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インビザライン治療で親知らずを抜く必要があるケースとは?

2023年10月28日

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯列矯正では、親知らずの抜歯が必要になる場合が多いです。

しかし、できれば抜歯せずに治療を行いたいと考える方も多いでしょう。マウスピースを使用したインビザライン治療では、親知らずの抜歯が必要ないこともあります。

今回は、インビザライン治療で親知らずの抜歯が必要なケースと必要ないケース、親知らずを抜歯するメリット・デメリットを解説します。インビザライン治療を検討している方や、親知らずの抜歯について疑問がある方は、ぜひ参考にしてください。

親知らずとは?

親知らず

親知らずとは、前から数えて8番目の一番奥に生える歯のことです。20歳前後に生えることが多いですが、1本も生えてこない方もいれば、4本すべて生える方もいます。

昔は栄養状態が悪く、平均寿命が50歳を満たしませんでした。生えてくる頃には親が亡くなっていることが多かったので「親知らず」と名付けられています。

親知らずがあっても、歯茎の中に完全に埋まっている場合や、歯冠が半分だけ出ている場合など生え方にも種類があります。親知らずがあるかどうかは、歯科医院でレントゲン撮影をすることで確認可能です。

インビザライン治療で親知らずを抜くメリット

抜歯

インビザライン治療で親知らずを抜くメリットは、以下のとおりです。

・歯を動かすスペースが増える

・整った歯並びを維持しやすい

・親知らずのトラブルがなくなる

詳しく解説します。

歯を動かすスペースが増える

親知らずを抜歯することで、インビザライン治療中に歯を動かせるスペースが広がります。

特に、歯が重なって生えている乱ぐい歯や、ガタガタした歯並び、出っ歯でなどは、歯を動かすスペースが必要になることが多いです。親知らずの抜歯を行うことで歯を動かすスペースを確保できるため、歯がきれいに顎のスペースに収まるでしょう。

整った歯並びを維持しやすい

親知らずを抜歯しないと、インビザライン治療によって歯並びが整っても、親知らずが隣の歯を押すため歯並びが戻りやすいです。

親知らずが歯茎の中に完全に埋まっている場合でも、歯茎の中で隣の歯を圧迫していることがあります。歯並びがきれいになったあと、後戻りする原因となるでしょう。

長期的にきれいな歯並びを維持するために、親知らずを抜くことがあるのです。

親知らずのトラブルがなくなる

親知らずは一番奥に生えているため、歯ブラシが届きにくく虫歯や歯周病になりやすいです。特に、横向きや斜めに生えている親知らずは、磨き残しが多くなり虫歯などのトラブルを引き起こしやすいでしょう。

親知らずのトラブルに悩まれる方も多くいらっしゃいます。トラブルが起きるたびに辛い思いをし、歯科医院に継続的に通わなければいけません。

親知らずを抜くことで歯を磨きやすくなり、トラブルを事前に予防できます。

インビザライン治療で親知らずを抜くデメリット

デメリットを説明する女性

インビザラインは歯並びを整える治療なので、親知らずを抜くデメリットはあまり存在しません。考えられるデメリットは、以下の3つです。

・腫れや痛みを伴う

・口腔外科での処置が必要な場合がある

・健康な歯を抜かなければいけない

詳しく解説します。

腫れや痛みを伴う

親知らずを抜いたあとは、一時的な腫れや痛みを伴う場合が多いです。特に、下の親知らずは骨に埋まっていることが多く、抜く際に顎の骨を削ることもあります。

抜歯後は腫れや痛みが出やすいでしょう。抜いたあと数日間は口が開けづらく、食事が摂りづらくなります。

口腔外科での処置が必要な場合がある

歯茎に埋まっている親知らずの抜歯を行う場合、親知らずが埋まっている歯茎を切開し、骨を削る処置が必要な場合があります。安全に処置するために、口腔外科での抜歯を推薦されることが多いです。

口腔外科での処置が必要な場合、心身ともに負担に感じる方もいるでしょう。

健康な歯を抜かなければいけない

親知らずにトラブルがない場合、抜歯に抵抗を感じる方は少なくありません。まっすぐきれいに生えている親知らずの場合は特に抵抗があるでしょう。健康な歯を抜いて歯の本数が減ることに、不安を感じる方もいるでしょう。

しかし、インビザライン治療で親知らずを抜いた場合、抜歯したスペースは歯を並べるために利用します。残った歯で良好な噛み合わせを完成させるため、健康面でも特に問題はありません。

インビザライン治療で親知らずを抜く必要があるケース

親知らずを抜くか悩む女性

インビザライン治療では、きれいな歯並びを長期的に維持するために、親知らずを抜歯したほうがよいと判断される場合が多いです。

インビザライン治療で親知らずを抜く必要があるケースは、以下の4つです。

・親知らずが原因の痛みや腫れの症状がある

・隣の歯を圧迫している

・歯を動かすスペースが足りない

・噛み合わせに影響している

詳しく解説します。

親知らずが原因の痛みや腫れの症状がある

親知らずがあることで痛みや腫れを伴う場合、親知らずを抜いてからインビザライン治療を始めたほうがよいでしょう。特に、親知らずがまっすぐ正常に生えていない場合、歯茎が腫れて炎症を起こすことが多いです。

親知らず周囲の歯茎が腫れるトラブルを抱える方は多く、繰り返すことも考えられます。虫歯による痛みがある場合も抜いたほうがよいでしょう。

親知らずは歯ブラシが届きにくく、虫歯になりやすい歯です。治療しても虫歯になる確率が高いため、抜歯してトラブルを避けたほうがよいといえます。

隣の歯を圧迫している

親知らずが隣の歯を圧迫している場合は、歯並びに悪影響を与える可能性が高いため抜歯したほうがよいでしょう。歯茎の中に親知らずが埋まっている場合でも、歯茎の中で隣の歯を圧迫していることがあります。

治療中や治療後の後戻りを防ぐためにも、親知らずを抜いたほうがよいのです。

歯を動かすスペースが足りない

日本人は顎が小さく、歯が生えるスペースが足りないことで歯並びが悪くなる傾向にあります。限られたスペースで歯をきれいに並べるのは難しく、親知らずがあると余計にスペースが足りなくなるでしょう。

親知らずがまっすぐに生えていたとしても、歯を並べるスペースが足りない場合は親知らずを抜く必要があります。

噛み合わせに影響を与えている

インビザライン治療は、歯並びだけでなく噛み合わせも同時に整えます。噛み合わせが合っていない親知らずは抜いたほうがよいでしょう。

きれいに生えているように見える親知らずでも、噛み合わせに悪影響を与えている場合は抜歯する必要があります。

インビザライン治療で親知らずを抜く必要がないケース

親知らずの相談

インビザライン治療を進めるにあたって親知らずを抜くケースは多いですが、親知らずの抜歯の必要がないケースもあります。

インビザライン治療で親知らずを抜く必要がないケースは、以下の3つです。

・歯を動かすスペースが十分にある

・IPRで対応できる

・親知らずの根が形成されていない

詳しく解説します。

歯を動かすスペースが十分にある

親知らずの抜歯は、歯を動かすスペースを確保するために行います。親知らずが健康でまっすぐ生えており、歯を動かすスペースも十分にある場合は、インビザライン治療に影響を与えないでしょう。

IPRで対応できる

IPRとは、歯と歯の間にすき間を作るために、歯の側面を少し削る処置です。インビザライン治療ではよく行われる処置の一つです。

しみるなどの影響が出ない安全な範囲で歯の表面をほんの少し削るので、歯の強度や寿命に影響はありません。痛むこともないでしょう。

IPRでスペースを確保できる場合、親知らずを抜く必要はありません。

親知らずの根が形成されていない

親知らずが歯茎の中に埋まっていて根が形成されていない場合は、抜歯する必要はないでしょう。これから成長する可能性も低いため、そのままインビザライン治療を始めることが多いです。

親知らずの経過を観察しながら、歯並びに悪影響を及ぼす可能性が出てきた時点で抜歯を行うことがありますが、歯科医師の判断に従いましょう。

どのタイミングで親知らずを抜く?

親知らずを抜くタイミングイメージ

親知らずを抜くタイミングは、インビザライン治療を始める前が一般的です。

親知らずは歯を計画的に動かす妨げとなるため、インビザライン治療の装置を作る前に抜歯を行うことが多いです。抜歯後、ご自身の歯に合ったマウスピースを作成しましょう。

インビザライン治療の前に、虫歯や歯周病が見つかった場合は先に治療を行います。虫歯治療などと同じタイミングで親知らずを抜歯すると、スムーズにインビザライン治療を始められるでしょう。

まとめ

歯の模型

インビザライン治療では、スムーズに治療を進めて長期的にきれいな歯並びを維持するために親知らずを抜く場合が多いです。

しかし、親知らずの生え方や状態によって、抜かずにインビザライン治療を進めることができる場合もあります。インビザライン治療での親知らずの抜歯はメリットが多いですが、デメリットも把握しておくことが大切です。

親知らずの抜歯に不安がある方は、歯科医師とよく相談し、ご自身に合った方法でインビザライン治療を進めましょう。

インビザライン治療でお悩みの方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザライン矯正の費用はいくらくらい?治療の流れごとに解説!

2023年10月7日
インビザラインのマウスピースを手に持つ

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

装置が目立たないことから人気のインビザライン矯正ですが、費用が気になる方は多いのではないでしょうか。

今回は、インビザライン矯正の費用や保険が適用されるのかどうかなどを解説します。治療の流れに沿って詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。

インビザライン矯正の費用

机に置かれた植物と電卓

インビザライン矯正にかかる費用は、トータルでおよそ600,000〜1,000,000円です。自費診療になるので、歯科医院ごとに費用が異なります。口内や歯並びの状態によっても費用が変動するため、相場に幅があります。

インビザライン矯正にかかる費用を、治療前・治療中・治療後に分けて詳しく確認しましょう。

治療前にかかる費用

インビザライン矯正を始める前に、カウンセリングと口内の状態を調べるための精密検査が行われます。検査の結果、インビザライン矯正の前に虫歯治療や抜歯が必要となった場合は、先に処置を行うのが一般的です。

カウンセリング

カウンセリングの費用相場は、無料〜10,000円程度です。無料でカウンセリングをしている歯科医院と、有料で行っている歯科医院がありますが、どちらがよいというわけではありません。

カウンセリングでは、簡易的に口内の状態も検査します。インビザライン矯正の進め方や必要な費用、治療期間などの説明を受けるでしょう。

歯科医院や歯科医師・スタッフの雰囲気などを知ることもできます。インビザライン矯正は長期間歯科医院に通う必要があり、費用もかかります。そのため、相性のよい歯科医院を選ぶための参考にするとよいでしょう。

カウンセリングを受けたからといって、必ずその歯科医院で矯正治療を始めなければいけないわけではありません。インビザライン矯正を検討している方は、一度カウンセリングを受けて費用などの説明を受け、歯科医院の雰囲気を確認しましょう。

検査

検査は、実際に矯正治療を始めるにあたって緻密な治療計画を立てるために行います。

検査費用の相場は、10,000円〜50,000円程度です。検査費用は、インビザライン矯正全体の費用に含まれている場合もあります。

インビザライン矯正で主に行われる検査の内容は、以下のとおりです。

・レントゲン撮影

・CT撮影

・顔の写真撮影

・歯並びの撮影

・CTスキャンによる歯型採取

インビザライン矯正では、専用のソフト「クリンチェック」を使い、検査のデータをもとに現在の歯並びから治療終了までの歯の動きをシミュレーションできます。治療開始前に矯正治療完了後のイメージを確認できることは、インビザライン矯正の大きなメリットでしょう。

虫歯治療や抜歯

インビザライン矯正を始める前に、虫歯治療が必要になる場合があります。虫歯治療は歯列矯正とは直接関係のない治療なので、保険で治療することも可能です。矯正専用の歯科医院の場合、別の歯科医院を紹介されることもあるでしょう。

費用の相場は虫歯の状態によって異なりますが、数千円程度です。虫歯の治療が終わり次第、矯正治療に移行します。

抜歯が必要な場合、虫歯や歯周病など歯科治療のための抜歯は保険が適用されます。矯正のために特に問題のない歯を抜く場合は、保険が適用されません。自費診療で5,000〜10,000円程度の費用がかかるでしょう。

治療中にかかる費用

治療中にかかる費用は、インビザライン矯正で使用するマウスピースの作製に関わる費用と、毎回の診察にかかる費用です。

マウスピースの作製

マウスピースの作製にかかる費用の相場は600,000〜1,000,000円です。

上述したようにインビザライン矯正では、クリンチェックというソフトによって治療開始から終了までのシミュレーションを行います。一度の歯型の採取で治療終了までに必要なマウスピースをすべて作製します。

診察

インビザライン矯正を開始したら、定期的に歯科医院で治療の進み具合をチェックしなければなりません。1〜2か月に一度の通院が一般的で、1回の診察にかかる費用の相場は3,000〜10,000円程度です。

歯科医院によって異なるので、カウンセリングの際などに確認しましょう。

インビザライン矯正では、1日20〜22時間マウスピースを装着し、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換しながら矯正治療を進めます。基本的にご自身で進めなければなりませんが、マウスピースの装着時間や交換時期が守られていないと、計画どおりに矯正治療が進みません。

診察の際は、矯正治療の進み具合をチェックし、必要な場合はマウスピースを追加するなど、治療計画を修正することもあります。

治療後にかかる費用

治療後とは、歯を並べ終わったあとの保定期間を指します。

矯正治療では、歯を動かす「動的治療期間」と、動かした歯の位置を固定させるための「保定期間」が必要です。保定期間は、一般的に矯正にかかった期間と同程度とされています。歯を動かすのに1年半かかった場合は、保定期間も1年半程度です。

保定期間は、リテーナーという保定装置を装着する必要があります。保定装置の作製にかかる費用の相場は、10,000〜60,000円程度でしょう。

保定期間中も定期的に受診する必要があり、1回の診療あたり3,000〜5,000円の費用がかかります。保定期間中の通院は、矯正治療中と比較して頻度が減るのが一般的です。

インビザライン矯正は保険が適用される?

資料を見ながら電卓を使う女性医師

インビザライン矯正は、保険が適用されません。歯列矯正は病気の治療ではないので、どのような治療でも基本的に自費治療になります。

例外的に、先天的な顎変形症などで矯正治療を行う場合は保険が適用されますが、大掛かりな手術が必要な症例が多いのでインビザライン矯正のみで改善することは難しいでしょう。大学病院などの大きな病院と連携して行われることが多いです。

インビザライン矯正は医療費控除の対象になる?

医療費控除の書類を虫眼鏡で拡大する

インビザライン矯正は、医療費控除の対象になることがあります。

医療費控除とは、1年間にかかった医療費が100,000円を超えた場合に受けられる、所得控除の制度です。対象になる場合は、確定申告の際に申請すれば還付金を受け取れます。

インビザライン矯正の費用が直接安くなるわけではありませんが、結果的に治療費を抑えられるでしょう。

インビザライン矯正で医療費控除を受ける場合は、注意する点があります。

見た目を美しくするための審美性の改善を目的とした矯正治療の場合、医療費控除の対象にはなりません。咀嚼や噛み合わせの改善など、機能の回復が目的の場合は医療費控除の対象になります。

インビザライン矯正の費用を安くする方法

顎に手を当てて考える女性

インビザライン矯正の費用を安くする方法はありませんが、歯科医院によって金額が異なるため、費用の安い歯科医院を選べばインビザライン矯正の費用は安くなります。

しかし、「費用が安い歯科医院」が「相性のよい歯科医院」とは限りません。インビザライン矯正は費用と時間がかかる治療です。費用の安さだけで歯科医院を選ぶのはあまり推奨できません。

必要以上に費用がかからないように、以下の点に注意しましょう。

マウスピースの装着時間と交換時期を守る

インビザラインは、自己管理が重要な矯正治療です。計画どおりに治療を進めるには、マウスピースの装着時間・交換時期をしっかりと守らなければなりません。

装着時間・交換時期を守らないと、治療計画を立て直す、マウスピースを追加で作製するなど、本来必要なかった費用がかかります。

トラブルがあった場合はすぐに連絡する

マウスピースがうまくはまらない、装着時間を守れなかったなど、問題が起きた場合はすぐに連絡して、歯科医師の指示を受けましょう。

インビザライン矯正では、マウスピースと歯の密着度を高めるためにアタッチメントという突起を装着することがあります。装着したアタッチメントが外れた場合や、マウスピースが破損した場合など、矯正装置にトラブルがあったときも計画どおりに治療が進まなくなるかもしれません。早めに歯科医院に連絡し、受診する必要があります。

すぐに歯科医院を受診すれば、治療計画が乱れて余計な費用がかかることを防げるでしょう。

まとめ

インビザラインのマウスピースを持って笑う女性

インビザライン矯正にかかる費用は、600,000〜1,000,000円が相場です。

矯正装置の費用以外に、矯正前のカウンセリングや検査、矯正中の診察、矯正後の保定装置などに費用がかかります。これらの費用は歯科医院によって異なります。すべて含めた金額を設定している歯科医院もあれば、診察のたびに支払う歯科医院もあるでしょう。治療開始前に確認することが重要です。

インビザライン矯正は、決して安い治療ではありません。インビザライン矯正を検討している場合は、カウンセリングを受けて費用について詳しく確認してください。

インビザライン矯正に興味がある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

入れ歯の値段はどれくらい?保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いも解説

2023年9月11日
入れ歯

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯を失ってしまって入れ歯を入れることになった場合、費用はどのくらいかかるのか、またどのような入れ歯があるのか気になる方も多いのではないでしょうか。入れ歯には、保険で作ることができる入れ歯と、自費の入れ歯があります。

今回は、さまざまなタイプの入れ歯について、費用から特徴まで詳しく解説していきます。

保険の入れ歯と自費の入れ歯の違いとは?

メリットとデメリット

保険治療は最低限の医療を提供するための仕組みで、保険の入れ歯は決められた材料・素材によるものです。また、治療工程もおよそ決められたものです。

それに対し、自費の入れ歯は、さまざまな材料から自由に選択することができ、多種多様なものがあります。

それぞれの特徴を、メリットとデメリットを踏まえて解説します。

保険の入れ歯の特徴

プラスチックの床(しょう)の上に、プラスチック製の人工の歯を並べた作りです。

部分入れ歯の場合には「クラスプ」という金属のバネを周囲の歯に引っ掛けることで固定します。総入れ歯の場合には、床(しょう)部分を粘膜に吸着させることで固定する仕組みで、上顎の場合は口蓋(こうがい)※を大きく覆う形です。

※口蓋とは、口の中の上顎の壁のことを指します。鼻腔との境になっており、前方の約2/3は骨があるため硬く、後方1/3は柔らかい粘膜組織です。

保険の入れ歯のメリットとデメリット

<メリット>
・費用が安価
・製作期間が短い

<デメリット>
・床(しょう)に厚みがあるため、違和感や異物感が気になることがある
・床に厚みがありプラスチック製のため、食べ物の熱を感じにくい
・入れ歯に臭いがつきやすく口臭の原因になりやすい
・天然の歯に比べて、噛む力が1/3〜1/10程度にまで低下してしまう
・保険の決まりにより、入れ歯を作ってから半年経過しなくては、新しい入れ歯を作ることができない

保険の入れ歯は、安価で簡単に作ることができますが、使用感などのデメリットが多いです。

自費の入れ歯の特徴

自費の入れ歯の場合には、保険適用では使用できないゴールドやコバルトクロムなどの金属を使うことや、弾力性のある材質を選択することができるなど、材料や素材を周囲の歯に合わせて自由に選ぶことができます。

入れ歯の固定方法も、マグネット式や被せ物のように固定するもの、インプラントを利用して固定するものなど、さまざまです。

自費の入れ歯の場合は、使用感や見た目にこだわった使い心地のよい入れ歯を製作することができます。

自費の入れ歯のメリットとデメリット

<メリット>
・目立たず、見た目のよい入れ歯を作ることができる
・違和感や異物感の少ない入れ歯を作ることができる
・ズレることや動くことの少ない、安定した入れ歯を作ることができる

これらのメリットのように、ご自身の希望に合った特注の入れ歯を作ることができます。

<デメリット>
・費用が高価
・製作に時間がかかる場合がある

【保険】入れ歯の種類・値段

保険の記載用紙

保険適用の入れ歯は、1種類しかありません。人工歯の部分と粘膜の上にのる床(しょう)の部分共に、プラスチック製です。部分入れ歯の場合は、歯に引っ掛けて固定するためのクラスプがあります。

費用は保険の自己負担割合によりますが、3割負担の場合、部分入れ歯では3,600〜7,500円程度、総入れ歯では9,000円程度です。

【自費】入れ歯の種類・値段

握手する歯科医と患者

自費の入れ歯の場合は、自分に合った特注の入れ歯を作ることができるので、種類が非常に多いです。

代表的な入れ歯の種類について、特徴や値段を紹介していきます。値段は、自費の場合は歯科医院ごとに設定しているため目安にしてください。また、ご自身の歯がどのくらい残っているかによって入れ歯の大きさに差があるため、費用も異なります。

金属床義歯

入れ歯の床(しょう)部分に金属を使ったものです。正面から見えるところはピンク色のプラスチックでできていますが、裏側や口蓋の部分は薄い金属のフレームでできています。厚みがないので異物感や違和感が少なく、密着性が高いのでフィットしやすいことが特徴です。

また、プラスチックと比べて熱が伝わりやすいので、温かいものや冷たいものをおいしく食べることができます。金属アレルギーの場合は、アレルギー状況に合わせてチタンなどのアレルギーが起こりにくい金属を選ぶことができます。

値段の相場は、10万〜60万円です。

マグネットデンチャー(磁性アタッチメント義歯)

入れ歯と残っている歯の部分に磁石を取り付けて、磁力で入れ歯を固定させる義歯です。磁石の力で入れ歯を安定させるので、金属のバネを取り付けなくても済みます。入れ歯とご自身の歯の側に磁石を取り付けなくてはならないので、取り付ける歯がなくてはなりません。

のちほどご紹介しますが、歯がまったく残っていなくても、インプラントを利用してマグネットデンチャーにする方法もあります。

値段の相場は、20万〜60万円です。

コーヌスクローネ(コーヌス義歯)

残っている歯に金属冠(内冠)を被せ、その上から入れ歯を装着するタイプの義歯です。義歯のほうには金属冠の外冠にあたる部分が組み込まれています。

内冠と外冠がピッタリと重なって、入れ歯が外れない仕組みです。外れにくく安定感があるので、しっかり噛める入れ歯といえます。

値段の相場は、10万円〜60万円です。

シリコーン義歯(コンフォート義歯)

床の一部がシリコンでできている入れ歯です。粘膜と接する面がシリコンでできているため、入れ歯の歯茎にかかる圧力が軽減されます。痛みが出にくいのが特徴です。

ただし、シリコン部分に汚れがつきやすく、経年劣化でシリコンが剥がれてしまうことがあります。

値段の相場は、10万〜60万円です。

ノンクラスプデンチャー

部分入れ歯の、金属のバネ(クラスプ)のない義歯です。金属のバネの代わりに、歯茎に近い色の樹脂でできた床を伸ばしたような形態をしています。

装着した際に自然な見た目になり、入れ歯を装着していることに気づかれにくいのが特徴です。金属に比べると耐久性が落ちますが、審美的に優れています。

値段の相場は、10万〜30万円です。

インプラントデンチャー(インプラントオーバーデンチャー)

総入れ歯・部分入れ歯の両方に可能な入れ歯です。数本のインプラントを埋入し、残った歯とインプラントで入れ歯を固定し安定させる方法です。インプラントと入れ歯を維持させるために「ロケーターアタッチメント」というパーツで固定させます。入れ歯の内面は凹タイプのアタッチメント、インプラント側は凸タイプのアタッチメントを用います。

失った歯の1本1本をインプラントにする必要がなく、少ないインプラントの本数で義歯を固定することができます。先にご紹介したマグネットデンチャーのように、インプラントにマグネットを取り付ける方法もあります。

インプラントデンチャーは手術が必要なので、治療期間が長くなります。

値段の相場は、50万〜200万円です。インプラントの手術料金が入るため費用は高額です。埋入するインプラントの本数によって料金が異なるため、大きく差があります。

まとめ

歯を指さして笑顔の女性
入れ歯には、保険内で製作する入れ歯と自費の入れ歯があります。
保険内で製作する入れ歯は安価ですが、材料や素材が決められているため、決められた形の入れ歯しか作ることができません。

一方で、自費の入れ歯は高額ですが、材料や素材を自由に選ぶことができ、装着感や使用感、見た目など、希望に合わせた入れ歯を製作することができます。値段は10万円程度のものから100万円以上のものまで、さまざまです。

入れ歯は毎日使うものです。値段や特徴を踏まえたうえで、どのような入れ歯にするのか検討するのがよいでしょう。

入れ歯についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザライン治療を行うと痩せる?その理由とそのほかのメリット

2023年5月7日
絨毯の上にある2つのマウスピース

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザライン治療は、歯並びを矯正するための治療として知られていますが、インビザライン治療を行うと痩せるという話があるのはご存じでしょうか。

今回は、インビザライン治療を行うと痩せる理由や、インビザライン治療のメリットについて解説します。

インビザライン治療を行うと痩せる?

頭に?を浮かべて悩む女性

結論から述べると、インビザライン治療で痩せることはあります。

しかし、インビザライン治療は、あくまで歯並びを改善する治療であり、痩せるための治療ではないことを認識しましょう。

体重の増減は、日頃の摂取カロリーと消費カロリーの差によって決まります。後述しますが、インビザライン治療中は、間食などが減少し、摂取カロリーが少なくなるため痩せることが多いです。矯正治療中、摂取カロリーに変化がなければ、痩せることはありませんので注意しましょう。

インビザライン治療を行うと痩せる理由

鏡の前でお腹周りを気にする女性

インビザライン治療を行うと痩せるのは、なぜでしょうか。

以下、詳しくご説明します。

間食が減る

インビザライン治療では、取り外しのできる透明なマウスピースを使用します。マウスピースは、1日に20〜22時間以上装着しないといけません。

しかし、装着した状態で飲食をすると、マウスピースが割れることがあるので、食事の際は外す必要があります。飲食のたびにマウスピースの着脱をすることや、食後の歯磨きが手間に感じ、間食が減って痩せることがあるでしょう。

ジュースなどの飲み物を飲む機会が減る

インビザライン治療中に、オレンジジュースやコーラなどの色の付いた物を飲むと、マウスピースが着色することがあります。そのため、マウスピースを装着しているときは、水を飲むことが基本です。

このような理由から、糖分が入ったジュースなどを飲む機会が減り、痩せることがあるといえるでしょう。

矯正の痛みで食欲が減る

インビザライン治療では、歯を動かしたい方向に力をかけることで歯を動かします。個人差がありますが、歯に力を加える際に痛みを感じることがあります。

この痛みの影響で食欲が減り、痩せる方もいるでしょう。

満腹中枢が刺激される

脳には、満腹感を認識する満腹中枢が存在します。この満腹中枢が刺激されると、空腹感がなくなり食べ過ぎを防ぐことができるのです。

インビザライン治療により歯並びがきれいになると、噛み合わせが改善します。食事の際によく噛めるようになるため、満腹中枢が刺激され過食を防ぐことができるといえるでしょう。

食事の時間が長くなる

インビザライン治療では、歯の表面に「アタッチメント」とよばれる小さな突起を付けることがあります。

アタッチメントは、専用の接着剤を用いて接着しているため、強くものを噛むと取れてしまう場合があります。そのため、食事のときは、ゆっくりと時間をかけて噛まなければなりません。食事に時間をかけることで、満腹中枢が刺激され、食事の量が減ることがあるでしょう。

インビザライン治療には小顔効果も?

喉元を気にする女性

インビザライン治療は、あくまで歯並びを改善する治療のため、必ずしも小顔になるわけではありません。

しかし、噛み合わせを改善することで、お顔の筋肉への負担が軽減され、フェイスラインが改善されて顔のバランスが整うことがあります。

インビザライン治療で小顔効果が期待できるケース

基本的にインビザライン治療のみでは、小顔効果は期待できません。

しかし、もとの歯並びの状態によっては、矯正治療での小顔効果が望めます。

以下、インビザライン治療で小顔効果が期待できるケースについてまとめました。

Eラインが改善できる場合

Eラインとは、顔を横から見たときに鼻先から下顎の先を直線で結んだ線のことをいい、この線の内側に唇があると、横顔が美しく見えるといわれています。

インビザライン治療によりEラインが改善される場合は、顔の印象が変化し、小顔に見える場合があるでしょう。Eラインが改善される症例としては、上の前歯が前方に出ている出っ歯、下の前歯が前方に出ている受け口があげられます。

なお、骨格が原因で前歯が前方に出ている場合は、インビザライン治療で改善することはできません。

噛み合わせが原因でエラが張っている場合

エラが張る原因は、主に2つあります。ひとつは、骨格的にエラが張っている場合です。もうひとつは、咬筋(こうきん)とよばれる、噛むときに働く筋肉が発達することで、エラが張っているように見える場合です。後者の場合は、インビザライン治療により、小顔効果が期待できます。

噛み合わせの状態がよくないと咬筋に負荷がかかり、咬筋が発達します。インビザライン治療により、噛み合わせがよくなると、噛む際に咬筋に過度な負荷はかかりません。そのため、発達していた咬筋が本来あるべき状態に戻り、エラの張りが改善することがあります。

ほかの矯正治療とここが違う!インビザライン治療の特徴

マウスピースをはめる女性

インビザライン治療が口元やフェイスラインにどのような影響を与えるのかご説明しました。

では、インビザライン治療は、ワイヤー矯正などと比べてどのような特徴があるのでしょうか。以下、インビザライン治療の特徴についてまとめました。

矯正器具の取り外しができる

ワイヤー矯正では、歯の表面に小さい金属を取り付け、そこに矯正用のワイヤーを装着します。

一方、インビザライン治療では、マウスピースを装着することで矯正治療を行います。マウスピースは自由に取り外しができるので、食事や歯磨きは矯正治療を開始する前と同じように行えることが特徴です。

矯正の痛みが比較的少ない

矯正治療では、歯を動かすために力を加える必要があります。

インビザライン治療では、ワイヤー矯正に比べて弱い力で歯を動かすため、矯正の痛みが少ないことが特徴です。

矯正していることが目立たない

インビザライン治療では、透明なマウスピースを使用します。そのため、矯正器具が目立ちません。

また、自由に取り外しができるので、人前で話すときはマウスピースを外すことができます。

痩せるだけじゃない!インビザライン治療のメリット

歯を見せて笑う女性

インビザライン治療には、痩せる以外にもメリットがあります。

以下、インビザライン治療のメリットをまとめました。

虫歯や歯周病を予防できる

歯並びが悪いと、歯と歯のすき間や歯と歯肉の境目に歯ブラシをうまく当てることが難しいです。磨き残しが増え、虫歯や歯周病の原因になってしまいます。

インビザライン治療で歯並びを改善することで、細かいところまで歯ブラシを当てることができるようになります。結果的に、虫歯や歯周病を予防できるのことは、大きなメリットといえるでしょう。

コンプレックスを解消できる

歯並びがよくないと口元が気になり、人前で話をすることに抵抗を感じる方もいるでしょう。歯並びを改善することで、口元を気にせず話したり、口を大きくあけて笑うことができます。

滑舌を改善できる

歯と歯にすき間があると、サ行やタ行の滑舌が悪くなることがあります。

インビザライン治療により歯と歯の間のすき間を改善することで、滑舌を改善することができます。

よく噛めるようになる

奥歯の歯並びが悪いと、ものをうまく噛めません。奥歯の歯並びを改善することで、噛み合わせも改善され、よく噛めるようになるでしょう。また、噛み合わせが悪いと、顎の関節に負荷がかかり、顎関節症になる可能性があります。

噛み合わせを改善することで、顎関節への負担を軽減することができます。

まとめ

歯の模型を持って説明する女性医師

今回は、インビザライン治療を行うと痩せるのかという疑問について解説しました。

インビザライン治療自体には、ダイエット効果はありません。

しかし、マウスピースの装着に伴い、食事回数などが減ると痩せる場合があります。また、出っ歯や受け口、咬筋が発達している場合に限れば、小顔効果が期待できることがあります。インビザラインはメリットの多い矯正治療です。歯並びが気になる方は、検討するとよいでしょう。

インビザラインについてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザライン治療のIPRとは?目的やメリットについて詳しく解説!

2023年3月11日
ゴム手袋を付けた手にマウスピースが持たれている

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

インビザライン治療は、透明なマウスピースを装着して歯を動かす矯正方法です。従来のワイヤー矯正のように装置が目立つことがなく、審美面でも優れているため人気があります。

インビザライン治療中に行う処置の一つに、IPRという歯を削る処置があります。歯を削ると聞くと「虫歯になりそう」と心配する方がいるかもしれません。

今回は、IPRで歯を削る方法やIPRの目的について詳しく解説します。インビザライン治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

インビザライン治療のIPRとは

歯の治療器具が並んでいる

インビザライン治療のIPRについて、歯の削る量や部位について詳しく解説します。

IPRとは

IPRとは、歯の側面をやすりで削る処置のことです。インビザライン以外の矯正治療でも頻繁に行われます。

歯を削ると聞くと不安に思う方がいるかもしれませんが、IPRで削る量はわずかであるため、痛みや虫歯の心配はありません。

IPRで削る量

歯の部位や面によってエナメル質の厚さは異なりますが、側面のエナメル質は約1~2mmあるといわれています。

IPRで削る面は歯の側面であり、削る量は0.1〜0.25mm程度です。すなわち、エナメル質の1/20~1/4以下の量を削ることになります。薄いやすりで少しずつ削り、歯の象牙質まで及ぶことはないため、神経に痛みを感じることはありません。

また、インビザライン治療では、3Dスキャン機器で歯の削る部位や量を計算します。削った量も記録して管理するため、削り過ぎなどのトラブルを防げます。

インビザライン治療においてIPRを行う目的

歯の模型を使って説明する歯科医師と、説明を聞く患者

インビザライン治療におけるIPRは、歯を並べるスペースを確保するための有効な処置です。スペースを確保する以外にもさまざまな目的があります。

インビザラインでIPRを行う目的は、以下の4つです。

・歯並びを整えるスペースを確保する

・歯の形や横幅を調整する

・隣り合う歯と歯茎のすき間を整える

・矯正の後戻りを防ぐ

一つずつ、詳しく解説します。

歯並びを整えるスペースを確保する

歯が重なり歯列がガタガタの場合、歯をきれいに並べるためにはスペースを確保する必要があります。

複数本の歯を少しずつ削ることで、ある程度のスペースを確保できます。

歯の形や横幅を調整する

歯の大きさや形は人によって異なります。例えば、前歯2本が隣の歯に比べて横幅が広く目立っている場合、歯のサイドを削ることで歯がスリムになり、前歯の悪目立ちがなくなります。

歯の角の丸みや横幅など左右のバランスを整えることで、より美しい歯並びを実現できるでしょう。

隣り合う歯と歯茎のすき間を整える

歯と歯の間の歯茎が下がり、黒く見えることを「ブラックトライアングル」といいます。ブラックトライアングルが大きいと、歯が長く見えて見た目が悪くなります。特に、もともと歯が重なっていた場合、周囲の骨ができにくく歯茎が下がります。そのあとに矯正で歯並びを整えると、歯の重なりがなくなり歯が一列に並ぶため、歯茎が下がったのが目立ってしまうのです。

歯の先端に近い側面を削ることで、歯が密着してブラックトライアングルが小さくなるため、見た目が改善します。

矯正の後戻りを防ぐ

歯の側面を削ると隣の歯と接する範囲が広くなるため、隣の歯に固定されて動きにくくなります。IPRを行うことで、矯正後に歯が元に戻ろうとする後戻りを防げるでしょう。

インビザライン治療においてIPRを行うメリット

オレンジ背景の前て両手でグッドサインを出している男性

歯を削るのはできれば避けたいと思う方がいるかもしれませんが、IPRを行うことで抜歯をせずに矯正できるなどメリットもあります。

インビザライン治療においてIPRを行うメリットは、以下の4つです。

・抜歯をせずにスペースを確保できる

・歯の形を整えてより美しい口元を作れる

・ブラックトライアングルを小さくできる

・スムーズに歯を動かせて矯正期間が短縮できる

一つずつ、詳しく解説します。

抜歯をせずにスペースを確保できる

顎が小さく歯が重っている場合、抜歯をしてスペースを確保し歯並びを整えます。IPRで歯を少しずつ削りスペースを確保できれば、抜歯をせずに矯正ができます。

ただし、IPRを行っても十分なスペースが確保できない場合は、抜歯や顎の拡大装置を併用することがあります。

歯の形を整えてより美しい口元を作れる

口元は、上下左右の歯の大きさが対照になっているとより美しく見えます。

矯正で歯並びを整えることに加えて、IPRで歯の形を調整することで、理想の口元に近付けるでしょう。

ブラックトライアングルを小さくできる

IPRで歯の側面を削ると、隣り合う歯が近付き、ブラックトライアングルが小さくなります。ブラックトライアングルが小さくなることで、歯茎が再生しブラックトライアングルがさらに小さくなるともいわれています。

歯のすき間がなくなることで、食事中に食べ物が詰まるなどの問題も改善できるでしょう。

スムーズに歯を動かせて矯正期間が短縮できる

マウスピースで歯を動かしながらIPRを行うと歯をスムーズに動かせるため、矯正期間を短縮できます。

インビザライン治療では、3Dスキャンで立てた治療計画にIPRを組み込み、歯を削るタイミングや量を決められるため、効率的に矯正治療を進められるでしょう。

インビザライン治療においてIPRが必要なケース

歯鏡で口内を診察している女性の口元

歯を並べるすき間が不足しているケース

重なっている歯や前に出ている歯を歯列に収めるためには、歯を動かすスペースを確保する必要があります。インビザライン治療を非抜歯で行う際、スペースを確保できるIPRは有効な手段です。そのほか、歯を並べるスペースを確保する方法には、抜歯や顎を拡大する方法もあります。

歯の大きさが上下左右で異なるケース

歯の大きさは人によって異なり、遺伝による矮小歯(わいしょうし)など、生まれつき小さい歯も存在します。特に前歯が不揃いであると、矯正治療で歯をきれいに並べても口元全体のバランスが整わない場合があります。歯の大きさを整えることで、左右の噛み合わせのバランスもよくなります。

IPRの方法

女性歯科医師から治療を受ける女性

IPRに使用する器具と具体的な流れをご紹介します。

IPRに使用する器具

IPRは、以下の器具を用いて歯の側面を削ります。

・手用のやすり

・ハンドピース用に取り付けるやすり

・細いバー

・ダイヤモンドディスク

やすりで歯の側面を削る

歯と歯の間に薄いやすりを入れて、歯の側面を少しずつ削ります。やすりのサイズを薄いものから厚いものに替えていき、歯と歯のすき間を少しずつ広げます。

使用するやすりには、手用のやすりやハンドピースに取り付けて使うやすり、ダイヤモンド加工されたディスクがあります。

細いバーですき間を作る

やすりである程度のすき間ができたら、細いバーを使ってさらにスペースを広げていきます。0.1mmずつ、ほかの歯とのバランスを確認しながら削ります。

削った量を記録する

IPRは矯正治療中に複数回行うため、削り過ぎることがないように、その日に削った量や部位を記録します。

研磨

削ったあとのざらつきをなくすために、表面を研磨します。

フッ素塗布

削ったあとは歯の表面が荒れた状態になるため、再石灰化を促すためにフッ素を塗布します。

IPRを行うにあたって気になること

コルクのテーブルの上にクエスチョンマーク・頭脳・電球が描かれた木のブロックが並んでいる

健康な歯を削ることで、将来的に歯の神経が死んでしまったり、痛みが出たりしないのか詳しく解説します。

歯を削っても安全性に問題はない?

歯を削ると聞くと「歯の神経が死んでしまうのでは」と安全性の問題を心配される方もいらっしゃると思います。

しかし、IPRで歯を削る量はエナメル質のごくわずかであり、神経の通っている象牙質まで到達することはありません。また、IPRの処置では麻酔を行うこともありません。隣接面に被せ物や詰め物がある場合は、人工物を多く削るなど健康な歯を残すように工夫して削ります。

歯の痛みや知覚過敏のリスクはない?

知覚過敏や虫歯の場合、象牙質の露出や象牙質まで虫歯が進行することで痛みが発生します。IPRの処置ではエナメル質の表面を軽く削るため、痛みや知覚過敏の心配はありません。

ただし、電動の器具で削る場合、歯を擦る振動が伝わり不快感があるかもしれません。不安を感じる方は、事前に使用する器具を見せてもらい、鏡で見ながら処置を行うことで安心感を得られるでしょう。

IPRはどのタイミングで行う?

IPRを行うタイミングは大きく分けて2つあります。以下で詳しく解説します。

インビザライン治療前にIPRを行う場合

歯を移動させるスペースがない場合は、矯正治療の開始前に歯を削る場合があります。

インビザライン治療では矯正後の歯並びをシミュレーションできるため、目標とする歯並びに合わせて事前に歯の削合量を決定できます。事前にIPRを行うことで、効率的に矯正治療を進めることが可能です。

インビザライン治療中にIPRを行う場合

マウスピースで歯を移動させながら必要な部位に対してIPRを行うと、歯をスムーズに動かせるため、矯正期間を短縮できます。効率よく矯正することは、患者様の負担軽減にもつながるでしょう。

また、矯正治療中にブラックトライアングルが発生した際にIPRを行う場合もあります。

まとめ

紫の背景の前で片手にマウスピースを持っている女性がいる

IPRは、歯を動かすスペースを確保し、バランスを整えるために必要な処置です。インビザライン治療では、3Dスキャンを併用することで、より正確に矯正治療を進めることができます。IPRで歯を削る量はわずかであり、歯に影響はありません。IPRに不安がある方は、歯科医院で画像を見せてもらい、削る部位や量の説明を受けるとよいでしょう。矯正治療は長期にわたるため、納得したうえで治療を進めることをおすすめします。

インビザライン治療についてお悩みがある方は、島根県浜田市にあるかずあきデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。

インビザラインと裏側矯正どちらがいいの?それぞれの違いを詳しく解説!

2023年1月18日
インビザラインとワイヤー矯正が装着された歯の模型を持っている女性

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

「装置が目立たない矯正をしたい」という方は、インビザラインか裏側矯正のどちらかで悩まれる方が多いです。どちらも矯正していることが気付かれにくいので、見た目を気にされる方にとっては嬉しい治療法です。

この記事では、インビザラインと裏側矯正の特徴をそれぞれ説明しています。治療法の選択で悩まれている方はぜひ参考にしてください。

インビザラインとは?

インビザラインを持っている

インビザラインとは、取り外しが可能なマウスピースを1日20〜22時間以上装着することで歯並びを整える、マウスピース矯正の中でも代表的な治療法です。使用するマウスピースは、最初にまとめて製作され、1〜2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。当初は、インビザラインで治療可能な症例は限られていましたが、ここ数年で幅広い症例にも対応できるようになりました。

インビザラインのメリットは?

インビザラインのメリットは、以下の3つです。

・装置が目立ちにくく、矯正していることが気付かれにくい

・装置を取り外せるため、お口のケアをしやすい

・違和感や痛みが少ない

それぞれを詳しく解説します。

装置が目立ちにくく、矯正していることが気付かれにくい

インビザラインの装置は透明なマウスピースなので、装着していても気付かれにくいでしょう。接客業などで見た目を気にされる方や、結婚式を控えているけどすぐに治療を始めたい方などにおすすめです。

装置を取り外せるため、お口のケアをしやすい

インビザラインは装置を取り外せるため、歯磨きなどのお口のケアをしやすいです。ワイヤー矯正は歯の表面に装置を接着しているのでブラッシングが難しく、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。その点、マウスピースはブラッシング時に装置を取り外せるため、しっかりお口のケアができます。

違和感や痛みが少ない

ワイヤー矯正はワイヤーで固定するため、調整後はしばらく締め付けられるような痛みが出ます。インビザラインは取り外しが可能なマウスピースを装着するため、締め付けられるような痛みは少ないでしょう。

しかし、まったく痛みが出ないわけではありません。歯を動かすので多少の痛みは伴います。また、ワイヤー矯正は歯の表面にたくさんの装置を接着するため、慣れるまではお口の粘膜が傷つきやすく、口内炎になってしまうこともあります。その点、マウスピースは薄いため、それほど違和感がありません。

インビザラインのデメリットは?

インビザラインにはデメリットもあります。インビザラインのデメリットは、以下の4つです。

・きちんとマウスピースを装着していないと治療が進まない

・飲食のたびにマウスピースを取り外してブラッシングをする必要がある

・紛失しやすい

・インビザラインでは治療できない症例もある

それぞれを詳しく解説します。

きちんとマウスピースを装着していないと治療が進まない

取り外しが可能な装置のため、お口のケアをしやすいメリットがありますが、きちんと装着しなければ治療が進まないというデメリットもあります。ワイヤー矯正は固定されているので、着実に歯を動かすことが可能です。インビザラインは指示された装着時間を守らずにさぼってしまうと治療が進まず、治療期間も延びてしまいます。

飲食のたびにマウスピースを取り外してブラッシングをする必要がある

インビザラインでは、マウスピースを装着したまま飲食ができません。マウスピースを装着したまま飲食をすると、破損や虫歯、歯周病の原因になります。水を飲む程度なら装着したままでも問題ありませんが、基本的には飲食をするたびにマウスピースを取り外す必要があります。再度マウスピースを装着するときも、きちんと歯磨きをしてからでないと、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

紛失しやすい

飲食のたびにマウスピースを取り外さないといけないため、外食などに出かけるとマウスピースを紛失してしまうことが非常に多いです。マウスピースを取り外したときにティッシュに包んでしまうと、ほかの人が気付かずに捨ててしまうことがあります。マウスピースを取り外したときは必ず専用の容器に入れて保管するようにしましょう。

インビザラインでは治療できない症例もある

インビザラインは、ここ数年で幅広い症例に対応できるようになりましたが、それでもインビザラインでは治療が難しいケースがあります。歯の移動量が多い場合や捻れている歯を動かす場合などは、ワイヤー矯正のほうが適しています。

裏側矯正とは?

歯の模型の歯の裏を歯鏡で確認している

裏側矯正とは、歯の裏側にブラケットと呼ばれる装置を接着するワイヤー矯正のことです。通常のワイヤー矯正よりも治療の難易度が高く、治療期間も長くなりやすいですが、装置が目立ちにくいので見た目を気にされる方におすすめです。

裏側矯正のメリットは?

裏側矯正のメリットは、装置が目立たないという点です。歯の裏側に装置を接着しているので、外出先で食べ物が装置に挟まったとしても目立たないでしょう。

裏側矯正のデメリットは?

裏側矯正のデメリットは、以下の5つです。

・違和感をおぼえやすく、舌が傷つきやすい

・治療期間が長くなりやすい

・慣れるまで話しにくい

・ブラッシングが難しい

・費用が高額

それぞれを詳しく解説します。

違和感をおぼえやすく、舌が傷つきやすい

歯の裏側に装置を接着するので、舌に装置が当たりやすくなります。慣れるまでは違和感をおぼえやすく、舌のあちこちが傷ついてしまうこともあります。特に上下とも裏側矯正を選択した場合、最初は粘膜のトラブルに悩むでしょう。装置が目立ちやすい上の歯は裏側矯正にして、装置が目立ちにくい下の歯は通常のワイヤー矯正にすると、違和感を減らせ、費用も抑えられます。

治療期間が長くなりやすい

裏側矯正は、治療の難易度が高く、通常のワイヤー矯正よりも治療期間が長くなことが多いです。すべての症例で治療期間が長くなるわけではないですが、治療前にどれくらいの治療期間がかかるか歯科医師に確認しておきましょう。

慣れるまで話しにくい

歯の裏側に装置を接着することによって舌の邪魔になり、話しにくさを感じる方も多いです。慣れれば気にならなくなりますが、最初は発音にも問題が出やすいでしょう。

ブラッシングが難しい

通常のワイヤー矯正でもブラッシングが難しいですが、裏側矯正はさらにブラッシングの難易度が上がります。適切なブラッシングができていなければ、虫歯や歯周病などのトラブルになりやすいため、歯科衛生士にブラッシング指導を受けるようにしましょう。

費用が高額

裏側矯正は、通常のワイヤー矯正よりも難易度が高い治療のため、費用も高額です。自由診療なので歯科医院によって費用は異なりますが、1,000,000〜1,500,000円ほどかかるでしょう。

インビザラインと裏側矯正の違い

インビザラインとワイヤー矯正の装置が付いた模型を持っている

インビザラインと裏側矯正の共通点は、矯正していることが周囲に気付かれにくい点です。

しかし、治療法はまったく異なります。それぞれの違いを表にまとめてみました。

〈インビザラインと裏側矯正の違い〉

インビザライン裏側矯正
見た目目立ちにくい目立ちにくい
費用相場では700,000〜1,000,000円程度相場では1,000,000〜1,500,000円程度
治療期間ワイヤー矯正とそれほど変わらず、治療に消極的だと治療期間が長くなることもある通常のワイヤー矯正よりも治療期間が長くなることがある
違和感少ない強い
トラブル装置を紛失しやすい装置により舌が傷つきやすい
お口のケア通常通りにブラッシングが行える装置が裏側に付いているため、ブラッシングがより難しくなる

インビザラインと裏側矯正どちらがおすすめ?

4つの豆電球が並んでおり1つだけ電気が付いている

インビザラインと裏側矯正で迷われている方は「目立ちにくい矯正」を希望されている方が多いのではないでしょうか。

2つの治療法の大きな違いは、取り外しが可能か、固定式かという点です。しっかりマウスピースの装着時間を守って治療に取り組めるのであれば、費用を抑えられて痛みも少ないインビザラインを選択したほうがいいでしょう。

しかし「マウスピースを装着するのを忘れてしまいそう」という方は、治療が進まず失敗する恐れもあるため、裏側矯正を選択したほうがいいかもしれません。インビザラインは幅広い症例に対応できるようになりましたが、それでもインビザラインでは治すのが難しい症例もあります。その場合はワイヤー矯正で治療することになりますが、装置が目立つことに抵抗があるのであれば裏側矯正をおすすめします。

まとめ

治療椅子に座りインビザラインを装着しようとしている女性

インビザラインも裏側矯正も、矯正していることが気付かれにくい治療法です。インビザラインは違和感や痛みも少なく、費用を抑えられるメリットがありますが、自分で装置の管理を行い、指示されたとおりに装置を装着しなければ治療が失敗する可能性もあります。

一方で、裏側矯正は、インビザラインでは治療が難しい難症例にも対応できますが、治療の難易度が高く、費用が高額です。また、舌が傷つきやすいなどのトラブルも起こりやすいでしょう。自分自身がどれだけ治療に積極的に取り組めるのか、違和感や粘膜のトラブルに耐えられるのかを検討されたうえで治療法を選ぶことをおすすめします。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。

前歯のみのインビザライン治療はできる?治療にかかる期間や費用を解説!

2022年12月21日
舌を噛んでいる女性

長いマスク生活が続きますが、マスクを外したときの歯並びに自信はありますか?実は多くの方が歯並びにコンプレックスを抱えていて、なかなか歯科矯正に踏み出せないのが事実です。矯正治療は「費用が高い」「矯正器具が目立つ」「期間が長い」「痛みが心配」などの理由から諦める方もいます。

歯科矯正はさまざまな種類がありますが、透明のマウスピースを使い、目立ちにくく、食事や歯磨きのときも外せるインビザラインは、近年人気が高い矯正方法です。

しかし、歯の全体をインビザラインで矯正すると2~3年はかかるため「前歯のみを短期間で矯正したい」という方もいます。また、全体を矯正するのは大掛かりで、ハードルが高いという方もいらっしゃるでしょう。

今回は、インビザラインで前歯のみ治療ができるか、治療にかかる費用や期間について、詳しく解説します。

インビザラインで前歯だけを治療することはできる?

「?」が描かれた5つの丸い積み木

インビザラインで全体矯正するのではなく、前歯のみを矯正治療することは可能です。

注意してほしいのは、誰もが前歯のみのインビザラインが対象ではなく、一部の方のみに適応されることです。対象の方は、軽度の叢生と出っ歯の方、前歯に隙間がある「すきっ歯」といわれる方が対象です。

軽度の叢生

叢生とは、歯並びが凸凹ガタガタな状態で「乱ぐい歯」ともいわれます。歯と歯が重なりあい、歯の向きが斜めになっています。軽度の叢生だと、前歯のみを動かすインビザラインが可能で、少し歯を削りスペースを確保して動かすこともあります。

歯が捻れた状態で生えている捻転歯も、軽度の状態でしたら前歯のみのインビザラインで治せます。

軽度の出っ歯

前歯のみのインビザラインでは、軽度の出っ歯も治すことができます。前歯全体が大きく出ている出っ歯は奥歯も動かす必要があるため全体矯正をします。

前歯に隙間がある

前歯に隙間があると歯を動かせるスペースがあるため、前歯のみのインビザラインが可能です。前歯に隙間があると、見た目が悪いだけでなく、空気が抜けたような発音になるため会話にも影響が出ます。

前歯のみのインビザライン治療ができないケース

医師が胸の前で「×」サインを出している

前歯のみのインビザラインは治療できないケースもあります。詳しく見ていきましょう。

抜歯を必要とする歯並び

重度の歯並びの悪さは、場合によって抜歯が必要です。歯の大きさに対して顎が小さくて歯が並びきらない場合は、抜歯することが多くあります。抜歯したスペースを利用して歯を動かしてから全体矯正するため、前歯のみのインビザラインはできません。

噛み合わせが悪い

噛み合わせが悪いと、顎関節症や噛みにくさからくる消化不良・肩こり・頭痛など、体の不調が現れます。矯正は、歯並びがよくなり見た目がキレイになることが重要ですが、噛み合わせがよくなることも非常に大切です。噛み合わせが悪い場合はインビザラインで前歯のみ矯正はできず、全体矯正をします。

叢生が強い方

叢生が強いと歯を動かすスペースがないため、前歯のみのインビザラインはできません。凸凹ガタガタと歯が入り組んで生えているため、全体矯正をします。歯を並べるスペースがない叢生は、抜歯をして全体を動かし矯正します。顎が小さい方・歯が大きめな方・乳歯の時にたくさん虫歯があった方は、強い叢生になる傾向があるのです。

重度の出っ歯

軽度の出っ歯はインビザラインで前歯のみ矯正できますが、重度の出っ歯の場合は対象外です。重度の出っ歯は全体矯正が必要で、場合によっては外科手術も適応されます。

反対咬合

しゃくれや受け口ともいわれる反対咬合は、噛み合わせが悪く、サ行やタ行の発音がしにくい状態です。しっかり噛めないため消化不良を起こしやすく、見た目や発音のコンプレックスもみられます。反対咬合の場合は前歯のみのインビザラインはできないため、全体矯正や外科手術で顎の骨を後ろに下げることも検討されます。

過蓋咬合

過蓋咬合とは、噛み合わせが深く、上の前歯が下の前歯のほとんどを覆ってしまいることです。通常は上の前歯が下の前歯の4分の1を覆った状態ですが、過蓋咬合で深く噛み合っていると、上の前歯の裏側を下の前歯で傷つけ、歯茎に炎症が起きます。噛み合わせの問題で、詰め物や被せ物が外れやすく、奥歯に負担もかかります。過蓋咬合は噛み合わせ全体を治す必要があるため、インビザラインで前歯のみの矯正はできません。

前歯のみのインビザライン治療のメリットとデメリット

メリット・デメリットが書かれている手帳

インビザラインで前歯のみ部分矯正することは気軽で負担も少なく、メリットが多いといえます。

しかし、当然デメリットも存在しますので、前歯のみのインビザラインを希望している場合は事前に主治医に確認しましょう。

メリット

インビザラインは透明のマウスピースを使用するため、従来のワイヤー矯正より気付かれずに矯正できます。しゃべりにくくなったり食べづらいなどのわずらわしさがなく、金属アレルギーの心配もいりません。

前歯のみをインビザライン治療できると、全体を矯正するよりも簡単に短期間で矯正が終わります。結婚式や入学などのイベントを控えている方も、気軽に矯正できて費用も安く済みます。

また、インビザラインは、ワイヤー矯正よりも痛みが少ないのが特徴です。前歯のみのインビザラインは、全体をインビザライン矯正するよりもさらに痛みを軽減できます。

デメリット

前歯のみのインビザラインは奥歯の矯正はできないため、噛み合わせを治すことはできません。

また、前歯を動かすスペースを確保するため、少し歯を削る「ディスキング」と呼ばれる処置をすることがあります。ディスキングで削る量は微量なため、歯にダメージがなく心配はいりませんが、削った刺激で一時的に知覚過敏のようにしみやすくなることがあるでしょう。しみる症状が出た場合は、しみ止めのお薬を塗布して様子をみますが、大体の場合は短期間で症状が落ち着きます。

前歯のみのインビザライン治療にかかる期間

木のテーブルの上にカレンダーと赤いボールペンが置かれている

前歯のみのインビザラインの治療期間は、おおよそ6か月~1年です。個人差もありますが、全体矯正すると2~3年はかかるため、期間はかなり短縮されて患者さんの負担も減ります。「矯正は期間が長い」とあきらめていた方も、前歯のみインビザライン矯正ができたら気軽に挑戦できるでしょう。

注意したいのは、上記の期間とは別に、動いた歯が後戻りを防ぐために行う「保定期間」が必要ということです。保定期間は「リテーナー」と呼ばれる歯の後戻り防止装置を矯正後に約2年間装着します。リテーナーは、インビザライン矯正と同様に食事や歯みがきのときには取り外し可能で、部分矯正も全体矯正も保定期間は同じです。

前歯のみのインビザライン治療にかかる費用

「¥」マークが描かれている積み木が階段のように並べられている

歯並びの状態や歯科医院によって料金は異なりますが、前歯のみのインビザラインは30~50万円程度でおこなうことができます。全体矯正をすると100万円前後はかかるので、費用をかなり抑えられるでしょう。

全体矯正は高額で踏み出せない方も、前歯のみのインビザラインなら気軽にチャレンジできるという方も多くいます。昨今、前歯のみのインビザラインで見た目のコンプレックスを解消して、金銭に余裕ができたら噛み合わせをしっかりと治すために全体矯正をする方もいます。

まとめ

マウスピースを持っているロングヘアの女性

前歯のみのインビザラインは、目立ちにくいだけでなく、費用も安く短期間で行えるので、矯正治療に躊躇している方も気軽にできるよさがあります。

しかし、見た目を重視した矯正方法のため、噛み合わせを治すことや全体矯正はできません。また、誰もが前歯のみのインビザライン対象ではないことも理解しておく必要があります。自分が対象であるかは詳しい検査と審査が必要になり、前歯のみのインビザラインのデメリットも知っておかなくてはなりません。全体矯正と部分矯正が選べるのは、矯正治療の幅が広がります。前歯のみのインビザラインが気になる方は、マスク生活でさらに目立たせずに矯正できる今、歯科医院にぜひ相談してみてください。

インビザラインとは?メリットや向いている人、注意点についても解説!

2022年11月16日

こんにちは。島根県浜田市にある「かずあきデンタルクリニック」です。

歯列矯正に興味はあるけれど、ワイヤーの装置を付けることに抵抗があるという方は多いのではないでしょうか。インビザラインは透明のマウスピースを使用して歯を移動させるので、見た目を気にすることなく矯正治療を行うことができます。

今回は、インビザラインの治療概要、メリットや向いている人についても解説していきます。

インビザラインとは?

歯の模型と矯正器具を持った女性

インビザラインは、1997年にアメリカで開発された透明のマウスピースの装置を使用した歯列矯正法です。

型取りを行い、専用のマウスピースが出来上がってきます。どのくらいの枚数のマウスピースを使用するかはプランや歯並びによっても異なりますが、難しい症例のほうがマウスピースの枚数は多くなり、治療期間も長くなります。1日20〜22時間以上の使用を推奨されていて、基本的に食費と歯磨きの時間以外は装着することになります。1枚のマウスピースを約10日〜2週間使用して、その後新しいマウスピースに交換していきます。

インビザライン治療のメリット

メリット

インビザラインで矯正治療を行うと、どのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれ解説していきます。

目立ちにくい

インビザラインは、従来のワイヤーを使用した矯正装置に比べると、透明のマウスピース型なので矯正していることが気付かれにくいです。見た目の点で歯列矯正をするかどうか悩まれている方も抵抗なく始めることができます。

取り外しができる

ワイヤーを利用した矯正装置は固定式のため、治療が終わるまでは外すことができません。そのため、食べ物が装置の間に詰まりやすかったり、歯磨きもとても時間がかかります。インビザラインのようなマウスピース型の矯正装置は取り外しが可能なため、歯磨きもしやすく虫歯や歯周病になるリスクも低くなります。

痛みや違和感が少ない

従来の矯正装置は違和感を感じやすく、粘膜に当たることで唇や頬の粘膜を傷つけてしまうことが多いのですが、インビザラインはわずか0.5mmの厚みしかありません。また、1枚のマウスピースで歯を移動させる量は最大で0.25mmのため、装着している間の痛みも少なくなるようになっています。

信頼性の高い装置である

インビザラインは比較的新しい治療法ではありますが、世界中で1300万人以上の治療実績があります。その数はマウスピース矯正の中でもトップであり、信頼性の高い治療と言えるでしょう。

インビザライン治療のデメリット

デメリット

インビザラインでの治療は、メリットのみならず、デメリットもあります。詳しく解説していきます。

難しい症例には対応できない

ワイヤーを使用した矯正に比べると、インビザラインは矯正にかかる力が弱くなります。そのため、歯並びのガタガタが強い場合や重度の出っ歯や受け口、骨格的な顎のズレが大きい場合は、インビザラインでの治療の対象外になるか治療の期間が長くかかってしまう可能性があります。

マウスピースの管理が必要

インビザラインのマウスピースは使用していくと汚れも付きやすく、毎日のお手入れが必須といえます。また、透明の装置は紛失しやすく、もし紛失してしまった場合は新しく作成するための費用が発生してしまうこともあります。治療期間が伸びてしまう原因にもなりますので、自己管理の徹底が重要です。

食事や歯磨き時には外す必要がある

インビザラインは取り外し可能な装置で、お食事や歯磨きの際は外さなければいけません。糖分を含む飲み物は虫歯の原因になるので避ける必要があります。また、熱い飲み物は変形の原因になります。よく間食をする方や職業柄よく味見などをする飲食関連のお仕事をされている方などは向いていない治療法です。

治療できる歯科医院が限られている

歯科医師がインビザラインの治療を行うには条件があり、どの歯科医院もインビザラインを取り扱っているわけではありません。現在ご自身が通っている医院で取り扱っていない場合は、別の医院にも通院する必要があります。

インビザライン治療にかかる期間

歯の模型

インビザラインの治療にかかる期間は症例によっても異なりますが、短い方でも1年半で、一般的には2年から3年かかるとされています。

治療の流れは、まずインビザラインを取り扱っている歯科医院でのカウンセリングを受けます。カウンセリングでは、インビザラインのメリットやデメリット、治療内容や費用などが確認できます。その後、治療を開始する場合は、レントゲンや型取りを行う精密検査を行います。精密検査で問題がなければ専用の口腔内スキャナーでの撮影かインビザライン用の型取りを行い、約2週間前後でマウスピースが届いて治療を開始できます。

治療が開始すると、1〜2か月ごとに通院が必要となり、その都度新しいマウスピースがきちんと使用できているかの確認と、新しいマウスピースの受け取りが必要です。治療が終了したあとは、後戻り防止のためのリテーナーの装置を約1〜2年使用します。

インビザライン治療にかかる費用

電卓とボールペン

インビザラインの費用は、治療期間と同様に症例ごとに異なりますが、平均的な相場はおよそ800,000〜1,200,000円です。治療期間が長くなるほど使用するマウスピースの枚数が多くなるため、費用が高くなる傾向があります。

歯列矯正は基本的に保険が効かないため自費診療となり、多くの医院が治療前に行う検査やマウスピースを作成するための矯正料金と、通院時に毎回発生する処置料を設定しています。また、治療が終わった後は後戻り防止のための保定装置を作成するための料金も発生します。

<インビザラインにかかる費用の一例>

 

カウンセリング0円〜5,000円
 精密検査・診断料20,000円〜50,000円
矯正料金650,000円〜1000,000円
処置量5,000円〜10,000円
保定装置10,000円〜30,000円

上記以外にも、もし途中でマウスピースを紛失してしまった場合は別途料金が発生することもあります。医院ごとに料金も変わりますので、詳しい料金体系に関してはカウンセリング時にしっかり確認をしておきましょう。

インビザライン治療が向いている人・向いていない人

歯と時計

インビザライン治療に向いている人と向いていない人の特徴をそれぞれ解説していきます。

インビザライン治療が向いている人

抜歯が必要ない症例

インビザラインは1枚のマウスピースで歯を動かす移動量が少ないため、歯並びのガタガタが多い場合や極端に出っ歯や受け口のような抜歯を必要とする症例よりも、比較的軽度な歯並びの治療を得意としています。

使用時間を1日20〜22時間以上確保できる

インビザラインは1日20〜22時間の使用を推奨しています。日常生活で使用時間を確保できる方はきちんと治療の効果を発揮することができます。

インビザライン治療が向いていない人

抜歯が必要な症例

抜歯が必要な症例の場合は歯の移動量が多く必要なため、インビザラインよりもワイヤーを使用した矯正のほうが適しています。

骨格に問題がある

顎の骨格に大きなズレがあったり変形があるような場合、インビザラインでは対応できません。

使用時間を1日20〜22時間以上確保できない

お仕事などでマウスピースを頻繁に外さなければいけない場合や装着し忘れることが多い可能性がある方は、思うような治療結果が得られない可能性があります。

インビザライン治療をするときの注意点

チェックリスト

インビザライン治療において気をつけておきたい注意点があります。詳しく解説していきましょう。

装着時間を守る

インビザラインの治療効果を発揮するためには、1日20〜22時間以上のマウスピースの装着が必要です。

もし装着時間が足りないと、予定通りに歯が移動せずに想定している治療期間に終了しなかったり、追加のマウスピースを作成する必要が出てきてしまうことがあります。その場合は、追加の料金が発生する可能性もありますので、確実に治療の効果を得たい場合は装着時間を守りましょう。

飲食時の取り外し

食事をする際は必ずマウスピースを外しましょう。

マウスピースを装着したまま食事をすると、歯と歯肉とマウスピースの間に食べ物が詰まり、虫歯や歯周病の原因になります。飲み物は装着したまま飲むこともできますが、糖分の含まれているものや熱いものは避けましょう。また、マウスピースは透明のため、着脱しない状態で冷たいコーヒーやお茶を頻繁に飲んでしまうと、着色が付いて黄ばんだ状態になりやすいです。

交換や通院のタイミングを守る

マウスピースは、通常10日〜2週間のタイミングで交換します。

交換のタイミングが早すぎたり遅すぎたりしてしまうと、予定通りに治療が進まなくなってしまいます。特に交換が早すぎる場合は、歯や歯肉などの組織に余計な力がかかってしまいトラブルに繋がることもあり危険です。交換の時期は確実に守りましょう。

通院はおよそ1〜2か月ごとで、その際は歯科医師にマウスピースの状態やきちんと装着されているかの確認を行います。通院間隔が長引いてしまうと、もし治療の経過でトラブルが起きてしまっていても把握することが難しくなりますので、決められた時期に通院するよう徹底しましょう。

まとめ

歯を指している女性

今回は、インビザラインのメリットや治療に向いている方などについて解説しました。

料金形態などは医院ごとに異りますので、カウンセリング時に疑問点がないように確認しましょう。インビザラインは、目立ちにくく取り外しができるという点では非常に優れた治療法ではありますが、デメリットや治療に向かない方もいますので、自分は治療に適しているのかどうかを今回の記事の内容を参考に検討してみてください。

インビザラインを検討している方や疑問がある方は、島根県の歯医者「かずあきデンタルクリニック」にお気軽にご相談ください。