスペースを確保できます。

歯の形や横幅を調整する

歯の大きさや形は人によって異なります。例えば、前歯2本が隣の歯に比べて横幅が広く目立っている場合、歯のサイドを削ることで歯がスリムになり、前歯の悪目立ちがなくなります。

歯の角の丸みや横幅など左右のバランスを整えることで、より美しい歯並びを実現できるでしょう。

隣り合う歯と歯茎のすき間を整える

歯と歯の間の歯茎が下がり、黒く見えることを「ブラックトライアングル」といいます。ブラックトライアングルが大きいと、歯が長く見えて見た目が悪くなります。特に、もともと歯が重なっていた場合、周囲の骨ができにくく歯茎が下がります。そのあとに矯正で歯並びを整えると、歯の重なりがなくなり歯が一列に並ぶため、歯茎が下がったのが目立ってしまうのです。

歯の先端に近い側面を削ることで、歯が密着してブラックトライアングルが小さくなるため、見た目が改善します。

矯正の後戻りを防ぐ

歯の側面を削ると隣の歯と接する範囲が広くなるため、隣の歯に固定されて動きにくくなります。IPRを行うことで、矯正後に歯が元に戻ろうとする後戻りを防げるでしょう。

インビザライン治療においてIPRを行うメリット

オレンジ背景の前て両手でグッドサインを出している男性

歯を削るのはできれば避けたいと思う方がいるかもしれませんが、IPRを行うことで抜歯をせずに矯正できるなどメリットもあります。

インビザライン治療においてIPRを行うメリットは、以下の4つです。

・抜歯をせずにスペースを確保できる

・歯の形を整えてより美しい口元を作れる

・ブラックトライアングルを小さくできる

・スムーズに歯を動かせて矯正期間が短縮できる

一つずつ、詳しく解説します。

抜歯をせずにスペースを確保できる

顎が小さく歯が重っている場合、抜歯をしてスペースを確保し歯並びを整えます。IPRで歯を少しずつ削りスペースを確保できれば、抜歯をせずに矯正ができます。

ただし、IPRを行っても十分なスペースが確保できない場合は、抜歯や顎の拡大装置を併用することがあります。

歯の形を整えてより美しい口元を作れる

口元は、上下左右の歯の大きさが対照になっているとより美しく見えます。

矯正で歯並びを整えることに加えて、IPRで歯の形を調整することで、理想の口元に近付けるでしょう。

ブラックトライアングルを小さくできる

IPRで歯の側面を削ると、隣り合う歯が近付き、ブラックトライアングルが小さくなります。ブラックトライアングルが小さくなることで、歯茎が再生しブラックトライアングルがさらに小さくなるともいわれています。

歯のすき間がなくなることで、食事中に食べ物が詰まるなどの問題も改善できるでしょう。

スムーズに歯を動かせて矯正期間が短縮できる

マウスピースで歯を動かしながらIPRを行うと歯をスムーズに動かせるため、矯正期間を短縮できます。

インビザライン治療では、3Dスキャンで立てた治療計画にIPRを組み込み、歯を削るタイミングや量を決められるため、効率的に矯正治療を進められるでしょう。

インビザライン治療においてIPRが必要なケース

歯鏡で口内を診察している女性の口元

歯を並べるすき間が不足しているケース

重なっている歯や前に出ている歯を歯列に収めるためには、歯を動かすスペースを確保する必要があります。インビザライン治療を非抜歯で行う際、スペースを確保できるIPRは有効な手段です。そのほか、歯を並べるスペースを確保する方法には、抜歯や顎を拡大する方法もあります。

歯の大きさが上下左右で異なるケース

歯の大きさは人によって異なり、遺伝による矮小歯(わいしょうし)など、生まれつき小さい歯も存在します。特に前歯が不揃いであると、矯正治療で歯をきれいに並べても口元全体のバランスが整わない場合があります。歯の大きさを整えることで、左右の噛み合わせのバランスもよくなります。

IPRの方法

女性歯科医師から治療を受ける女性

IPRに使用する器具と具体的な流れをご紹介します。

IPRに使用する器具

IPRは、以下の器具を用いて歯の側面を削ります。

・手用のやすり

・ハンドピース用に取り付けるやすり

・細いバー

・ダイヤモンドディスク

やすりで歯の側面を削る

歯と歯の間に薄いやすりを入れて、歯の側面を少しずつ削ります。やすりのサイズを薄いものから厚いものに替えていき、歯と歯のすき間を少しずつ広げます。

使用するやすりには、手用のやすりやハンドピースに取り付けて使うやすり、ダイヤモンド加工されたディスクがあります。

細いバーですき間を作る

やすりである程度のすき間ができたら、細いバーを使ってさらにスペースを広げていきます。0.1mmずつ、ほかの歯とのバランスを確認しながら削ります。

削った量を記録する

IPRは矯正治療中に複数回行うため、削り過ぎることがないように、その日に削った量や部位を記録します。

研磨

削ったあとのざらつきをなくすために、表面を研磨します。

フッ素塗布

削ったあとは歯の表面が荒れた状態になるため、再石灰化を促すためにフッ素を塗布します。

IPRを行うにあたって気になること

コルクのテーブルの上にクエスチョンマーク・頭脳・電球が描かれた木のブロックが並んでいる

健康な歯を削ることで、将来的に歯の神経が死んでしまったり、痛みが出たりしないのか詳しく解説します。

歯を削っても安全性に問題はない?

歯を削ると聞くと「歯の神経が死んでしまうのでは」と安全性の問題を心配される方もいらっしゃると思います。

しかし、IPRで歯を削る量はエナメル質のごくわずかであり、神経の通っている象牙質まで到達することはありません。また、IPRの処置では麻酔を行うこともありません。隣接面に被せ物や詰め物がある場合は、人工物を多く削るなど健康な歯を残すように工夫して削ります。

歯の痛みや知覚過敏のリスクはない?

知覚過敏や虫歯の場合、象牙質の露出や象牙質まで虫歯が進行することで痛みが発生します。IPRの処置ではエナメル質の表面を軽く削るため、痛みや知覚過敏の心配はありません。

ただし、電動の器具で削る場合、歯を擦る振動が伝わり不快感があるかもしれません。不安を感じる方は、事前に使用する器具を見せてもらい、鏡で見ながら処置を行うことで安心感を得られるでしょう。

IPRはどのタイミングで行う?

IPRを行うタイミングは大きく分けて2つあります。以下で詳しく解説します。

インビザライン治療前にIPRを行う場合

歯を移動させるスペースがない場合は、矯正治療の開始前に歯を削る場合があります。

インビザライン治療では矯正後の歯並びをシミュレーションできるため、目標とする歯並びに合わせて事前に歯の削合量を決定できます。事前にIPRを行うことで、効率的に矯正治療を進めることが可能です。

インビザライン治療中にIPRを行う場合

マウスピースで歯を移動させながら必要な部位に対してIPRを行うと、歯をスムーズに動かせるため、矯正期間を短縮できます。効率よく矯正することは、患者様の負担軽減にもつながるでしょう。

また、矯正治療中にブラックトライアングルが発生した際にIPRを行う場合もあります。

まとめ

紫の背景の前で片手にマウスピースを持っている女性がいる

IPRは、歯を動かすスペースを確保し、バランスを整えるために必要な処置です。インビザライン治療では、3Dスキャンを併用することで、より正確に矯正治療を進めることができます。IPRで歯を削る量はわずかであり、歯に影響はありません。IPRに不安がある方は、歯科医院で画像を見せてもらい、削る部位や量の説明を受けるとよいでしょう。矯正治療は長期にわたるため、納得したうえで治療を進めることをおすすめします。

インビザライン治療についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインの交換日数はどれくらい?交換後に起こりえるトラブルと対処法も解説!

2023年2月8日
青い服を着た髪の長い女性が顔を覆っている

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインの交換日数は1〜2週間が一般的ですが、歯の状態や装着方法によって交換日数が変動することがあります。交換日数を延ばさないためには、指示通りにマウスピースを装着することが大切です。

この記事では、インビザラインの治療中に起こりうるトラブルや治療を計画通りにすすめるためのポイントについて解説します。

インビザライン治療の流れ

歯科医の治療器具

インビザライン治療を行う場合、開発元であるアメリカの会社を通してシミュレーション動画やマウスピースを作成する必要があり、すぐに治療を開始することはできません。

まず、インビザライン治療の流れについてご紹介します。

カウンセリング・問診

簡単に歯並びの状態を確認して、虫歯や歯周病などがないかチェックします。

虫歯や歯周病がある場合は、インビザラインを始める前に完治させなければなりません。インビザライン治療にあたって、抜歯や歯を削る必要があるかも確認します。治療中の痛みや治療費など不安や疑問がある場合はここで解決しておきましょう。おおよその治療方法や治療期間が決まります。

精密検査、シミュレーション

治療計画をたてるために、レントゲン撮影や口腔内の写真撮影などの精密検査をおこないます。スティック型のカメラで口腔内をスキャンするため、歯を型取る必要はありません。

撮影データは、アメリカにあるアライン・テクノロジー社に送られます。クリンチェックと呼ばれる3Dソフトを使用して、インビザラインのシミュレーション動画が作成されます。シミュレーション動画は治療結果も予測してくれるため、矯正後のイメージを確認することが可能です。治療に必要なマウスピースの枚数を割り出し、治療計画が決められます。

アライナー作成

シミュレーション動画では歯根部分の動きが再現されないため、矯正歯科の医師が治療計画を微調整して、アライン・テクノロジー社に提出します。

修正されたシミュレーション動画を参考に、アライナー(マウスピース)が作成されます。治療に必要なすべてのアライナーがアメリカから矯正歯科に一括で送られます。届くまでの期間は1か月〜1か月半ほどです。

治療開始

アライナーが届いたら、インビザライン開始です。

開始時にアライナーをまとめて渡すところもあれば、交換形式で渡すところもあり、矯正歯科によって対応は異なります。アライナーの装着方法を確認し、マウスピースの取り扱いや治療中の注意点などの説明を受けます。

インビザラインの交換日数

歯の模型の中に人間の模型がある

インビザライン治療の際、1つのアライナーで0.25㎜ほど歯を動かすことができます。1〜2週間で交換すると、歯の移動量は1か月1mm程度になるでしょう。

交換日数は、歯並びや年齢によって変わりますが、だいたい2週間で交換することが多いです。シミュレーション動画を参考にして治療をすすめていきますが、最終判断は担当医師が行います。「インビザラインの治療開始時は2週間くらいでアライナーを交換していたけれど、矯正の終盤ごろには動かす距離が短くなるため、交換日数が5日になった」というケースもあります。インビザラインの交換日数は歯列の状態に影響されるため、交換日数が長くなったり短くなったりと不規則になることもあるでしょう。

交換日数を決める3つの要素

レントゲン写真を見てテーブル越しに話す人

インビザラインの交換日数は、歯の動かし方や組織の代謝が影響します。交換日数を決める要素は、3つあります。ここでは、交換日数を決める要素とそれぞれの日数が長くなる場合と短くなる場合について、詳しく解説します。

歯並び

インビザラインの交換日数は、歯をどのように動かし、どの程度を動かすかで決まります。

歯科矯正は「傾斜移動」と「歯体移動」の2つの動きがあります。傾斜移動とは、出っ歯など斜めになっている歯をまっすぐにする動作です。歯根を移動させる必要がないため、交換日数は短くなる傾向があります。歯体移動とは、歯根を動かし歯を平行に移動させる方法です。歯がガタガタしている叢生(そうせい)・すきっ歯などは、歯を平行に動かす必要があるため、交換日数は長くなります。

マウスピース矯正は平行移動が苦手なため、ほかの矯正方法に比べて治療期間が長くなるでしょう。抜歯が必要であったり、歯の動かす距離が長かったりすると、インビザラインの交換日数は長くなる傾向にあります。

年齢

歯科矯正は、歯槽骨の吸収と再生のサイクル(リモデリング)に合わせて歯を動かします。代謝のスピードに合わせずに無理に力を加えると歯根や骨にダメージを与える場合があるので、歯は慎重に動かさなければなりません。

年齢を重ねると歯茎や骨の代謝が悪くなるため、歯を動かすのに時間がかかり、インビザラインの交換日数が長くなる場合が多いでしょう。新陳代謝がいい場合は歯槽骨のリモデリングも早く、インビザラインの交換日数が短くなる傾向があります。

アライナーの装着時間

アライナーの装着時間は、1日20〜22時間以上です。

しかし、指定された装着時間を満たしていない場合、交換日数が延びることがあります。アライナーの装着は、長ければ長いほど歯を動かす量が増えるため、交換日数は短くなります。交換日数を短くしたいのであれば、できる限りアライナーを長く装着しましょう。旅行などのイベントで装着時間が短くなる場合は、交換日数を一時的に長くすることをおすすめします。

治療開始から1か月程度は交換日数を長くして様子をみる場合があります。一日の平均装着時間を記録し、可能であれば交換日数を短くしていくという方法です。通院の際に装着状況を聞かれるため、正直に報告するようにしましょう。

インビザラインの交換後のトラブルと対処法

青い背景の前でインビザラインと矯正器具をはめた歯の模型を持っている

インビザラインを交換したあとに、マウスピースが合わなかったり痛みが生じたりなどのトラブルが起きる場合があります。トラブルの対処法も合わせてご紹介します。

マウスピースが入らない

マウスピースが入らない場合は、シミュレーションどおりに歯が動かなかったことが考えられます。

アライナーは、治療前のシミュレーション動画によって一括で作成されますが、計画通りに歯が動かなかったことにより、予定していたマウスピースが入らなくなることがあります。マウスピースが入らなくなった場合は再評価を行い(リファインメント)、アライナーを追加作成します。作成に1か月以上かかるため、治療期間が延びることは避けられません。

ほかに考えられる原因としては、マウスピースが不良品という場合です。不安を感じたら、すぐに医師に伝えましょう。

マウスピースが浮く

マウスピースが大きく浮く場合は、治療が順調にすすんでいない可能性が考えられます。

アライナーは、歯を動かす分のスペースはありますが、基本的に歯に密着している状態です。前歯はわずかに浮くことがあるので「奥歯が浮いていないか」が重要です。マウスピースが浮く場合は計画通りに歯が動いていない可能性があるため、直ちに医師に報告しましょう。

口の粘膜が痛い

マウスピースの端が鋭くなっていると、歯茎などの粘膜に触れることで痛みを感じることがあります。

矯正歯科にマウスピースを持参すれば滑らかになるよう調整してくれるので、痛みを感じるときは我慢せず医師に相談してください。ハサミややすりなどを使用してご自身で削ろうとすると、マウスピースが破損する危険性があるので絶対にやめましょう。

歯が痛い

インビザラインは圧力をかけて歯を動かすため、新しいマウスピースに交換した際に歯に痛みが生じることがあります。

歯の痛みは通常3日ほどで落ち着きます。痛みが強い場合や長引く場合は、マウスピースが合っていないなどの問題があるため、医師に報告しましょう。

インビザライン治療を計画通りにすすめるためのポイント

インビザライン治療を計画的にすすめるためには「指示を守ること」が重要です。指示が守れない場合は、治療が長引くだけでなく、インビザラインを中断しなければいけない場合もあります。

装着時間を守る

アライナーの装着時間は1日20〜22時間以上です。食事と歯磨き以外は、必ず装着しましょう。

装着時間が短いと治療が計画通りにすすまなくなり、後戻りするリスクもあります。後戻りした場合、インビザラインを作り直さなければいけない可能性もあり、治療期間が延びてしまいます。装着時間は長い分には問題ありませんが、短くならないように注意しましょう。

破損や紛失に注意する

マウスピースを破損・紛失してしまった場合は、作り直す必要があります。手元に届くまで1つ前のアライナーを使用しますが、この期間に後戻りする可能性もあり、治療が計画通りにすすみません。

外出中はティッシュなどに包んでしまうと誤って捨ててしまったり、そのままポケットやバッグなどに入れることで変形したりする恐れがあります。マウスピースは保管ケースに入れて、置き場所を決めておきましょう。

自己判断でマウスピースを交換しない

歯を早く移動させたいからといって、自己判断で交換日数を早めたり、数回分飛ばして装着したりするのは絶対にやめましょう。歯根や顎の骨に過度な負荷がかかり、損傷する恐れがあります。また、歯茎に負担がかかり、歯茎が下がってしまう可能性もあります。歯の周辺組織に問題が起きた場合、治療計画が大幅に乱れることになるでしょう。

また、インビザラインでは歯を移動させるスペースを作るために、やすりで歯と歯の間を少し削る「IPR(ストリッピング)」を行うことがあります。交換日数をご自身で調整すると、適切な時期にIPRができなくなり、治療精度が落ちてしまいます。新しいマウスピースを装着したときに痛みがなく「交換日数を早められるのでは」と疑問に思った場合は、自己判断せずに必ず医師に相談しましょう。

食事と歯磨きのときはマウスピースを外す

アライナーを装着した状態で硬い物を食べると、破損の危険性があります。また、歯垢が歯とマウスピースの間に溜まると、虫歯や歯周病のリスクが上がります。食事のときはマウスピースを外し、歯磨きをしてから装着しましょう。このときに、インビザラインも流水で洗い流すと衛生的です。汚れが気になるときは歯ブラシでやさしく磨きましょう。

ただし、マウスピースを傷つける原因になるので歯磨き粉の使用は厳禁です。

また、インビザラインの治療中は、水以外の飲み物は摂取しないよう注意しましょう。ジュースやコーヒーなどはマウスピースに着色してしまうので、インビザラインが目立ってしまいます。

管理を怠り、インビザライン中に虫歯などになった場合は、矯正を中断しなければなりません。虫歯治療により詰め物や被せ物を装着してしまったら、マウスピースが合わなくなる可能性があります。治療を計画通りにすすめるためには、マウスピースの管理を徹底しましょう。

チューイーを使用する

チューイーとは、マウスピースを歯にしっかりと密着させるために使用する器具です。素材はシリコンでできており、形はロール状になっています。

マウスピースは歯にフィットするようにできていますが、歯を移動させるためにわずかな隙間が作られています。特に、交換してすぐのときは、手指だけでは装着が難しい場合もあるでしょう。装着時にチューイーを使用することで、マウスピースが浮くことなく、密着させることができます。

装着がゆるいと治療が計画通りにすすまない可能性があるため、装着時にはチューイーを使用しましょう。方法は前歯から奥歯にかけて全体の歯で噛んでいきます。ガムを噛むように噛んでも構いません。

使用しなくなったマウスピースはどうする?

ピンクの服を着た女性がペンを持ち悩んでいる

以前に使用していたマウスピースを捨ててしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

インビザラインの治療中にトラブルが発生したときに、以前に使用していたマウスピースを使うことがあります。マウスピースが入らないなどの問題が起きた場合は、来院まで1つ前のマウスピースを装着して過ごすことも多いです。万が一、マウスピースの作り直しが必要になったときも、一つ前のマウスピースを装着して期間をつなぎます。このように、使用しなくなったマウスピースを使う機会がまったくないとは言い切れません。捨てずに保管しておくことをおすすめします。

前のマウスピースを誤って使用しないように、使用中のマウスピースとケースを分けたり保管場所を変えたりするといいでしょう。

まとめ

資料を見ている3人の男女の歯科医師

インビザラインの交換日数は1〜2週間です。

ただし、歯の状態や装着方法によって交換日数が変動することがあります。インビザラインの交換日数を早めて矯正期間を短くしたい場合は、インビザラインの装着時間や管理方法を守り、チューイーを使用することが重要です。

インビザラインのトラブルでお困りの方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

 

 

【マウスピース矯正】インビザラインとアソアライナーの違いとは?

2023年1月25日
片手にマウスピースを持った白衣を着た女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

矯正治療の中でもマウスピース矯正は装置が目立ちにくく、人気があります。「矯正をするならマウスピース矯正がいい」という方もいらっしゃるでしょう。マウスピース矯正といってもさまざまな種類があります。

今回はマウスピース矯正の中でも特に人気が高いインビザラインとアソアライナーの特徴についてご説明します。2つの治療法の違いをわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

水色の台の上にマウスピースが置かれている

インビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発したマウスピース矯正です。世界中で採用されている治療法であり、マウスピース矯正の中でもっとも主流な治療法といえるでしょう。

インビザラインの治療法

インビザライン矯正は、マウスピースを1日20〜22時間以上装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換して歯並びを整えていく治療法です。最初に印象採得した歯型をもとに、治療で使用するすべてのマウスピースを製作するため、型取りが一度で済みます。

インビザラインのメリット

インビザラインのメリットは、以下の3つです。

・型取りが一度で済む

・多くの症例に対応できる

・装置の違和感が少ない

型取りが一度で済む

インビザラインがほかのマウスピース矯正と大きく違う点は、型取りが一度で済むということです。最初の型取りの情報から治療計画を立てて、ゴールまでのマウスピースをまとめて製作します。

多くの症例に対応できる

インビザラインは多くの症例に対応できるようになり、矯正治療の中でも主流な治療法です。当初は対応できる症例が限られていましたが、現在では抜歯が必要な矯正治療にも対応できるようになりました。

しかし、実績がある歯科医院でないと難症例の対応は難しいため、歯科医院選びが重要です。

装置の違和感が少ない

インビザラインのマウスピースは歯茎は覆わず、歯だけを覆います。そのため、装置を使用しても違和感をおぼえる方は少ないです。マウスピース矯正は長時間装置を装着しなければいけない治療なので、装置の違和感が少ないのは大きなメリットといえるでしょう。

インビザラインのデメリット

インビザラインのデメリットは、歯の形状を変えられないため、虫歯に注意しなければならないことです。

インビザラインは最初の型取りで、すべての装置を製作します。そのため、途中で歯の形状が変わる虫歯治療などは行えません。歯の形状が変わらない虫歯治療であれば、矯正期間中にも行えますが、基本的にはインビザラインを行う前に虫歯治療を終わらせておく必要があります。万が一、歯の形状が変わる虫歯治療が必要になった場合、マウスピースを再度製作しなければいけません。そうなると、装置が完成するまでに時間がかかるので、治療期間も延びてしまいます。

アソアライナーとは?

歯の治療器具が水色のマスクの上に置かれている

アソアライナーもマウスピース矯正の一種です。インビザラインと同様に透明のマウスピースを使用し、歯並びを整えていきます。矯正治療後に後戻りしてしまった場合に、アソアライナーが使用されることもあります。

アソアライナーの治療法

アソアライナーは1日17時間以上装置を装着し、2週間ごとに装置を新しいものに交換して、歯並びを整えていく治療法です。アソアライナーのマウスピースは、その都度型取りを行い、製作します。

アソアライナーのメリット

アソアライナーのメリットは、以下の4つです。

・治療の正確性が高い

・矯正中の虫歯治療にも対応できる

・装置の仕上がりが早い

・比較的費用が安い

治療の正確性が高い

アソアライナーは、装置を製作するたびに型取りが必要ですが、そのときの歯並びに適したマウスピースを製作できるというメリットがあります。歯がどれくらい動いているのかを確認しながら治療を進められるため、治療の正確性が高いです。

インビザラインは、一度にすべてのマウスピースを製作するため、思わぬトラブルなどで歯の形状が変わってしまった場合、マウスピースが合わなくなってしまう可能性があります。アソアライナーは、その都度型取りをしてマウスピースを製作するため、歯の形状が変わってしまっても臨機応変に対応できます。

矯正中の虫歯治療にも対応できる

アソアライナーは、製作するたびに型取りを行うため、矯正中の虫歯治療にも対応できます。矯正期間中に虫歯治療が必要になり、歯の形状が変わってしまったとしても、治療後に再度型取りをして新しいマウスピースを製作することが可能です。

装置の仕上がりが早い

インビザラインのマウスピースはアメリカで製作されます。さらに、すべての装置をまとめて製作するため、仕上がりまで時間がかかってしまいます。その点、アソアライナーは日本国内で製作されるため、仕上がりスピードが早く、インビザラインよりも早く矯正治療をスタートできます。

比較的費用が安い

アソアライナーは、インビザラインに比べて比較的安価な傾向にあります。相場は200,000〜300,000円ほどです。

アソアライナーのデメリット

アソアライナーのデメリットは、以下の3つです。

・都度型取りが必要である

・適応症例の範囲が狭い

・違和感をおぼえやすい

都度型取りが必要である

アソアライナーは、装置を製作するために都度型取りをします。都度型取りをすることで、虫歯治療も臨機応変に対応できるメリットはありますが、型取りの多さに苦痛を感じてしまう方もいるでしょう。

適応症例の範囲が狭い

アソアライナーの適応症例は、インビザラインのように多くありません。前歯の歯並びを整えるなど、簡単な部分矯正にしか対応ができません。

違和感をおぼえやすい

インビザラインもアソアライナーも透明なマウスピースを使用するため、見た目の差はそれほどありません。

しかし、歯のみを覆うインビザラインのマウスピースに対して、アソアライナーのマウスピースは歯茎部分まで覆うため、形は大きめです。そのため、インビザラインと比較すると違和感をおぼえやすいでしょう。

インビザラインとアソアライナーを使用するうえでの注意点

キャミソールを着た女性が左手を頬に当て、右手の人差し指を立てている

インビザラインもアソアライナーも透明なマウスピースを使用した矯正治療なので、共通した注意点があります。インビザラインとアソアライナーを使用するうえでの注意点は、以下の3つです。

・装置の装着時間を守る

・装置を装着したまま飲食しない

・マウスピースの衛生管理が必要である

それぞれ詳しく解説します。

装置の装着時間を守る

インビザラインもアソアライナーも取り外しが可能なマウスピースを使用して治療を行います。決められた時間装着しなければ歯を動かすことができないため、治療が進まず、治療が失敗してしまうケースもあります。

取り外しが可能な装置を用いて矯正治療を行う場合、患者さん自身の意識が一番重要です。

装置を装着したまま飲食しない

装置を装着したまま飲食はできません。水程度なら飲むことは可能ですが、装置を装着したまま飲食をすると破損したり、不衛生な状態になってしまいます。

飲食をする際は必ず装置を外し、食後の歯磨きをしてから装着するようにしましょう。

マウスピースの衛生管理・保管が必要

歯磨きなどでマウスピースを取り外すたびに洗浄しましょう。しっかり洗浄できていないと、装置に菌が繁殖してしまうため、お口の中の環境も悪くなってしまいます。マウスピース専用の洗浄剤なども販売されていますので、装置を清潔に保つためにもぜひ活用してください。

衛生管理だけでなく、保管にも気を付けましょう。装置を外したときは、紛失防止のため、必ずマウスピースケースに保管することが大切です。

インビザラインとアソアライナーの違い

両手で比較するポーズをしている白いブラウスを着た女性

インビザラインとアソアライナーはどちらもマウスピース矯正であるため、共通点も多いですが、違う点もいくつかあります。インビザラインとアソアライナーの違いを表にまとめてみました。

〈インビザラインとアソアライナーの違い〉

インビザラインアソアライナー
装置の装着時間1日20〜22時間以上1日17時間以上
通院頻度2〜3か月に1回1か月に1回
費用幅広い症例にも対応できるため、費用が高くなる
全顎矯正の場合、700,000〜1,000,000円ほどかかる
相場は200,000〜300,000円だが、部分的な矯正に限られるため、費用は比較的安価である
違和感歯のみを覆うマウスピースのため、違和感は少ない歯と歯茎を覆うマウスピースなので、インビザラインの装置と比較すると違和感をおぼえやすい
適応症例幅広い症例に対応できる前歯の歯並びを整えるなど、部分的な矯正に限られる
型取り最初に一度だけその都度型取りが必要

インビザラインとアソアライナーどちらがいいの?

木で作られたテコが置かれている

インビザラインとアソアライナーのどちらで治療するか悩まれる方が多いですが、選択できる治療法はご自身の歯並びの状態によって異なります。全顎矯正の場合は、アソアライナーで治療できないため、インビザラインで治療することになるでしょう。

どちらの治療法でも対応できる症例の場合は、型取りをその都度行うか、一度で済ませたいかを基準に考えてみてください。一度で済ませたほうが楽ではありますが、装置が完成すると歯の形状を変えることはできません。治療中に虫歯になってしまうと、インビザラインでは歯の形状を変えられないため、できる虫歯治療は限られてしまいます。型取りが苦手な方はインビザラインのほうがいいでしょう。

また、インビザラインとアソアライナーは装置の装着時間が異なります。アソアライナーはインビザラインに比べて装着時間が短いですが、基本的にはどちらの治療でも食事と歯磨きのとき以外は装置を装着したほうがいいです。そのため、装置の装着時間で治療法を選択する必要はありません。

まとめ

マウスピースケースと歯鏡、歯形に装着されたマウスピースが置かれている

インビザラインもアソアライナーもマウスピース矯正ですが、治療法が異なります。インビザラインのマウスピースはアメリカで製作されるため、治療をスタートするまでに2か月ほどかかります。それに対して、アソアライナーのマウスピースは日本国内で製作されるため、2週間程度で完成し、インビザラインよりも早く治療を始められます。

また、インビザラインとアソアライナーは治療できる症例も大きく異なります。インビザラインは幅広い症例に対応できるのに対して、アソアライナーで治療できる症例は限られています。それぞれの特徴をよく理解して、ご自身に合ったマウスピース矯正を選択してください。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

インプラントが入っていてもインビザライン治療はできる?メリットや治療法について解説!

2023年1月11日
歯の模型と治療器具が置かれている

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

「インプラントが入っていても歯並びをよくしたい」と考えている方は少なくないと思います。

今回は、インプラント治療をしていてもインビザライン矯正はできるのか?インビザラインとインプラントのどちらから先に治療したほうがいいのか?インプラントが入っている状態でインビザラインを受けるメリット・デメリット、治療法について詳しく解説します。

インプラントとインビザライン

インビザラインを持っているメガネをかけた女性

「インプラントとインビザラインの両方を受けたい」とお考えの方は少なくありません。インプラントがすでに入っている方だけでなく、現在歯がない、もしくは抜歯が必要な状態で、歯並びもよくしたいと考え、インプラントを検討している方もいらっしゃるでしょう。「せっかくならインプラントとインビザラインを同時にしたい」という方もいらっしゃいます。

しかし、インプラントとインビザラインはまったく別の治療であるため、同時進行は難しいです。

まずは、インプラント治療とインビザライン治療について詳しく説明します。

インプラント治療とは?

インプラント治療とは、歯がない部分の歯茎にインプラント体を埋め込み、その上にかぶせ物を装着して、歯がない部分を補う矯正治療です。

治療の流れとしては、歯科用CTなどで精密検査を行い、治療計画を立て、歯周病など事前に治療が必要なものを終わらせてからインプラント手術を行います。インプラント手術自体は1〜2回で終わりますが、その後、骨とインプラント体がしっかりくっつくのを待つ期間が必要です。その間に仮歯で噛み合わせの調整を行い、最終的なかぶせ物の型取りをして装着すれば治療は終了です。

インプラントは、見た目も機能も自分の歯と同じように再現できるのが最大のメリットといえます。歯を失った際の治療には、インプラント以外に入れ歯やブリッジもありますが、インプラントは、ほかの治療に比べて治療期間が長く、費用も高額になるのがデメリットでしょう。

インビザライン治療とは?

インビザライン治療とは、マウスピース矯正の1種です。マウスピースを1日20〜22時間以上装着して、歯並びを整える矯正治療です。ワイヤー矯正と違って装置が目立ちにくく、痛みも少ない点が人気の理由といえます。

マウスピースは自分で取り外しが可能なので、歯磨きなどのお口の管理がしやすいメリットがありますが、治療に消極的でマウスピースを十分な時間装着できていないと治療が進まないデメリットもあります。

インビザラインは、ほかのマウスピース矯正と違って型取りが1度で済むのも大きな特徴です。最初にシミュレーションで治療の流れを確認できるため、患者側も安心して取り組めます。

インプラントが入っているけどインビザライン治療はできる?

絵が描かれた5つのサイコロが置かれている

結論からいうと、インプラントが入っている状態でもインビザライン治療は可能です。

ただし、重要なのは「インプラント自体を動かせないこと」です。症例によっては、インプラントが入っているためにインビザライン治療ができないこともあります。

インビザライン治療ができないケースとは

インプラントが入っていてインビザライン治療ができない症例は、以下の3つです。

・インプラントの本数が多すぎる
・インプラントの部位による
・歯周病が進行している

それぞれの症例を詳しく解説します。

①インプラントの本数が多すぎる

「インプラントを動かすことはできない」と先ほどご説明しましたが、インプラントの本数が多すぎると、当然動かせない歯が多くなるため、矯正治療の計画自体が難しいです。

現在、どのような歯並びで、どこにどれくらいインプラントが入っているのかによって治療計画は異なるので、一概にはいえませんが、インプラントの本数が多いほどインビザラインは難しくなるといえるでしょう。

②インプラントの部位による

例えば、上の前歯にインプラントが1本入っていて、前歯の歯並びを全体的に引っ込めたいという場合、インプラントの歯は動かすことができないので、前歯を全体的に引っ込める矯正は難しいでしょう。

インビザラインではなく、インプラントのかぶせ物だけをやり直して多少の角度修正をすることは可能ですが、埋めたインプラント体の角度は変更できません。また、下の歯との噛み合わせも考えなければいけません。そのため、インプラント治療を受ける際に見た目などの要望がある場合は、事前に歯科医師に相談しておいたほうがいいでしょう。

③歯周病が進行している

インビザラインに限らず矯正治療全般でいえることですが、歯周病が進行していたり骨量が少なくなっている場合、矯正治療を受けるのが難しくなります。矯正治療によって骨がさらに下がってしまう可能性があるからです。

インプラント治療もインビザライン治療も年齢制限はありませんが、骨の状態によって治療ができるかできないか判断します。歯周病が進行していても、インビザライン治療を受ける前に歯周病治療を受けて、改善できれば治療ができることもあります。その際も、これ以上歯周病が進行しないようケアが必要です。

インプラントが入っている状態でインビザライン治療をするメリット

親指を立ててグッドサインを出している

インプラントが入っていることで、インビザライン治療を効率よく進められることもあります。

インプラントは動かすことができないので、インプラントを固定源としてほかの歯を移動させることが可能です。歯を動かす量が多い症例の場合、固定源があるとより短期間で歯を移動させることができます。

インプラントが入っている状態でインビザライン治療をするデメリット

UNABLEのブロックと金のハサミが置かれている

インプラントが入っている状態でインビザライン矯正をするデメリットは、インプラント部分は動かせないことです。そのため、症例によってはインビザライン矯正ができないこともあります。また、インプラント治療を先にしている場合、インビザライン矯正を始める前の歯並びに合わせてインプラントの噛み合わせを調整しています。インプラント治療後にインビザライン矯正を行うと、当然歯並びとともに噛み合わせも変わってしまうので、噛み合わせの再調整が必要になります。インプラントのかぶせ物を再度作り直したり、場合によってはインプラント自体を埋め直さなければいけないこともあるでしょう。

こういったデメリットを考えると、インビザライン治療を先にしてインプラントを埋めるスペースを残したほうがいいです。

インプラントが入っている状態でのインビザラインの治療法

歯の模型とレントゲンで説明している歯科医師

インプラントが入っている部位や歯並びの状態によって治療法も変わってきます。例えば、インプラントが奥歯に1本入っていて、前歯だけをインビザラインの部分矯正で治す場合、インプラントが入っていることを気にせずに治療可能な場合が多いです。

しかし、インプラントが入っている状態で全体の歯並びをインビザラインで矯正する場合は、事前に綿密な治療計画が必要になります。歯科医師によっては、インプラントが入っていることで矯正を推奨しない場合もあるでしょう。インビザライン治療は、矯正歯科専門医でなくても多くの歯科医院が取り組んでいます。インビザラインはコンピューターによってシミュレーションを行うので、どの歯科医師が治療しても結果は同じと思われがちですが、そんなことはありません。シミュレーションに対し、歯科医師が治療計画を付け加えたり修正したりする必要があります。矯正に関する知識が乏しく正しい診断ができなければ、治療結果も変わってしまうのです。

また、すべての治療が計画通りに進むわけでもありません。予期せぬ事態に対応できなければ治療は失敗してしまうでしょう。インプラントが入っている場合は、インプラントを固定源にしてほかの歯を動かせるメリットもありますが、インプラントが入っている状態でのインビザライン治療は、歯科医師の知識や技術、経験が必要といえます。そのため、矯正歯科専門医で治療を受けたほうがいいでしょう。

矯正用インプラント「アンカースクリュー」とは?

歯の模型を手に説明している女性の歯科医師

歯を失った場合の治療で用いるインプラントとは別に「アンカースクリュー」と呼ばれる矯正用のインプラントがあります。アンカースクリューは歯を動かす際の固定源として埋められるもので、矯正治療期間のみ使用します。つまり、矯正が終わると取り除くことが可能です。

アンカースクリューを用いて歯を動かすことで効率よく歯を動かせるようになるので、矯正治療期間を短縮できます。歯の移動量が多い場合や、これまで難しかった方向に歯を動かすことも可能です。アンカースクリューはチタン製の小さいネジを埋めるので、手術自体が短時間でそれほど痛みを感じません。

歯を失った場合のインプラントとはまったく別物ではありますが、通常のインプラントは矯正の際に、このアンカースクリューの役割を果たせることがあるのです。

まとめ

型取りされた歯の模型とインビザラインが置かれている

インプラントが入っている状態でもインビザライン治療は可能です。

ただし、インプラントは動かすことができないので、インプラントの本数が多かったり、インプラントの部位や骨の状態によってはインビザライン矯正を受けられない場合があります。現在インプラントを入れておらず、今後インプラントとインビザライン治療の両方を希望する場合は、先にインビザライン治療を受けるほうがいいでしょう。あらかじめ歯科医師に「あとでインプラント治療もしたい」と伝えておけば、インプラントを埋めるスペースを残した矯正治療の計画を立ててくれます。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。ご自身に合った方法で矯正治療をスタートしましょう。

インビザラインを清潔に保つ!洗浄方法や注意点について解説!

2023年1月4日
歯ブラシ・歯磨き粉・マウスウォッシュが置かれている

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザラインは、透明で目立ちにくいマウスピースを装着して行なう矯正治療です。食事などのときに取り外せるのがメリットである一方で、マウスピースを洗浄するといった管理をしなければなりません。

今回は、インビザラインを清潔に保つための洗浄方法や注意点を解説します。

インビザラインを洗浄しないとどうなる?

右の頬を押さえている男性

インビザラインは計画通り歯を動かすため、1日20〜22時間装着することが推奨されています。新しいマウスピースに交換するまでの期間は1~2週間ほどで、その間は同じマウスピースを装着します。そのため、正しく洗浄できていないと以下のようなトラブルが生じる可能性があります。

・インビザラインや口の中が不衛生になる

・むし歯や歯周病を引き起こす

・口臭の原因になる

詳しく解説していきます。

インビザラインや口の中が不衛生になる

インビザラインの洗浄を怠ると細菌が繁殖し、マウスピースや口の中が不衛生になります。食事のあとや就寝前はインビザラインを外し、歯磨きをしてから再び装着します。いくら歯がきれいな状態でも、インビザラインの洗浄が不十分だと口の中に細菌が広がってしまいます。

さらに、不衛生なインビザラインを装着することは、口内炎を引き起こす原因になります。口の中が不衛生になることで、常在菌であるカンジダ菌が増殖するためです。インビザラインをしっかり洗浄し、口の中が清潔な状態であれば、常在菌が増殖することはありません。

むし歯や歯周病を引き起こす

細菌が繁殖したインビザラインを長時間装着していると、むし歯や歯周病を引き起こす可能性があります。特に、むし歯になることで歯が大きく変形すると、インビザラインが合わなくなることも考えられます。新たにインビザラインを作り直す必要があり、治療期間が延びてしまいます。また、矯正治療は歯を動かすために歯や骨に強い力がかかります。歯周病に罹患したまま矯正治療を続けると、歯周病がさらに進行する恐れがあります。

インビザライン矯正中のむし歯や歯周病は、症状にもよりますが優先的にしなければならない場合もあります。インビザラインを中断する可能性もあり治療が滞るため、インビザラインを清潔に保つことが重要です。

口臭の原因になる

インビザラインが不衛生なことで増殖した細菌は、口臭の原因にもなります。特に、インビザラインを長時間装着していると、唾液が口の中に行き渡りにくくなり乾燥しやすくなります。乾燥した状態で不衛生なインビザラインを装着することは、口臭をさらに発生しやすくする原因になるのです。

また、インビザラインはプラスチックの一種であるポリウレタンでできていて、においが移りやすい素材です。インビザライン自体のにおいを防止するためにも、正しく洗浄する必要があります。

インビザラインを洗浄する方法

歯の模型を歯ブラシで磨いている

インビザラインを清潔に保つためにも正しく洗浄しましょう。インビザラインを洗浄する方法は、以下のとおりです。

・優しくこすりながら水洗いする

・マウスピース用の洗浄剤・洗浄機を使用する

詳しく解説していきます。

優しくこすりながら水洗いする

外出先やふだんの簡単なお手入れであれば、外したインビザラインを指でこすりながら水洗いをしてください。インビザラインの細かい溝などは、毛先のやわらかい歯ブラシを使って汚れを落としましょう。

マウスピース用の洗浄剤・洗浄機を使用する

手洗いでは落としきれないインビザラインの汚れやにおいは、マウスピース専用の洗浄剤や洗浄機を使用すると手軽に除去できます。以下の方法から、金額や使用方法を比較して自分に合った商品を選択しましょう。

・つけ置きタイプ

・泡スプレータイプ

・超音波洗浄機

それぞれ解説していきます。

つけ置きタイプ

つけ置きタイプの洗浄剤は、洗浄剤を溶かした水に一定時間インビザラインを浸しておきます。つけ置き時間は商品によって異なりますが、5~30分ほどの短時間で汚れを除去できます。長時間インビザラインを外し、歯並びが戻るといった心配もありません。洗浄剤の形状は、タブレットや粉末などさまざまですが、洗浄剤を使用すると、水や手洗いでは落ちにくいタンパク質汚れや細菌などを効果的に除去できます。つけ置き後は洗浄剤を水でしっかり洗い流しましょう。

泡スプレータイプ

泡スプレータイプの洗浄剤は、インビザラインに吹き付けて一定時間放置して使用します。放置時間が1~5分といった短時間の商品が多いため、外出先などでの洗浄にも向いています。洗浄効果や使用後に洗い流す点はつけ置きタイプと同様です。

超音波洗浄機

超音波洗浄機は、高速振動によって発生したミクロな泡が押しつぶされたときに生じる衝撃波で汚れを破壊します。汚れや細菌を機械的に除去するため、手洗いや洗浄剤よりさらに強力な洗浄効果が期待できます。

インビザラインはどれくらいの頻度で洗浄するべき?

カレンダーと鉛筆が置かれている

インビザラインの洗浄頻度は、基本的には食事をするために取り外した際に洗浄するのが理想的です。最低でも1日に1回は必ず洗浄してください。在宅中や就寝前などは歯ブラシを使って丁寧に洗浄すると効果的です。これらの基本的な洗浄方法に加えて、洗浄剤を使用した洗浄を行なうとよりインビザラインの清潔が保てます。

洗浄剤は毎日使用しても構いませんが、難しければ週に1〜2回の使用でも十分効果的です。

インビザラインを洗浄するときの注意点

両手の人差し指でバツを示している医者

インビザラインを誤った方法で洗浄すると、十分な洗浄効果が得られなかったりインビザラインが変形したりする恐れがあります。結果的に治療に支障が出ることも考えられるため、正しい方法で洗浄しなければなりません。

インビザラインを洗浄するときの注意点は以下のとおりです。

・やわらかい歯ブラシでこする

・研磨剤入りの歯磨き粉を使用しない

・マウスピース専用の洗浄剤を使用する

・洗浄後は乾燥させる

・熱湯は使用しない

それぞれを解説していきます。

やわらかい歯ブラシでこする

インビザラインを洗浄するときは、やわらかい歯ブラシを使いましょう。

毛先が硬い歯ブラシを使ってこすると、インビザラインに傷がついてしまいます。目には見えないほどの細かい傷でも、細菌が入り込んで増殖する原因となるため注意が必要です。

研磨剤入りの歯磨き粉を使用しない

インビザラインを洗浄するときは歯磨き粉を使うのは避けてください。

歯磨き粉には汚れを落としやすくするため研磨剤が配合されています。研磨剤入りの歯磨き粉でインビザラインをこすると、マウスピースの表面に傷がつき細菌が繁殖する原因になるため使用を控えましょう。

マウスピース専用の洗浄剤を使用する

インビザラインにはマウスピース専用の洗浄剤を使用しましょう。

似た用途で使用する商品に入れ歯の洗浄剤がありますが、インビザラインの洗浄には推奨できません。洗浄成分が強いなどが原因で、インビザラインが変形したり劣化したりする恐れがあります。

洗浄後は乾燥させる

食事や人前で話すなどでインビザラインを外す際には、洗浄後に乾燥させて保管しましょう。

濡れたままケースに入れるなどして保管すると、菌が繁殖する原因になります。ケースに入れるのであれば蓋を開けておくなどするとよいでしょう。

熱湯は使用しない

インビザラインの洗浄に熱いお湯を使うのはやめましょう。

ぬるま湯程度であれば問題ありませんが、熱いお湯となるとインビザラインが変形する恐れがあります。インビザラインが変形すると歯に合わなくなり作り直しが必要になります。治療期間が長くなることも考えられるため注意しましょう。

まとめ

黄色と青の歯ブラシとタオルが置かれている

インビザラインは、1日20~22時間という長時間装着することで歯を動かす治療方法です。インビザラインの洗浄を怠ると、不衛生なマウスピースを長時間装着していることになりかねません。インビザラインは毎日装着するため、正しく洗浄して快適に矯正治療期間を過ごしましょう。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。ご自身に合った方法で矯正治療をスタートしましょう。

金属アレルギーがある方にはインビザラインがおすすめ!その理由を詳しく解説!

2022年12月28日
女性がマウスピースを持っている

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

これまで、金属アレルギーが原因で矯正治療を諦めていた方もいらっしゃるでしょう。金属アレルギーで悩んでいる方でも問題なく歯並びをきれいにする方法があります。

今回は、インビザライン矯正なら金属アレルギーを発症せずに治療が可能か、その理由とお口の金属アレルギー症状を解説しています。

金属アレルギーがある方にはインビザラインがおすすめ!

5つの木でできた星が並んでいる

「きれいな歯並びになりたいけど、金属アレルギーが心配だから矯正治療ができない」という声は、これまで少なくありませんでした。

しかし、最近は金属を使用せずに矯正治療が可能です。インビザラインなどのマウスピース矯正なら、金属を使用せずプラスチックでできた装置を使用するため、金属アレルギーの心配がいりません。

金属をお口に入れて起こるアレルギー症状とは?

白い服を着た女性が腕を掻いている

金属アレルギーとは、金属自体がアレルギーを引き起こすわけではありません。唾液などにより金属から溶け出たイオンが体の中に入ることでアレルギーを引き起こします。

「金属アレルギーになるのが怖い。だから矯正はできない」という方もいますが、矯正治療の際に「ブラケット」と呼ばれる歯の表面に接着する金属の装置だけが原因ではないのです。銀歯や銀のつめ物、部分入れ歯の金具なども金属アレルギーを引き起こすきっかけになることがあります。

また、金属アレルギーはお口の中に金属を入れ、すぐ反応が出るわけではありません。重度の金属アレルギーの方は比較的早くに症状が出てきますが、たいていの方はお口の中に金属を入れてしばらく経ってから発症します。例えば「銀歯を入れても何ともなかったのに、数年後にアレルギー症状が出てきてしまった…」ということも珍しくありません。口の中に入れた金属が原因の場合も、口の中以外に症状が出てくることもあります。「アレルギー症状が出ていて全然原因を解明できず困っていたけど、実は銀歯が原因だった」ということもありえます。

では、お口の中に金属を入れてどのような症状が出てくるのでしょうか?お口の中の金属アレルギーで、よくある症状をご紹介します。

①口内炎

お口の中で金属アレルギーが発症し、口内炎の症状が出るケースは多いです。一度口内炎になると、治るまでに時間を要するケースも少なくありません。口内炎のほかに、口の中の粘膜がただれたり、ヒリヒリとした痛みが出ることもあります。

通常の口内炎ではなく、口角や舌に炎症を起こすこともあります。舌の味覚受容体が影響を受けると味覚異常の症状が出る可能性もあるのです。

②湿疹

花粉症などのアレルギーをすでに発症している方は、金属アレルギーになりやすい傾向にあります。お口以外の皮膚に湿疹が出ることもあるのです。ほかのアレルギーがある場合は、手や足など身体の皮膚に湿疹が出てもお口の中の金属が原因とわかりづらいかもしれません。

しかし、湿疹を改善するには原因を取り除かなければいけません。なかなか原因が見つからず苦痛に感じる方もいると思うので「もしかしたらお口の中の金属が原因かもしれない」ということを理解しておきましょう。

③頭痛などの体調不良

お口の中の金属が原因でも、症状がお口の中だけに出るとは限りません。稀に頭痛やめまいなどの体調不良の症状が出ることもあります。このような場合は、原因がお口の中の金属アレルギーと発覚しにくいでしょう。

現在、金属アレルギーの症状がない方でも、突然発症してしまうこともあります。お口の金属アレルギーは、装飾品などの金属アレルギーに比べて発症率が低いですが、お口の中に金属があれば誰でも金属アレルギーになる可能性はあるのです。

金属アレルギーを引き起こさないようにするためにはどうすればいい?

金属アレルギーは金属をお口の中に入れてすぐ症状が出るわけではないので、症状が出た時に原因を追求しずらく、治療が困難になるケースもあります。そのためにも、金属アレルギーを引き起こさないようにすることが大切です。まずは、お口の中を清潔に保つことが予防の1つといえますが、何よりも「金属アレルギーの原因を作らない」ことが大きな予防になるといえるしょう。

お口の中の金属アレルギーを予防するためには、矯正治療だけでなく、虫歯治療のつめ物やかぶせ物、入れ歯なども金属を使用しないようにすることです。銀歯でなくても、プラスチックやセラミックなどの素材を選択することもできます。また、昨今では、高額な治療費をかけなくても保険診療で奥歯のつめ物・かぶせ物を白い素材にできるようになりました。保険診療で白い素材を選択するには、十分な噛み合わせが確保できているかなどの条件がありますので、担当歯科医師に相談しましょう。

できるだけ金属を使用しないよう配慮しながら治療してくれる歯科医院も増えています。お口の中に金属を使用しないことが金属アレルギーの最大の予防です。

インビザラインの装置に金属は使われていないの?

銀の丸い塊が置いてある

インビザラインの装置自体に金属は使用されていません。インビザラインは、プラスチックでできたマウスピースを装着する治療のため、金属アレルギーを発症する心配がいらないのです。

しかし、必ずしも金属を使用しないわけではありません。インビザライン治療では、効率よく歯を動かすために追加の装置を使用することがあります。歯の表面に「ボタン」という装置を接着し、そこにゴムを引っ掛けて歯を動かします。このボタンに金属製のものがあるので、金属アレルギーを心配するのであれば、素材をプラスチックのものにしてもらうなど注意が必要です。

そのほかにも、矯正用のインプラントである「アンカースクリュー」を使用して治療することもあります。アンカースクリューは、歯茎に小さなネジを埋めることにより、難しい方向へ歯を移動できたり、歯を動かす量が多い場合にも適応できたりします。アンカースクリューは、アレルギー反応が出にくい素材でできていますが、それでも金属アレルギーの可能性がゼロではありません。

インビザライン治療を始める前に歯科医師に金属アレルギーについて相談しておきましょう。

インビザライン治療後の保定装置に金属は使われている?

リテーナーと治療器具、歯ブラシが置かれている

インビザラインだけに問わず、矯正治療後に「保定装置」を装着する必要があります。保定装置は、きれいにした歯並びを維持するための装置で、保定装置をしなければ歯は元の歯並びに戻ろうとしてしまうのです。

保定装置を大きく分けると、以下の3つの種類があります。

・金具のついた取り外しが可能なプレートタイプの装置

・マウスピースの装置

・ワイヤーを歯の裏側に接着する方法

上記の3つの中で金属を使用しないのは、マウスピースの装置のみです。保定装置は一般的に数年間使用しますので、心配な方は「金属を使用しないマウスピース」を選択したほうがいいでしょう。金属アレルギーが心配なので金属を使用したくないことをきちんと歯科医師に相談し、保定装置の種類を選ぶことをおすすめします。

まとめ

水色の白衣をきた歯科衛生士が治療器後を持っている

これまで金属アレルギーがある方は、歯並びを綺麗にしたくても金属アレルギーが心配で諦めてしまうケースが多くありましたが、インビザライン矯正なら金属を使用せずに矯正治療が可能です。追加装置や保定装置でも金属を使用したくないのであれば、必ず担当歯科医師に事前に相談しましょう。

また、金属アレルギーの症状が現在はなくても、数年後に金属アレルギーを発症してしまうことがあります。金属アレルギーが心配な方は、長期的にお口の中に装置を入れる矯正治療において、できる限り金属を使用しないほうがいいかもしれません。金属アレルギーの症状はお口の中だけに出るとは限らないので、何らかの症状でお悩みの方はお口の中に金属を使用しているか確認してみましょう。虫歯治療も矯正治療も、ご自身が安心できる方法で治療を行うことをおすすめします。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。